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トップインタビューOLEDICKFOGGY - 生と死が共存する「美しき日々」が散りばめられた、バンド第3章の幕開けを告げるマスターピースが完成

生と死が共存する「美しき日々」が散りばめられた、バンド第3章の幕開けを告げるマスターピースが完成

2025.04.16

美しさっていうのは表面的なことじゃない

──「ビューティフルデイズ」のMV、俳優の渋川清彦さんの後ろ姿が西村さんにソックリで。ドキッとしました。

伊藤:似てますよね。あのシャツは俺が買ったんですよ。西村さんが着てたのと同じようなやつ探して。800円で古着屋で(笑)。ズボンはキーくん(渋川清彦)の私物なんですよ。靴と上着は、「俺が買ってくる」ってキーくんが。バッチリのやつを買ってきた。

──撮影は西村さんのお墓がある能登。渋川さんが災害に遭った街を歩くシーンも。いろんな人がいろんな思いを重ねるでしょうね。

伊藤:お墓は西村さんが生前に建ててたんですよ、西村さんが敬愛する明治から大正時代の小説家の藤澤清造さんのお墓と一緒に。

──伊藤さんも敬愛する西村さんが亡くなって、ある意味、西村さんの気持ちに近づいた、気持ちがわかる、みたいな感覚は?

伊藤:西村さんがどんな気持ちかはわからないけど……。悲しかったですよ。喧嘩別れのままでしたから。でも時間が解決するなって思ってたんですけど、それが叶わないことになって。叶わないんだって思ったら……、悲しかったですね。

──MVで最後に渋川さんがタクシーに乗るじゃないですか。乗らないでー、って思いました(笑)。

伊藤:思いますよね。タクシーの中で亡くなったから。

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──西村さんってキレイゴトなどないリアルな作品を書き続けていた。だからMVもリアルにすることが西村さんへの追悼。豊田利晃監督はそんなふうに思ったのかなって。

伊藤:どうでしょうね。豊田監督はね、あの人はとにかく過酷な環境を作りたがる人なんです(笑)。

──伊藤さんも雪の中で歌ってるもんね。しかもかなり薄着で。アレは過酷(笑)。そろそろライブの時間になりますね。今作、風通しの良さを感じました。やりたいことやろう、出てきたものをやろうっていう。メンバーそれぞれの個性が発揮されてバラエティあるし、オールディックらしさが広がっている。伊藤さんの歌詞はストレートで素直でリアル。いろんな人生があって、そこには生と死がある。そんな人生を歩き続けるぞーって、切なくもどこか爽快な感じがしました。『Beautiful Days』にはどういう気持ちが込められてます?

伊藤:西村さんとはいろんなことがあったし、喧嘩別れのままになってしまった。それもいい思い出として考えなきゃ進めない。そういう想いもあり。いろんなことがあった、それが続いて今があるんじゃないかっていう。ひっくるめて良かったんだっていう。西村賢太の小説は、自分自身のみっともないとこばかりを書いているじゃないですか。それも含めて美しさに変えていこうかなと、俺が。美しさっていうのは表面的なことじゃないですからね。いろんな日々を生きて、これから前向きに生きていこうって思いを、『Beautiful Days』というタイトルに込めました。前向きで、素直で、謙虚で、人の悪口も言わない……(笑)。

──そこで止めてくれー。それ以上言うとウソくさくなるから(笑)。

伊藤:……規則正しい日々で、朝早く起きてご飯をしっかり食べて(笑)。

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──あとジャケ写。NYパンクの伝説のバンド、テレビジョンの『マーキー・ムーン』のオマージュ?

伊藤:好きなアルバムだし『マーキー・ムーン』みたいにいつか撮ってほしいなって思ってました。だからオマージュっていうより、ああいう写真がいいなってだけで。で、撮ってもらいました。

ハラダ“たたみ”ケイコ(カメラマン):撮りました。私もそこまで『マーキー・ムーン』を意識せずに、被写体がカッコイイんだから、そのままを撮ればいいって。

──うんうん。自然体でありつつどこか凄みがあってカッコイイです。『マーキー・ムーン』を知らなくても写真としてカッコイイ。

伊藤:カッコ良く撮ってくれるから、構えずそのままでいこうって。

──わかりました! 最後に一言。

順堂:ツアーが楽しみです。まだ今の時点ではアルバムの曲、ライブでやってないんですよ。だから自分らでも凄い楽しみ。大変だろうけど(笑)。

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OLEDICKFOGGY
『Beautiful Days』

2025年4月16日(水)発売
Diwphalanx Records PX385
定価:3,000円+税

【収録曲】
01. O.D.N.
02. LIFE
03. ひとりの朝
04. 飴色の街
05. 今夜はきっと満月
06. 隣人
07. 今日じゃなきゃダメ(三隅朋子 Vo.)
08. 白銀を越えて(16TONS Cover)
09. MY GENERATION
10. ガゼル
11. 山河へ
12. ビューティフルデイズ(先行デジタル配信曲/MV曲)

LIVE INFOライブ情報

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『OLEDICKFOGGY / Beautiful Days Tour 2025』
【出演】OLEDICKFOGGY(ワンマン)
【日程】2025年4月19日(土)
【時間】開場17:30 / 開演18:30
【チケット】前売4,400円 / 当日未定(共にドリンク代別)
*入場順:①イープラス購入 ②OLEDICKFOGGY予約
【主催】ディスクユニオン / Diwphalanx Records
【制作協力】HOT STUFF PROMOTION
【会場・問い合わせ】新宿LOFT 03-5272-0382
 

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『OLEDICKFOGGY / Beautiful Days Tour 2025』
4月19日(土)東京|新宿LOFT【ワンマン】
4月25日(金)大阪|心斎橋LIVE HOUSE PANGEA【with HAT TRICKERS
4月26日(土)和歌山|新宮CAFÉ BAR D.T MAMA【ワンマン】
4月27日(日)愛知|名古屋CLUB UPSET【ワンマン】
4月29日(祝)福島|いわきCLUB SONIC IWAKI【with TOTALFAT
5月02日(金)神奈川|横浜BUZZ FRONT【with ADAM at
5月04日(日)静岡|沼津ROOP SOUNDS【ワンマン】
5月05日(祝)千葉|LOOK【with RADIOTS
5月10日(土)北海道|札幌KLUB COUNTER ACTION【ワンマン】
5月17日(土)福岡|博多LIVE HOUSE OP’S【ワンマン】
5月23日(金)埼玉|熊谷HEAVEN'S ROCK VJ-1【with MEANING
5月24日(土)宮城|仙台LIVE HOUSE ENN 2ND【with dustbox
5月25日(日)群馬|高崎CLUB JAMMER'S【with dustbox
5月30日(金)福島|OUT LINE【ワンマン】
5月31日(土)新潟|GOLDEN PIGS BLACK STAGE【ワンマン】
6月01日(日)石川|金沢REDSUN【with Mt.Paiots / The Swing Kids
6月06日(金)岡山|PEPPERLAND【with waterweed
6月07日(土)和歌山|NO.11【with RowHoo
6月08日(日)岐阜|柳ヶ瀬ANTS【with KiM
6月13日(金)兵庫|神戸MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎【with THE CHERRY COKES
6月14日(土)京都|MUSE【with THE CHERRY COKES
6月15日(日)三重|四日市CLUB CHAOS【ワンマン】
6月20日(金)滋賀|大津U-STONE【with 東狂アルゴリズム
6月21日(土)富山|MAIRO【with TURTLE ISLAND / 柳家睦&THE RATBONES
6月22日(日)長野|CLUB JUNK BOX【with HOBBLEDEES / The Swing Kids
6月28日(土)広島|CLUB CONQUEST【with NEVER AGAIN
6月29日(日)静岡|浜松 窓枠【with 柳家睦&THE RATBONES / BEYOND HATE / DILDOS
7月04日(金)愛知|豊川GROOVE STOCK【ワンマン】
7月05日(土)高知|CARAVAN SARY【with Pinch of Snuff
7月06日(日)愛知|名古屋HUCK FINN【with Pinch of Snuff
7月11日(金)兵庫|姫路LIVE HOUSE BETA【with bacho
7月12日(土)山口|防府BAR 印度洋【with THE FOREVER YOUNG
7月13日(日)大阪|心斎橋LIVE HOUSE ANIMA【ワンマン】
─TOUR FINAL─
7月19日(土)東京|恵比寿LIQUIDROOM【ワンマン】
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