ありのままに伝えることが今の僕にできること。イベントにとにかく、一人でも多く来てもらえたら
──では、4月5日に開催される新宿LOFTでのイベントについて伺っていきましょう。
ドイ:新宿LOFTからイベントのお話をいただいた時、今回はバンドとしての出演はできなくても、LOFTとはいちバンドマンとして(今まで)関わらせてもらっていたので今回も、いちバンドマンとして。“ドイヒロト(セプテンバーミー)”という表記で、トークセッションで。お話をしたり発信をする形で、出演をさせてもらおうと思っています。
──確かに前半のお話からすると、セプテンバーミーのライブは…? と思う方もおられるかと。
ドイ:富山のメンバーと一緒にステージに上がることは説得力になるし、思いも乗せられると思ってどうしても出たかったんですけど、サポートメンバーの都合がどうしてもつかず…で。セプテンバーミーとしては、出られないんです。
──今回のイベントには出られないとしても、今のメンバーでセプテンバーミーが続いていくことは変わらない?
ドイ:そこは変わりませんし、特に富山でのイベントに関しては地元を少しでも音楽で盛り上げたいので優先的に出たいよね、という話もしています。(復活して)最初は、“ドイヒロトのセプテンバーミー”という感覚でいたんですけど、富山のメンバーたちとこの1年間いっしょに活動をしたことで、セプテンバーミーは自分だけのものじゃない…今はこうして大切に思ってくれているメンバーたちがいて、このメンバーたちと共に育てていく、それも良いなぁって。「オマエ、一人(での活動)に慣れすぎやわ!」って注意されてしまって(笑)。確かに僕は長年ずっと、僕がいれば良いやと思ってやってきたけど、それはもう違う。今は、そういうマインドに変わりました。
──ではセプテンバーミーの今後の動きはお楽しみということで。今回は富山からのバンドマンも出演されますね。
ドイ:DUMMYKIDっていうバンドに来てもらうのは、ちゃんと定期的にボランティアで現地に行ってる子だからなんです。だから今回のイベントの趣旨も分かってもらえるかな、と思ってお呼びしました。それと新宿LOFTのほうでお声をかけたMr.マングースっていうバンドは、一昨年にセプテンバーミーが復活した時、ツアーファイナルのオープニングで出演してもらったバンドで、一応セプテンバーミーの後輩と言いますか。プライベートでもバーベキューに行ったことがあるようなバンドで(笑)、この日のイベントに応えてくれそうな気がしています。宇宙団っていうバンドは、高のしま(Ba)を高校生の頃から見てるのでそれこそ10年以上のお付き合いになるかな、という感じです。
──そして山さんのバンド、FLAMYNGSも出演します。
ドイ:最初にご一緒したのは5~6年前とかで、ずいぶん前に新宿LOFTのBarでの弾き語りのイベントでご一緒させていただいて。今回、ライブでご一緒するのは一昨年ぶりになります。
──さらに山さんは福島から、アキレスと亀というバンドを連れてきてくれる。そんなこの日、ドイさんとしてはどんな1日を目指していますか。
ドイ:僕としてもこのテーマとどう向き合えば良いのか、というのはすごく大事なことだと思っているんです。そんな中で、最初に話したZOOMで皆で会話をしている時のことなんですけど、山さんが福島で被災された時。当時、関東では節電しましょうみたいな風潮があった…福島が大変な時に省エネモードだったけど、山さん曰く「被災地ではそういうムードではなくて、むしろ今まで通り、いやもっともっと、東京からはいろんなものを発信して欲しかった」と。いろんな考え方があるけど、これも被災地の一つの声なのか、と山さんの話を通して思ったんですね。だから僕は、もちろん当日に探りながらやっていく部分もあるんですけど、変に気を遣ったりせずにちゃんと向き合って、ありのままにちゃんと伝える。なるべく、ありのままに伝えるということが僕らができることだと思うので。でもそれを決して悲観的に伝えるのではなくて、ちゃんと前を向いて歩いてます、というのを前提に。ちゃんと乗り越えて前を向いてるから、だからもっともっと、興味を持って欲しい。そして耳を傾けて欲しい。今の段階ではそんな思いでいるので、だからこそ一人でも多くの方に、この日は来てもらえたらと思ってます。