いい風が吹いてきてるのはすごい感じてます
──さて、しげるさんが入って5年目くらいってことなんですが、ここにきて、この1〜2年でバンドを取り巻く状況が、なんだかいい風が吹いてきてるかも、みたいな実感が持てているのではないでしょうか?
しげる:そうですね。それはすごい感じてます。全然これまで関わってなかったような人たちが来るようになったり。
──先頃、エッグマン(3月12日)でやったワンマンもソールドアウトしてましたし。そうした状況を受けて、いよいよ6月にはワンマン・ツアーに打って出るわけですが、これはバンド・キャリア初のことなんですよね。
夏生:ワンマンでのツアーは初めてです。
──それもやっぱり、今こそやらなきゃという手応えを感じているからこそ、決めたという感じですか。
夏生:えー(笑)。
しげる:去年、大阪でもワンマンやって、けっこう大盛況だったんで、いけるんじゃないか? っていう話をしてました。ただ、東京以外はオープニング・アクトを入れます。ツーマンでやるのは逆に、ちょっとなんか……誰を呼べばいいんだ? ってなって。友達が少ないんですよ(笑)。
夏生:友達少ないバンド……。
しげる:他のバンドだと、やっぱりレーベルメイトとかと一緒に回って、こう相乗効果でやるじゃないですか。そういうのが一切ないんで。それで悩んで「もういっか、ワンマンで」って感じ(笑)。
──活動を続けてきて、なんとなくこの辺のシーンに所属してるな、みたいな感覚も全然ないですか。
夏生:えー、どうなんですか、それ。
しげる:うーん、俺は中途採用なんであれですけど。このふたりがやっぱり他のバンドと、マジで交流してない。
夏生:最初なんか「対バンとは喋らん」みたいなスタイルで、それがカッコいいと思ってたから(笑)。でも、しげるさん入ってから変わった。
──なるほど。ちなみに、しげるさんがドラムを始めた頃、お手本にしたドラマーはどんな人たちですか。
しげる:学校みたいなのも周りになかったし、まだYouTubeもなかったんで、佐世保にいるジャズ・ドラマーみたいな人にちょっとだけ教えてもらって。「カウント・ベイシーを聴きなさい」とかいろいろ言われたんですけど、やっぱりブランキー・ジェット・シティが好きだったんで、手本は中村達也さんですね。だから自分もセット全体が低いんですよ。
──他のおふたりはそれぞれ楽器を始めた時、ギタリストとして、ベーシストとして、こういうミュージシャンが好きだとか、こういう感じで弾こうみたいな人って誰かいたりします?
まつな:僕はもう完全に、ゆらゆら帝国の亀川千代さん。ものすごく影響を受けてます。
──夏生さんは?
夏生:ええ、誰だろう。
しげる:つしまみれのまりちゃんとか?
夏生:そうだ、もう高校の時からずっと好きだし、コードの感じとか影響されてるかもしれないです。歌も、まりさんかな。パッキング弾きながらで。
──自分みたいな世代が聴くと、「VS」や「名無しちゃん」のギターの音色とか、グランジっぽいなと思ったりするんですが、その辺りはどうですか。
まつな:ニルヴァーナを好きな人たちのことは好きなんだけど、ニルヴァーナについては別に知らないですね。
夏生:そこまで辿り着けてない。
まつな:ニルヴァーナの孫みたいな(笑)。
しげる:家系は一緒(笑)。