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トップインタビューTHE DEAD PAN SPEAKERS - ニューウェイヴ、ファンク、ロックの黄金比を成立させた、エレクトロ・ロックのひとつの到達点と言うべきサード・フルアルバムが完成

ニューウェイヴ、ファンク、ロックの黄金比を成立させた、エレクトロ・ロックのひとつの到達点と言うべきサード・フルアルバムが完成

2026.04.21

今の時代に合ったもの、前へ進んでる感じのアルバムにしたかった

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▲実に17年振りのリリースとなるサードアルバム『Citizen's Lights』

──ライブを観てると前はNEU!みたいなインストのクラウトロックをアップデートさせたっていうイメージが強かったんですが、今回の新作は思ったよりエレポップ的な側面もかなりありますね。

松沢:そうね、ちょっとずつシンセが増えてきたからかな。

──人力テクノとジャーマンロックとエレポップみたいなのが半々みたいな。ただただ無機質なわけではなくエナジーがあって、尚且つメロディもすごくよくて、ほどよい温かみもある。

松沢:メロディ作るのはもうパズルだよね。こういう感じに人の気持ちを持っていきたいっていうのは頭にあるんだけど、そうするにはどれがハマるのかを探ってく感じ。

──80's風味もかなりありますが、別にニューウェーヴ・リバイバルとかポストパンクをやりたいわけじゃないですよね。

松沢:そういうつもりはないね。それだったらまた違う形になっちゃったと思う。ただもともとそんなにジャンルに特化したいと思ってたわけじゃなかったし。でも、同じ世代の友達に今回のアルバムを聴かせたら「なんか懐かしかった」って言われたから、やっぱりどっかそういうのあんだろうなと。

──立ち位置はちょっと難しいとこにはいますよね。エレクトロ、ダンスミュージックと言うにはロックだし、かといって無機質なポストパンクでもない。みんな同じかっこしてテクノカットしてるわけでもないし。

松沢:だからジャンルは言いづらいよね。“エレクトロ・ロックバンド”ってことになってるけど。

──とはいえ、ほんとにいいアルバムなんでいろんな人に聴いてもらいたいですよ。どの曲もいいですが、「Can't Resist」なんて本当にめちゃくちゃ名曲で。

松沢:ああいうコードワークっていうのはほぼほぼ初めてで、今まで1コードの曲がほとんどだからさ。といってもこの曲はギターは全部ワンコードでベースのリフだけコードワークがあるんだけどね。CUREで同じようなタイプの曲(「Just Like Heaven」)があって、それをちょっと真似したかな。「Can't Resist」はロスのローンシップっていう友達に歌ってもらってて。

──あ、そうなんですか! 誰が歌ってるんだろ? って思ってました。

松沢:アメリカツアーの時にずっとサポートしてくれてた人なんだけど、コードだけ作ってメールで送って、それに歌を乗せて戻してくれたやつにまたバッキングを被せてって感じでスムーズに進んだね。

Created by Naotoradams

──既にあるニューウェーヴの名曲みたいな存在感の曲でした。

松沢:ほんと?(笑) 嬉しいな。あとハンマービートもすごいやってるイメージがあるかもだけど、これまでまともなやつは1曲もやってないんだよね。でもこの曲ではやってみた。

──曲はシンセで作ってるんですか?

松沢:だいたいそうだね。高校生の時からちょっとした打ち込みはやってたから。ギターのリフを作る時にギターで作るとロックっぽくなり過ぎちゃうんだよね。ついついディレイかけたりするからジャムバンドみたいになっちゃって、そういうまとまり方しかしない。だけどまず1回キーボードでギターのリフを作って、それをギターでやると普通のギターの押さえ方じゃなくなるから面白いことになる。

──あのリフのちょっとストレンジな感じはそういうことなんですね。ところでアルバムは何年ぶりですか?

松沢:17年ぶり(笑)。

──そんなに間があきましたか。なんで今このタイミングで出そうと思ったんですか?

松沢:なんだろね? あともう1曲、もう1曲ってやってるうちにいつの間にかちょっと伸びちゃったってところはあるけど。コロナ前に録ったのもあるし、ライブでもやってない誰も聴いてない新しい曲もあるし。

──どんなアルバムにしたかったですか。

松沢:やっぱり今の時代に合ったものしたいってのは考えたかな。中には古い音源もあるけど戻りたくないっていうか、進んでる感じは出したいなと。

──時代の空気を纏ったものにはなってると思います。ノスタルジーやリバイバルでやってるわけではなく再構築しつつ最新の音楽として。

松沢:だから80年代のニューウェーヴみたいな部分を感じくれるの嬉しいけど、それは若い人たちには伝わんないから、そこには違うアプローチがないとダメだよなって。どんどん変わってきたとは思うけど、今が「これがだいたいのDEAD PAN SPEAKERSの形」にはなったなとは思ってる。例えばギターのリフのロック感もシンセ感もディレイ感もこれぐらいの感じかなって。

──その匙加減が絶妙ですね。シンセ シンセしすぎてもないし、こんなことやるなら全部打ち込みでいいじゃんみたいにもなってないし。

松沢:なんか合う合わないはやっぱあるよね。やっぱシンセ抜いたら寂しいね、ギター抜いたら寂しいよねっていう……ちゃんとそこが両立してないと。

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THE DEAD PAN SPEAKERS
New Full Album『Citizen's Lights』

Diwphalanx Records PX393
¥3,182+税
2026年4月22日(水)発売

【Tracks】
01. Good News
02. Both Cases
03. Line Through The Point
04. In That Park Again
05. Multiple Cells
06. May The Noise Be With You
07. Titina
08. Can't Resist
<Bonus Track>
09. Making Plans For Nigel(XTC)
10. New Life(Depeche Mode)

エレクトロ・ロックバンド THE DEAD PAN SPEAKERSが『ELECTRIC SUNSHINE』(Diwphalanx PX198|2009年)から実に17年ぶりに放つサード・フルアルバムがリリースされる。
音楽に纏わりつく「要素」を極限まで削ぎ落とし、ロックサウンドの「本質」をミニマルに昇華~再構築させた全10曲。それは、ニューウェイヴ、ジャーマンロック、ポストロック、テクノ、ファンクなどロックの長き歴史の中で派生したフリーキーな音像群を、よりダンサブルに「再結晶化」させた、エレクトロ・ロックのひとつの到達点を結実させた注目作。ボーナス・トラックとしてXTC、Depeche Modeの名曲カバーを収録。

「ニューウェーブ、ファンク、ロックの黄金比!!」
デッドパンのリーダー・松沢氏は私の中学時代の同級生であり10代の多感な時間を共に過ごしてきた存在です。
彼は私が初めて音楽の趣味を共有できた友人でもあり、彼の存在なくして私の音楽人生は語れないかもしれません。
昔から感じていたことですが、彼のセンスは仲間の中でも群を抜いていました。
とりわけ80年代の自由でユニークな音楽シーンからの影響を絶妙なバランスで自分のスタイルに変換する。
そのセンスは本作においても存分に発揮されています。
是非この作品で体現された絶妙なバランスのバンドサウンドを体験していただきたいと思います。
(Text by 砂原良徳)

LIVE INFOライブ情報

New Album Japan Tour
5月3日(日)大阪 火影
5月4日(月・祝)名古屋 Valentinedrive
5月5日(火・祝)愛知県北設楽郡 月猿虎
5月16日(土)土浦 B side sound
5月23日(土)清水 CLUB ZOU
5月30日(土)盛岡 CRATES
5月31日(日)秋田 STEPS BAR
6月13日(土)千歳 ZOOWEE
6月14日(日)札幌 REVOLVER
6月28日(日)下北沢 SHELTER【昼帯】

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