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INTERVIEW

トップインタビューMAMORU & The DAViES - 初期ベストアルバム『ヒットパレード』を全曲リミックス&下北沢シェルターでのライブ音源を含むボーナストラック5曲を追加収録した究極の"デラックス版"が堂々の完成!

初期ベストアルバム『ヒットパレード』を全曲リミックス&下北沢シェルターでのライブ音源を含むボーナストラック5曲を追加収録した究極の“デラックス版”が堂々の完成!

2024.10.02

一番の生きがいである音楽をずっと楽しくやり続けたい

──ソロになって30年、MAGIC TONE RECORDSを立ち上げて17年、コンスタントに作品を発表し続けてきてもなお「まだこんなもんじゃない」という思いが絶えずありますか。

マモル:あるね。自分の気持ちとしては常に「まだまだこれからだ」と思ってる。自分自身はね。周りはどう思ってるか知らないけど、自分の想像の中ではまだまだだよ。もっともっといい曲を作れるはずだし、それをいいアレンジにできるはずだと思ってる。そういう気持ちがないとやってられないしね。きっとそう思いながら死んでいくんじゃないかな。死ぬ間際までまだまだ! と思いながら音楽を続ける。ぎりぎりまでそうありたいよね。

──では、ステージで倒れるのが本望ですか。

マモル:録音しながら死ぬのがいいかな(笑)。パソコンを覚えてDTMで音楽を作る目的とはこういうことだったんだなと最後に知るみたいなさ。

──『PRIVATE TAPES 1995-1998』発表時のインタビューで替え歌に近いカバー・アルバムの構想があるとお話しされていましたが、そちらの進捗状況は?

マモル:コロナになっちゃったからね。当時はやる気満々で、コロナさえなければ発売してたと思う。選曲も構成もすでに考えてあるんだけど。

──そのカバー・アルバム、川戸さんから依頼されているアコースティック・アルバム、新たなオリジナル・アルバムと並行して進めるべきタスクがいくつもあるし、まだまだ休む暇はありませんね。

マモル:ツアーの移動中に今後のことをいろいろと考えたりするわけ。次のアルバムにはこんな曲を入れてみよう、今は4、5曲足りないからこんな曲を入れてみようとかさ。常にそんなことしか考えてないし、時間は限られてるからもったいないでしょ? だから次に何をするかしか考えてない。これが40年以上音楽をやってきた蓄積なんだろうし、こういう形でやっていかないと生きてる感じがしないんだよ。いろいろと大変だけど、ぶっちゃけ凄く楽しい。楽しいことを存分にやって細々と生きていく(笑)。それがいいんだろうね。

──話を伺っているとすぐに新作ができるのでしょうし、近いうちにまたすぐインタビューでお会いできそうですね。

マモル:うん。新しいアルバム用のデモをこれから仕上げて、すぐに取りかかれると思うよ。……そういえば、この『ヒットパレード』のことで思い出したことがあるんだけどさ。当時、レコ発を高円寺のジロキチでやったんだよ。その時に(甲本)ヒロト君が遊びに来てくれたんだよね。ドクター・フィールグッドのトリビュート(『ニッポンのロックンロール』、2007年12月発表)をヒロト君の事務所に送ったら凄い喜んでくれて、その後、『ヒコーキもしくは青春時代』(2008年8月発表)や『ヒットパレード』もできたら送ってたんだけど、『ヒットパレード』のレコ発を突然見に来てくれて。たぶん普通にチケットを買って来てくれたんだと思う。その日は二部構成で、ヒロト君は一部が終わって楽屋へ挨拶してくれたんだよ。汗かいて着替えるのに裸でいたら「ヨォ!」なんていきなり入ってきて、「アルバム良かったよ」って言葉に電話番号とメールアドレスを書いた手紙を僕に渡してくれてさ。ヒロト君は事前に何も知らせずにそういうことをしてくれたんだけど、あれはとても嬉しかったね。

──そんな縁もあって、その後の『SESSiONS』でヒロトさんがレコーディングに参加されたわけですね。

マモル:そうそう。「ロックンロール賛歌」と「ペンキ塗りのブルース」にハーモニカとコーラスで参加してくれて。「何かあればここに連絡してくれ」って手紙に書いてあったから連絡してみた(笑)。

──打てば響くというか、自分の信念を貫き通せば届くべきところへ必ず届くものなんですね。

マモル:自分でMAGIC TONE RECORDSを立ち上げて間もない頃だったけど、やっぱり自信につながったよね。『ヒットパレード』といえばその出来事が凄く印象に残ってる。まあ余談なんだけどさ。

──ヒロトさんのザ・クロマニヨンズのように、毎回アナログを出すのはやはり憧れがありますか。

マモル:できれば全部レコードで作りたいくらいだね。僕は最近、家でレコードしか聴かないんだよ。「命の次にロックンロール」を作った時までレコード・プレーヤーをしばらく持ってなくて、自分でレコードを作るのにプレーヤーがないのはマズいなと思ってちゃんとしたのを買ったんだけど、それ以来、家ではレコードしか聴かなくなった。CDで持ってるのもレコードで何枚も買ってるけど、やっぱりレコードはいい。何がいいのかわからないけど、レコードで音楽を聴く行為そのものがいい。音の良さは正直よくわからないけど、あの盤の重さや裏返すとか手間を取るのが愛着につながるのかな。手間だろうが面倒だろうが聴き続けるし、それに飽き足らずにこの先もずっと音楽をやり続けるんだと思う。僕は音楽がないと生きていけない人間だからさ。それが自分にとって一番の生きがいで楽しいことだから、これからもずっと楽しいことだけをやり続けたいね。

 
『ヒットパレード・デラックス』収録曲、最新Music Video公開!
MAMORU & The DAViES - 死ぬ程に生きてみる【2024 Mix Ver.】
Words & Music & Illustration:WATANABE MAMORU
Anime Production:YAMAMOTO KOJI(Musashino-Danchi)
Translation:NAKAJIMA HIDENOBU(The Mystic Eyes)
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ヒットパレード・デラックス

発売日:2024年10月2日(水)
定価:¥3,000+税
品番:MAGI-0018
形態:CD
レーベル:MAGIC TONE RECORDS

【収録曲】
01. ヒットパレード
02. 今週週末来週世紀末
03. ロックンローラー
04. 8月4日B級劇場
05. ノーテンキ
06. 恋をしようよ
07. DO THE DAViES
08. 荒川へ行こう
09. オイラの部屋へおいでよ
10. 二人で歩いた
11. ささやかなパーティー
12. 死ぬ程に生きてみる
13. 想像しよう
14. 期待はずれ
15. 百戦錬磨のオトコ
16. オンボロ列車【ボーナストラック】
17. 天才きどり~アコースティックバージョン~【ボーナストラック】
18. 冗談だろ【ボーナストラック】
19. 死んだ奴の事は誰も悪くは言わないさ【ボーナストラック】
20. 誤解【ボーナストラック】
*18, 19, 20は1997年10月28日に下北沢シェルターで行なわれたライブ音源

【トモフスキー(TOMOVSKY)推薦コメント】
いま、聴いてるんだけどさ、
すごい、音、いいー! こうゆう、質感、大好きな感じ。いやぁ、、すごいなあ、マモルくん。
知らないヒトのために、ちょっと言うと、、、マモルくんはライブではグリグリのロックンローラーで、ウワァー! って、ライブキングなんだけど、実はアルバムの音作りにも、すごい熱量、探究心、向上心を持っててね。お互い同じ時期に、自宅での音楽作業みたいのにハマったんだよ。
最初は、カセットのMTRとかだよね? 演奏は生でも、それをアルバムってゆうカタチにする時に、いろいろあるんだよね、楽しい試行錯誤が。それを面倒くさがると、しょぼい宅録になっちゃったり、あるいは、ライブをそのまま録音した方がマシじゃん? みたいなコトになっちゃって、悔しいんだよ。だから、いろいろ始まるの、すごい試行錯誤が! ライブとは別の、でもライブにも負けない感じを目指す作業の旅。長いよー
で、ついに極めたね! マモルくん。この感じ、このやり方だ! みたいなトコに到達したんじゃん?
すごいや。オレは、まだまだだよー。ああ、すごいな、いつのまに!
さすがだよー、ほんと。カセットコンプみたいな古いあったかい感じもありつつ、ちゃんと輪郭とかクッキリしてて、、何よりも気持ちいい! ナイス! わあああ!
って、、やたら、音のコトばかり触れてしまったけど、、メロディとか歌詞とか、もちろんバッチリだから、マモルくんをこれから知るヒトにも完璧だね、このアルバム! ほんとーに、完成、おめでとー!

8月4日B級劇場 〜2024MIX Ver.〜 c/w 天才きどり

発売日:2024年8月4日(日)
定価:¥1,800+税
品番:MAGI-0017
形態:7インチシングルレコード
レーベル:MAGIC TONE RECORDS

【収録曲】
A面|8月4日B級劇場~2024MIXバージョン~
B面|天才きどり

LIVE INFOライブ情報

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ワタナベマモル・ヒットパレードデラックス ツアー2024
10月5日(土)国府津amp
10月6日(日)東大和PuB LOOPS 105
10月8日(火)四日市VEEJAY
10月9日(水)広島おうちバーひらひら
10月10日(木)米子のあ
10月12日(土)尼崎 Dolmen & 遊
10月13日(日)神戸チューリップハット
10月14日(月・祝)小牧Backdrop
10月18日(金)渋川カーサミドリ
10月19日(土)桐生Jazz&Blues Bar Village
10月20日(日)船岡サンセットブルーバード
10月26日(土)横須賀Fuck Yeah
10月27日(日)西早稲田BLAH BLAH BLAH【ゲスト:ドラムスキー(トモフスキー)】
10月30日(水)北見ブルーチッパー
10月31日(木)釧路ガソリンアレイ
11月2日(土)苫小牧JAM
11月3日(日)札幌フライアーパーク
11月4日(月・祝)恵庭モジョハンド
11月5日(火)美瑛町ハーミット
11月7日(木)富良野インディー
11月8日(金)旭川Mr.ウォルシュ
11月9日(土)札幌Cafe 45records
11月10日(日)函館バンドワゴン
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