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INTERVIEW

トップインタビューアツシ(ニューロティカ)×KERA(有頂天)- 新宿ロフト50周年プレイベントも兼ねた、夢の対バンが実現! 水曜の夜をブチアゲる、ニューロティカのツーマン企画『ビッグ・ウェンズデー2025』最終回のゲストは有頂天!!

新宿ロフト50周年プレイベントも兼ねた、夢の対バンが実現! 水曜の夜をブチアゲる、ニューロティカのツーマン企画『ビッグ・ウェンズデー2025』最終回のゲストは有頂天!!

2025.10.10

せっかくだから、まだライブでやったことのない初出しの曲もやろうかな?(KERA)

──そういう意味でもニューロティカと有頂天の対バンって、すごく象徴的だなと思って。もはやジャンルも関係ナシに、やりたいことを一貫してやっているバンド同士が、ツーマンという形で初めて交わるっていうのがすごく面白いし、興味深いです。

KERA:いまのニューロティカの音楽性がどうなのかとか正直、どうでもいいんですよ。そういうことよりも強いことがあるよね。続けてきてるってことや、バンドの力そのもののほうが強い。

──ニューロティカの追っかけがいのあるところが、ちゃんと新曲が良いんですよね。だから新曲で常に最新型を見せつつ、みんなが求める昔の曲もやって。ニューロティカには、ただ続けてるだけじゃない強さがあるんです。

KERA:あ~、それはすごく大事なことだと思いますよ。僕らも今年、再結成10周年で。それまでは「再結成してください」って言葉に、「絶対ない」って返していたんですけど。彼らにしてみれば、舌の根も乾かないうちに再結成して。まあ、そこにはいろんな理由があるんですけど、50歳になった時にロフトで4日間やらせていただいて(『ケラリーノ・サンドロヴィッチ・ミューヂック・アワー 〜生誕50周年・ナゴムレコード30周年&新生記念・新宿ロフト4days〜』)。その時に有頂天のメンバーで久しぶりに集まって、セッションをやって。「新しいことをやるならば、やってもいいね」って話になった。当時から来てるお客さんは自分の体験と重ね合わせて、曲が持ってる力以上のものがあるわけだから、昔の曲をやったほうが確実に喜ぶんだけど。それを許容した上で新しいことをやっていくならばって、再結成したんだけど。いまもレコーディングが終わってあとはミックスするだけで、9年ぶりの新譜が出るだけで大変だけど、新しいことをやっていかなきゃねっていうのは思いますね。同窓会を繰り返すことに時間を費やしたくない。ニューロティカの観客はどんな感じなの?

アツシ:40~50代ですね。子ども連れて来てくれて、意味が分かってるのか分からないけど、一緒に唄ってくれるのが嬉しくて。悪いことできないですね(笑)。

──柳家睦さんとの対談でも話してましたけど、ついに3世代で来る人もいて。

KERA:あ~、ホント? 素晴らしいね。

──新宿ロフトだと3世代って大変ですけど。武道館や野音でやった時や、J:COMホールでやった時は、本当にそんな感じでしたよね。

KERA:そうだ、武道館もすごいなぁと思いましたよ。ニューロティカの武道館とかさ、ロリータ18号の日比谷野音とかさ、ああいうのを眺めてると感動しちゃうよ。準備してる様子とかをSNSで見るだけで。この間、COUが野音最後でオープンの日があって、行ってきて。ステージに上がって、自分のポジションから見た上手側から客席を見た風景を写真に撮ってきたって言ってて。

アツシ:あ~、いいですねぇ!

KERA:武道館は俺たち、一回も立ってないからね。たまのメンバーにも、「君らは武道館やってるから羨ましい」って言うんだけど。筋少も武道館やってるし、卓球たちはスタジアムもやってる。僕らはワンマンで一番広いところって、中野サンプラザと野音くらいだから。俺たちの時代、武道館なんてゴールだったからね。野音だってLONG VACATIONの時は、自分たちで借りてやったからね。あ、ニューロティカは武道館の翌日にロフトでやってたでしょう? すごい体力だね!

アツシ:あれはARBがやってて、周りのスタッフやみんなに「やれ!」って言われて、新宿のホテルに泊まってやりました(笑)。

KERA:そうか。宮藤(官九郎)たち、グループ魂もARBがなかったら生まれなかったバンドだからね。三宅(弘城)は最初、80年代に『DOLL』を見て、劇団健康のオーディションに応募してきて。ドラム叩けるんだけど、「自分は演劇の人間なんだ」って思い込むようにして頑張ってて。宮藤に「なんとかボーイズみたいな、コミックバンドのパロディをやるから」って呼ばれたのが、グループ魂の始まりで。まさか、ドラム叩いてお金もらえるなんて思ってなかったから、嬉しくてしょうがないんじゃないかな?

アツシ:パンク好きですもんね。

KERA:宮藤と阿部(サダヲ)は、ARB大好きだしね。彼らにしてみたら、ニューロティカって憧れの存在なんじゃない?

アツシ:いやいや、どこにでもいる親近感のあるパンクバンドですよ(笑)。

──しかし、KERAさんは武道館の翌日にロフトやってたことまでご存知で、ニューロティカのこと、すごく良く知ってますよね。実はあっちゃん、「KERAさんはニューロティカのことなんて、あんまり知らないんじゃないか?」って、すごくビビってたんです(笑)。

アツシ:あはは。でも、会うたびにすごく優しく接してくださるし。映画『あっちゃん』のことも知ってくださってて、すごい嬉しかったですね。

KERA:なんかの時にスススッと掘るんですよ。井上くんが亡くなった時とかも、ネットを見てると全然違うところまで行っちゃうんですよね。だから、ゲンドウミサイルとかもナゴムなんですけど、ほとんど交流がなくって。全く話してなかったんだけど、「中卒(死ね死ね団)が亡くなったそうです」って最初に連絡くれたのが(夜桜)極蔵だったし。11月26日に俺がナゴムでリリースした楽曲をカバーして唄う、『KERA sings ナゴムレコード』ってライブをやるんだけど。そこに極蔵もゲストで来てもらうことになりました。会うのは何十年ぶりだろう。

アツシ:極蔵は僕の同級生で、それこそナゴムのゲンドウミサイルのレコードを買って、「これはウチと匂いが一緒だ」って対バンを申し込んで。僕がロフトで初めて企画をやった時のゲストがゲンドウミサイルで、それ以来、40年の付き合いなんです。

──ナゴムレコードを立ち上げたのが、KERAさんが20歳の頃。そんな若者がレーベルを主宰しようというのも、相当すごいことですよね。

KERA:いや、立ち上げの時はそんなに長くやると思ってなかったし。1枚目が有頂天で、2枚目が空手バカボンでって、自分の唄うバンドしか出すつもりなかったから。そこに「静岡から来た、グレイトリッチーズといいますが……」とか、だんだん人が集まってきただけで。「年上の人間がパンクバンドやってるけど、路線的に行き場がなくて。デモテープだけ聴いてもらえますか?」って聴いたのが、ばちかぶりだったり。でも、自分で言うのもなんですけど、みんななんらかの道で残ってるのが素晴らしいなと思って。みんな生命力ありますよね。

──探し回って見つけてきたわけじゃなくて、自然とそういう仲間たちが集まってきたっていうのも奇跡的です。

KERA:大槻だって、内田(雄一郎)が高校の後輩っていう縁ですからね。ナゴムはサロンみたいな感じだった。ガロ系の漫画家さんも、頼めば5,000円くらいでイラストを描いてくれたりして、まったく有り難かった。5,000円で描きたくない人は、近寄って来ないから(笑)。

──貴重な話満載でしたが。最後にそれぞれ『ビッグ・ウェンズデー』に向けての意気込みを聞かせてください。

アツシ:さっきKERAさんが言ってた言葉を忠実に守って、守りに入らずはっちゃけたいと思います。別に悩んではいなかったんですけど、吹っ切れたというか。大事なことをもう一回教えていただいたし、間違いないって確信できたので嬉しかったです。

KERA:僕はツーマンライブって年に1回くらいしかやらないし、やる時は自分のバンド2バンドでやったりするからハードなんですよ。今回は気楽というか、良い意味で楽だなと思っています。とにかく楽しんでやりたいなっていうのと、せっかくだから、まだライブでやったことのない初出しの曲もやろうかな? と思っています。

──あと欲を言えば、両組がステージで勢揃いする光景が見たいなと思ってしまいますが。

KERA:そうですね、余力があれば(笑)。何年か前に公表されましたが、ベースのクボブリュが病気だったり、いろいろあるんスよ、この歳になると(笑)。

アツシ:クボブリュさんはご家族でウチのお菓子屋さんに来てくれて、びっくりしたんです。『ビッグ・ウェンズデー』で、一緒にライブができるのを楽しみにしてます!

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SHINJUKU LOFT 50TH ANNIVERSARY PRE-EVENT SINCE 1976
新宿LOFT×ニューロティカ企画『ビッグ・ウェンズデー 2025』
【出演】ニューロティカ / 有頂天
【日程】2025年10月15日(水)
【時間】開場18:45 / 開演19:30
【チケット】前売¥5,500 / 当日未定(共にドリンク代別¥600)
イープラスにて10月14日(火)18:00までチケット発売中
【会場・問い合わせ】新宿LOFT 03-5272-0382
 

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KERA sings ナゴムレコード
【出演】KERA
【ゲスト】石川浩司(元・たま)/ ツネヲ(木魚)/ マユタン(マサ子さん)/ 夜桜極蔵(ゲンドウミサイル)
【演奏】伏見蛍 / 坂出雅海 / 佐藤真也 / 佐久間亮 / 吉田仁郎 / Vari / ビッキー / スズキヨシフミ
【日程】2025年11月26日(水)
【時間】開場18:45 / 開演19:30
【チケット】前売¥6,000 / 当日¥6,500(共にドリンク代別¥600)
ぴあ(Pコード:310-584)、ローソン(Lコード:71573)、イープラス、新宿LOFT店頭にてチケット発売中
*各チケットNo.1〜 並列入場
【会場・問い合わせ】新宿LOFT 03-5272-0382

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