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INTERVIEW

トップインタビューアツシ(ニューロティカ)×KERA(有頂天)- 新宿ロフト50周年プレイベントも兼ねた、夢の対バンが実現! 水曜の夜をブチアゲる、ニューロティカのツーマン企画『ビッグ・ウェンズデー2025』最終回のゲストは有頂天!!

新宿ロフト50周年プレイベントも兼ねた、夢の対バンが実現! 水曜の夜をブチアゲる、ニューロティカのツーマン企画『ビッグ・ウェンズデー2025』最終回のゲストは有頂天!!

2025.10.10

 再びロフトに帰ってきた、ニューロティカ×新宿ロフトによるツーマンライブシリーズ『ビッグ・ウェンズデー』も最終回。今回、「SHINJUKU LOFT 50TH ANNIVERSARY PRE-EVENT SINCE 1976」として、新宿ロフト50周年プレイベントも兼ねたゲストとして出演するのは有頂天! どちらもロフトに深い馴染みがあり、交わりそうで交わることのなかった2組。ニューロティカのことをよく知ってくれていて、一貫したロティカのスタイルを称賛するKERAさんに恐縮しっぱなしのあっちゃん。インディーズブームの時代のこともよく覚えていて、惜しげなく貴重な話をしてくれるKERAさんのトークに感心するばかり。初対バンが楽しみになる、濃厚で充実した対談を余すところなくお届けします!(Interview:フジジュン)

ニューロティカがみんなでDVD封入してるとか聞くと、「すごいな、でもそれが当たり前だよな」と思っちゃう(KERA)

KERA:ニューロティカは今年で何年目?

アツシ:41年です。

KERA:いやぁ、ノンストップでやり続けてるってのが本当にすごいね。一旦、解散なり活動休止なりして。ほとぼり冷めた頃にみんな懐かしくなって、また始めるみたいなパターンも多いじゃない? 俺はいつメンバーが変わったか知らなかったから、何年か前まで修豚って人がまだギターを弾いてると思ってたけど。いまは熱帯魚屋さんなんだよね?

アツシ:はい、熱帯魚屋(フィッシュジャパン)やってます。

KERA:死んじゃった井上(正)くんと一緒に熱帯魚屋やってたよね? 三浦俊一とやってたバンド(ケラ&ザ・シンセサイザーズ)で、16TONSの「サーフ・ダンシング」をカバーしたことがあって。その時、井上くんに電話して、話したきりなんだけど。

アツシ:井上くんは修豚の熱帯魚屋でバイトしてて、ウチの八王子の奥に住んでたんです。

KERA:そうなんだ。井上くんが亡くなって、生前残したラジオが追悼で流れてきて。俺のこととか、「カバーしてくれた」って話をしてくれてたのを知ってね。生きてるうちにもっと話したかったな。そこからFacebookを辿ったら、修豚くんのバンドとかが出てきて、「そうかそうか」って。全然勉強するつもりじゃなかったのに、勉強しちゃってた(笑)。でも、41年はスゴイと思いますよ。

──ニューロティカも有頂天も長い歴史を持つバンドですが、初めてのツーマンライブ。メンバーみなさんご多忙で、年に数回しかライブをされていない有頂天が、その貴重な機会に、なぜ『ビッグ・ウェンズデー』を選んでくれたのか? というのが疑問なんですが。

KERA:いやいや、誘われないだけですよ。有頂天でツーマンやろうって誘ってくれるのは、ロフトくらいだから。去年は(石野)卓球とやって、今年はニューロティカ。お呼びがかかれば、全然やりますよ。あと、卓球にしろニューロティカにしろ、古くから知ってるから。誘ってくれるならぜひと思って、メンバーみんな喜んでます。

アツシ:ありがとうございます、めちゃくちゃ嬉しいです! その言葉だけで充分です。

KERA:何年か前にスタジオで会ったことがあって、あの時はビデオの収録やってたんだよね? その時はメイクをしてたから、「そのメイク、何分かかるの?」って聞いたら、「10分です」っていうから、すげぇ驚いた(笑)。カタルは昔から知ってるんですよ、THE LOODSにいたから。あと、有頂天のキーボーディストと付き合ってたこともあったから(笑)。でも、THE LOODSはイカついイメージのバンドだったから、あの頃は彼の笑顔はほとんど見なかったな。

アツシ:そうですね、当時は革ジャンに白と黒みたいなファッションで。ニューロティカに入って、周りのバンドマンが「こんなキャラだったんだ!」ってすごい驚いてました。

──KERAさんはカタルさんとは面識があったけど、あっちゃんとちゃんと話すのは初めてくらいなんですよね?

KERA:初めてだよね? でも、そんなもんなんですよ。仲良しだと思われてるバンドでも、なかなか会う機会がなくて。例えば、THE WILLARDだって、“インディーズ御三家”とか言われてたけど、下手すると30年くらい会ってないし。LAUGHIN' NOSEもロフトでツーマン(2016年9月)やらせてもらったことがあるんですけど、チャーミーやポンとは5年くらい会ってないし。じゃあ、誰と仲良しなの? って言われても、卓球や(ピエール)瀧とも1年くらい平気で会わないし、大槻(ケンヂ)もXでやりとりするくらいで、還暦ライブ以来会ってないですね。

──ニューロティカはLAUGHIN' NOSEともオーケンさんとも関わりが深いのに、これまでKERAさんにたどり着く機会がなかったというのが面白いです。

KERA:独自なんですよ、俺たちが。でも、ニューロティカはすごく活発に動いてるイメージがあるな。その活発さの中には、みんなでDVDの封入をやったりというのもあって。「すごいな、でもそれが当たり前だよな」って思っちゃうんですよね。「俺も袋詰めしてたな」って、自分のことも思い出すし。メンバーが社員なんでしょう? みんな給料もらってるってこと?

アツシ:そうですね。4人で会社作って、給料渡してる感じで。

KERA:普段、リハはどれくらいやってるの?

アツシ:リハは週2回ですね。いい年齢なんで2時間だけ集中してやって、袋詰めがあると3時間やってます(笑)。

KERA:いやぁ~、バンドだね! 本当に素敵だと思います。

──有頂天が82年結成、86年メジャーデビュー。ニューロティカが84年結成、88年にキャプテンレコードからCDデビューと、結成からデビューまで2年くらいズレてて。インディーズシーンやライブハウスシーンで見た時、当時の2年って大きな変化があった時代だと思うんですが。KERAさんは2年後輩のニューロティカをどう見ていたんですか?

KERA:あの頃って1~2年違うと、全然違うんですよ。70年代終わりから80年くらいまで、東京ロッカーズとか、P-MODEL、ヒカシュー、プラスチックス。RCサクセションもそうですけど、あの辺をいちオーディエンスとして聴いていて。いま考えると、その数年後には自分でバンド組んでレーベルやってるわけじゃないですか? もの凄いスピードなんですよ。いまだったら、ボーッとしてたら1~2年くらい平気でなにもやらずに経っちゃうんで、その行動力って我ながらすごかったなと思うんです。それは世界がちっちゃかったっていうのと、情報社会じゃなかったから、伝わる時に盛って伝わるというか。『宝島』にしろ、『DOLL』にしろ、『FOOL'S MATE』にしろ、幻想が大きかったと思うんです。大きく大きく伝わるから、東京に出てきたらみんな見たくなるんだけど。僕らにしてみれば、目の前にあることをひたすらやってただけ。いまにしてみれば、よくあんな時間があったなと思うんだけどね。みんなでよく喋ったし、どうでもいい話して。冗談で言ってたことを、本当にやっちゃうのが面白かったし。みんな驚いてくれたしね、いまより。

アツシ:あはは、よく分かります。

KERA:LAUGHIN' NOSEがソノシートばら撒いたりしてさ、当時はああいうのが大事件になっちゃってたわけだからね。いまだったら「勝手に配れよ!」って話だし、「交通法どうなってるの?」って話だけど、あの頃は何やっても驚いてくれたし。インディーズブームっていうのも僕らが仕掛けたわけじゃないので、勝手に盛り上がってくれて。その直後にLÄ-PPISCHとか出てくるんだけど、年も1個くらいしか変わらないのにすごい後輩扱いしたり(笑)。内心、こっちとしても後進の連中に潰されたくなくて必死だった。敵は少ないほうがいいから(笑)、「仲良くしよう」みたいな感じはなくて、「負けてられねぇ」みたいな気持ちがあったし。

──バンド間にヒリヒリした緊張感があったんですね。

KERA:インディーズブームより、その後のバンドブームのほうが波がデカかった気がするし、「楽しくやろうぜ」って感じがしたし。バンドブームは「みんなもバンドができるよ」ってブームだったから求心力が強くて、結構焦ってたんじゃないかなぁ。で、その中にニューロティカがいて。ブルーハーツもね。周りにはジャンル関係ナシにいろんな人がいて、聖飢魔IIを始める前の(デーモン)小暮くんがスーパースランプにいて。その後、爆風銃(バップガン)とスーパースランプが一緒になって、爆風スランプになるんだけど。小暮くんは生老婆ってバンドをやってて、白塗りして着物着てライブしてた。「今度、メタルのパロディバンドでソニーからデビューするかもしれない」なんて言ってて、それが聖飢魔IIだったんだ。

アツシ:へ~~! 僕は高校生の頃、ダディ竹千代とおとぼけキャッツのライブを屋根裏に観に行って。奥野(敦士)さんがチケットのもぎりをやってて驚いたんです。

KERA:そうそう。ROUGUEのメンバーは屋根裏が送り出したバンドみたいな感じだったからね。ロフトより屋根裏のほうがいい加減で、タダで入れてくれる可能性が高かったから、屋根裏に入り浸ってたけど。屋根裏もロフトもお世話になりましたよ。ロフトに初めて出た時、秋山って店長がいてね。「どの曲もイントロが同じに聴こえる」って言われてイラッとして、その後のエッセイにすごい書いたんですよ(笑)。

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LIVE INFOライブ情報

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SHINJUKU LOFT 50TH ANNIVERSARY PRE-EVENT SINCE 1976
新宿LOFT×ニューロティカ企画『ビッグ・ウェンズデー 2025』
【出演】ニューロティカ / 有頂天
【日程】2025年10月15日(水)
【時間】開場18:45 / 開演19:30
【チケット】前売¥5,500 / 当日未定(共にドリンク代別¥600)
イープラスにて10月14日(火)18:00までチケット発売中
【会場・問い合わせ】新宿LOFT 03-5272-0382
 

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KERA sings ナゴムレコード
【出演】KERA
【ゲスト】石川浩司(元・たま)/ ツネヲ(木魚)/ マユタン(マサ子さん)/ 夜桜極蔵(ゲンドウミサイル)
【演奏】伏見蛍 / 坂出雅海 / 佐藤真也 / 佐久間亮 / 吉田仁郎 / Vari / ビッキー / スズキヨシフミ
【日程】2025年11月26日(水)
【時間】開場18:45 / 開演19:30
【チケット】前売¥6,000 / 当日¥6,500(共にドリンク代別¥600)
ぴあ(Pコード:310-584)、ローソン(Lコード:71573)、イープラス、新宿LOFT店頭にてチケット発売中
*各チケットNo.1〜 並列入場
【会場・問い合わせ】新宿LOFT 03-5272-0382

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