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INTERVIEW

トップインタビュー赤いくらげ - 強烈な個性と中毒性溢れる楽曲を放つ超爆音スリーピースバンドがキャリア初のワンマン・ツアーを敢行

強烈な個性と中毒性溢れる楽曲を放つ超爆音スリーピースバンドがキャリア初のワンマン・ツアーを敢行

2025.05.21

 ヤバいバンドと出会ってゾクゾクする体験は、なかなか滅多に得られない。個人的には、1991年にNIRVANA『ネヴァーマインド』の試聴音源を聴いた時とか、2015年のフジロックでおとぼけビ~バ~を見た時とかがそうだった。そして去年、初めて赤いくらげのライブをくらって、久々にあのスリリングな感覚を味わった。以降、昨年リリースされたアルバム『回転世界』をずっとリピートし続けている。
 彼らの曲はどれも、聴いたらすぐに持っていかれるフックが満載だが、売れ線狙いでキャッチーな曲に仕立てたイヤらしさがない。きっと、ボーカルとギターが振りまく強烈なキャラクターに嘘がないからだ。そのキャラを象徴する「声」も、作為的なところは全くない。そして、そんな歌声を、グイグイ動きまくるベースと、パワフルかつシャープなドラムがガッチリ支える、見事なパワートリオが確立している。

 活動キャリアはおよそ10年、熱心なファンからしたら、「何を今さら」と言われそうだが、時間をかけて、じっくり磨き抜かれてきた強靭な個性は、十分な新鮮さを保ったまま、まさに今ここにきて極まった様子だ。いよいよ大きな飛躍が期待される空気が満つる中、バンド自身にも期するところが大いにあるようで、この6月には初のワンマン・ツアーが決行される。

 絶好のタイミングで、初めてのロング・インタビュー。まだ取材慣れしていない、初々しさを残す話しぶりながら、夏生(Vo/G)の自己表現にかける情熱、まつな(Ba)のバンドに対する誠実な想い、しげる(Dr)の頼もしい兄貴らしさといった、赤いくらげの重要ポイントが伝わる内容になっていると思う。
 少しでも何か引っ掛かるものを感じた人はもちろん、むしろイメージ的に偏見を持ってしまいそうな人ほど(可能な限り生で)チェックしてほしい。(取材・文:鈴木喜之)

いきなり東京に出て、もう「とりあえず鳴らす」みたいな

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──恥ずかしながら、赤いくらげのことを去年までよく知らずにいたのですが、結成は10年ほど前に遡るんですね。

夏生:そうですね。去年ちょうど10周年でした。

──最初は夏生さんと、まつなさんで始めたそうですが。

夏生:最初に、このふたりが出会って。ドラムは別の人でした。

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──しげるさんは、いつ頃に入ったんですか?

しげる:6年くらい前に、最初はサポートとして。前のドラムが抜ける時、ちょうど対バンしたんですよ。自分はベルノバジャムズという別のバンドをやってて。で、ライブ終わった後、「しげるさん時間あります?」「ドラム叩いてくれませんか?」「じゃあサポートだったらいいよ」みたいな感じ。ちょっと歳も離れてるから、自分より若い子を入れて、年齢の近い3人でやったほうが動きやすいはずだと思ったんで、しばらくサポートだった。でも、そのうち、なっちゃんから「入ってくれ、入ってくれ」って言われて、「うん、わかりました」って。

──やっぱりそれは、この人だったら間違いない、みたいな確信を持てたわけですね?

夏生:そうですね、びびびびっときたっていうか。(しげるが)前やってた嘘つきバービーっていうバンドが、昔から好きだったんですよ。で、これはいけんじゃねえか? って。

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──では、夏生さんとまつなさんはどういう感じで知り合ったのでしょう?

まつな:ミクシィですね。

夏生:そう。ミクシィで知り合って、バンドやるかってなった。

まつな:それこそ、嘘つきバービーのコミュニティとかで。

──おお、じゃあバッチリ回収したというか、いい話じゃないですか。

まつな:その頃の自分は九州の大学にいたんですけど。バンドやるからって辞めて、東京に出てきました。

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──東京に出てくる前に、まずは音合わせしてみて、とかはなかったんですか?

まつな:いや、何もない(笑)。

──いきなり東京に出て、いきなり一緒に何か曲をやってみた、という感じ?

夏生:曲ってか、もう「とりあえず鳴らす」みたいな。

──コピーをやったりとかはしなかったんですか。

まつな:何もやってないです。

夏生:とりあえず好きなことやろうって。

──当時は、どういう音楽を好きで聴いてました?

夏生:え、なんだろう?

まつな:まあ、それこそ嘘つきバービーとか。他にはミドリとかモーモールギャバンとか、日本のロックですね。

夏生:お互い好きなバンドを共有して、私からは、つしまみれとか戸川純を教えたり。

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赤いくらげ『ダミー人間』

2025年5月21日(水)デジタルリリース

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LIVE INFOライブ情報

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赤いくらげタイマンツアー “喧嘩上等”
【赤いくらげタイマンツアー“喧嘩上等” 大阪編】
​出演:​赤いくらげ /(O.A)The Dahlia
2025年6月8日(日)​心斎橋KINGCOBRA
開場17:30 / 開演 18:30
​前売¥3,000(+1drink)/ 当日¥3,500(+1drink)
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【赤いくらげタイマンツアー“喧嘩上等” 名古屋編】
​出演:​赤いくらげ /(O.A)
2025年6月15日(日)名古屋CLUB ROCK'N'ROLL
開場18:00 / 開演19:00
​前売¥3,000(+1drink)/ 当日¥3,500(+1drink)
チケット購入はこちら
 
【赤いくらげタイマンツアー“喧嘩上等” 福岡編】
​出演:​赤いくらげ /(O.A)オクムラユウスケ
2025年6月21日(土)福岡public bar Bassic
開場18:00 / 開演19:00
​前売¥3,000(+1drink)/ 当日¥3,500(+1drink)
チケット予約はこちら
 

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【“喧嘩上等” ツアーファイナル】
​出演:​赤いくらげ(ワンマン)
2025年6月27日(金)​新宿LOFT
開場18:30 / 開演19:30
​前売¥4,000(+1drink)/ 当日¥4,500(+1drink)
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