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最初は叫びだったけど、最近は誰かに寄り添うような曲も増えてきた

──そうやって最初の「とにかく音を出してる」っていうところから、赤いくらげの形になってくるまでには、どういうプロセスがあったのでしょう？

夏生：もともとボーカルとか経験なくて……ふたりともコミュ障だから（笑）。でもバンドするなら、やっぱボーカル必要だろうなって思って、とりあえずスタジオ入った時、マイクを真ん中に置いてやってて、なんか気づいたら、めっちゃ私がバーって叫んでいて。そっから、私がボーカルやる？ みたいになった。それで、なんか絶対スリーピースがいいなって思ってて。

──じゃあ、もうギターとボーカルは両方とも自分がやるしかない、と。

夏生：そう。そこから始めました。あと、もう1人ギターいるのがなんか嫌で、私のほうが弾ける、目立ちたいって、つい思っちゃうから。

──ギターをもう1台増やしてみたい、とかは思わないわけですね。

夏生：思わないですね。たぶんケンカになる。

──最初の頃からオリジナル志向で、自分たちで曲を作っていたんですか？

夏生：そうです。私がギターの専門学校に行ってて。その時に一応、基礎だけ学んで、授業中にちょっと作ってみて、それを他のメンバーに共有して。今は、私が「こういうのやりたい」つって大雑把なリフを作って。スタジオでなんとなく合わせてみて、そこから3人で考えて…って感じです。最後に歌詞。

──歌詞に関しては、全体的に、生きづらい世界に向けて、ただ恨みつらみをぶつけるだけじゃなく、そこで自分をどうにかしたいっていう気持ちが歌われてることが多いように感じました。

夏生：そうですね。ただ、最初は叫びからだったんで（笑）、なんか自分の思ってることはこれ！ って感じだったんですけど、最近はもう少し誰かに寄り添うような曲も増えてきてて。音楽やってるうちに、そこも変わってきた気がします。

──なるほど。そして、赤いくらげといえばまず、夏生さんの声の出し方が強いインパクトを聴き手にもたらすわけですが、最初からこういう声が出ていた感じですか？

夏生：はい。でも、最初の頃のライブ音源を聴いたら、全然まだ出し切れてない感じ。可愛さが残ってて。それが、だんだん形になってきた。初めのうちは「何言ってるかわからん」とか、ずっと言われてました。

──この声色の作り方には、声優さんの手法にもちょっと近いものを感じたりもするんですが、アニメは見たりしますか？

夏生：見ない（笑）。

──じゃあ、偶然なんですね。

夏生：けど、よく言われる。

──先ほどの話だと、ギターの専門学校に行かれてたそうですが、どういうことを学んでいたのですか？　エフェクターの使い方とか？

夏生：エフェクターの使い方とか、即興のソロの弾き方とかも。最初の基礎だけです。後半は全然行ってなかった。基礎だけ盗んで、あとは実践するかって（笑）。