"山さん"こと山岡トモタケ、2025年もスタートから活動が止まらない。山岡トモタケ&FLAMINGS(現在のバンド名はFLAMYNGS)として、バンドで全国を回ってきたツアーファイナルを年始早々に新宿LOFTでワンマン開催。休む間もなくライブやイベントへの出演が続く中、3月からはさらに『One Loom - Premium -』と題したツーマン企画に挑む。これはまさに、山岡トモタケというシンガーソングライターにとっての"チャレンジ"だ。
そんな『One Loom - Premium -』を企画した思い等々は、同郷の先輩でもあり初回のツーマン相手として対峙する藤井敬之(音速ライン)との対談で語られているのでそちらをお読みいただくとして。また、対談を通して藤井が話し始めたサプライズにも胸が熱くなる。ぜひ最後までお読みいただきたい。
7月まで毎月行なわれる『One Loom - Premium -』。月替わりで対峙する総勢5名のアーティストと、山岡トモタケはどう向き合い、どう変貌を遂げていくのだろう。とてもとても、楽しみだ。(Interview:高橋ちえ)
新宿LOFTのBarステージは20年前の自分に会える場所(藤井敬之)
──まずは昨年、山さんが新宿LOFTのBarステージで開催してきた『One Loom』の紹介から始めましょう。
山岡:弾き語りイベントを継続的にできたらいいなと、LOFTの樋口(寛子/ブッキング担当)さんと話していて。それで「LOFTのBarステージのほうだとみんなとお酒が飲めるというメリットもあるし、お酒を飲みながらゆったり交流できるようなイベントがいいのでは?」と、樋口さんからのご提案もありまして。LOFTでイベントをやることは僕の夢の一つでもあったし、ぜひやらせてくださいと去年の3月から11月まで(月に1回)やらせていただきました。弾き語りで3マン形式で、僕以外の一人は僕がブッキング、もう一人は樋口さんのブッキングで。タイトルに“Loom”とあるのは、新宿LOFTの「L」という意味もあるんですけど、“Loom”という単語に「酔っぱらい」という意味があるそうで。
藤井:へぇ~!
山岡:藤井さんもそうですけど、個人的に憧れる先輩方ってお酒を飲むのが好きな方が多くて。そんな先輩方がLOFTから大きく羽ばたいていく、僕らもそういう先輩を目指したいという意味合いも込めて、『One Loom』というタイトルでやってきました。
藤井:この話、山さんが前座みたいな感じでライブ前にステージで説明したほうがいいんじゃない?
山岡:そうさせていただきたいですね。『One Loom』では毎回、能登方面の日本酒を仕入れて売り上げを能登に寄付したりもしていたのでお客さんにもお酒を飲んでもらいたいですし、お酒を楽しむことが能登の応援と支援に繋がったりしてますし。『One Loom - Premium -』ではそういう説明もして、みんなに楽しんでもらえたらと思っています。
藤井:いいね! 今、発表されているツーマンのメンツもみんな、お酒好きだもんね?
山岡:そうですよね。そういう先輩方とのツーマンで、自分ももっと頑張って成長していきたいと思ってます。
藤井:俺は去年、『One Loom』に1回出させてもらってね。
山岡:そのとき、藤井さんと一緒に飲みたかったんですけど終電の関係があってそんなに飲めなくて。でも音速ラインのファンの方が久しぶりに集まって藤井さんとも会話したり乾杯している様子を見て、僕はすごく嬉しかったのがあるので『One Loom - Premium -』の初回は藤井さんに出ていただきたいなと。今回も、出演していただいてありがとうございます!
藤井:コロナ禍でずっと休んでたけど、山さんに呼んでもらった(去年)5月頃から徐々に東京に出始めて。良いきっかけをもらった、って俺は思ってるんだよね。それで思ったのは、やっぱりLOFTが好きだなっていうことと、Barステージってすごく思い出が詰まってて、LOFTのホールでやってるライブを見に来たお客さんを掴むためにBarステージでライブをやったりしてた、それをすごく思い出して。「スナフ」(2007)とか、演ったんだよなぁ。デビューしてからもはや20年ぐらい経つけど、20年前の自分と会える場所なので。そんな場所に山さんが、コロナで止まっていたところを呼んでくれて。あのとき、俺、泣きそうになって…泣いたのかな?
山岡:泣いてた…と思います。
藤井:新宿LOFTの人たちに会うのも久しぶりだったし、山さんはそういう現場を作ってくれる後輩。後輩って思いながら、山さんは25歳ぐらいのイメージで止まってるんだけどさ(笑)。
山岡:僕も30代後半の、だいぶいい歳になりました(笑)。
藤井:今回もまた呼んでいただけたということは、何かしらの思い出が増える…と。今回はね、泊まりたいな~!
山岡:泊まって欲しいです!
樋口(新宿LOFTブッキング担当):思い出の、青春の夜行バスという手もあるよ!
藤井:夜行バスね~!
山岡:昔の思い出、という話でいくと。藤井さんに去年出演していただいたときは、青はるまきというバンドのボーカル(あきやまさる)と、藤井さんとのスリーマンで。LOFTで頑張っていた先輩と、いまLOFTで頑張っている後輩とを繋げられるような日になったらいいね、って樋口さんと話してて、実際にそういう素敵な日になったなと思っていて。
藤井:そうやってみんな、いつの間にか先輩になってるからね(笑)。油断してたら山さんも、もう!(笑)
山岡:そうですね…怖い(笑)。そもそも僕が藤井さんと出会ったのはWHITE ASHのときで、下北沢SHELTERでツーマンをさせていただいたとき(2012)が最初かな、と思ってますが。
藤井:「スローライフ」(2005)をカバーしてくれたよね。チョー上手かった!
山岡:のび太(WHITE ASH/Vo&Gt)が、「大学時代にコピーをしてました」って。感動的でしたね。新宿LOFTの事務所で、音速ラインとWHITE ASHで対談もやらせてもらったりして。そこから今に繋がっていて。嬉しいです。
藤井:すごいよね、俺もムチャクチャ覚えてるわ。
山岡:今や『二畳半レコード』にも繋がって。感慨深いです。