敢えて“ガールズバンド”って言っていきたい
──ポップで痛快で、「はい! はい! はい! はい!」って手を挙げてるんだけど、私は、女性が立ち上がる曲だと思った。「Ownership rights」っていうタイトルからして。
YUKARI:大人になって、世の中を知っていって、いろいろ経験して、考えるようになって、そこから出てきた思いっていうのもあるんやけど、それより前の、ホント幼稚園児が「あたしあたしー!」って、「コレあたしのだからね!」とか「あたしの番だからね!」とか。「ルール守りたくないー!」だったり「これはイヤ! あっちがいい!」だったり。ちょっとこう、原始的な感じで。
──ああ、そうか。タイトルを訳すと「所有権」だけど、男に所有などされないぞっていうより、欲しいものは所有していくぞっていう。
YUKARI:そうですね。
──「君のファムファタルじゃない」って曲もあって…。
YUKARI:確かに「女性」ってことは大きなテーマではあって。女性というアイデンティティが。なんかよく、「ガールズバンドって言われたくない」って言う人がいて、もちろんわかる。男と同じようにバンドやってるだけなのに、女性というカテゴリーに入れられて。
──女性バンドとかガールズバンドとは言われるけど、男性バンドとは言われないですもんね。
YUKARI:言われないですよね。
──私も原稿を書くとき、昔は何も考えずにガールズバンドとか紅一点とか書いてたけど、今は考える。バンドを紹介するのに女性って書く必要があるかどうか。そもそもここで性別を書く必要はあるのか? って。
YUKARI:うん。えんたえさんも女性ライターって書かれたらあんまりいい気分はしないですよね?
──しないでしょうね。女性の視点じゃなく私の視点だって思う。
YUKARI:女性っていうカテゴリーのおかげでイヤなこともありますよね。今は男とか女とか関係ないって思えてるバンドもいると思う。ただ、ミーちゃんがさっき、女性バンドが好きって言ってて、ステキだなって思って。ガールズバンドで括られてめんどくさいこともあるし舐められることもあるのは、私たちも経験してる。だから自分たちで括るのっておかしいかもしれないけど、ガールズバンドっていうことはニーハオ!!!!のアイデンティティなんですよ。
──女性がやってるってことを伝えたい?
YUKARI:伝えたいっていうか、実際女性のバンドなので。オールフィメールバンドですもん。女性がバンドをやってるということを、女性であるのがアイデンティティだということを、堂々と当たり前に見せていきたいんです。
──バンドをやっていくのに性別は関係ないって思って、だからこそ、男性の真似をするでも張り合うでもなく、女性が当たり前にバンドをやってるのを見せたい。
YUKARI:はい。だから敢えてガールズバンドって言っていきたいんです。それで近い将来、「昔はガールズバンドなんて呼ばれてたよね~」って言いたい。ガールズバンドなんて言わなくていい世の中になっていってほしい。矛盾してるかな? でもそう思ってる。
──後に続くバンドやりたいって思ってる女の子たちのためにもね。うん。よくわかりました。ニーハオ!!!!がライブで4人が横一列に並んで演奏してる姿が大好きです。4人の違う女性がいて、一括りにはできないんだぞっていう感じで。
YUKARI:横に並ぶからメンバーの顔が見えへんのが寂しい(笑)。
ARIKO:けっこう見えてるよ。
MIWAKO:私も見えてる。
YUKARI:え? アイコンタクトとかしてる? してる?
MIWAKO:ユカリさんは隣で近いからよく見えてる。カオリちゃんとはアイコンタクトしてます。
ARIKO:え? アリコとは? アリコとアイコンタクトして!(笑)
──仲いいなぁ(笑)。
YUKARI:私は3人のこと大好きなんですよ(笑)。
──今回はボーカルを4人全員でとってますよね。だから余計一体感というか仲の良さというか。アルバムの後半が、もう「私たちはニーハオ!!!!ですー! ニーハオ!!!!はこんなに楽しいですー!」って高らかに言ってるような曲が続くよね(笑)。実際は言ってなくても。
ARIKO:確かに(笑)。
YUKARI:実際今作、歌詞の中にNI-HAO!!!!って言ってる曲いっぱいあるしな。
ARIKO:何回NI-HAO!!!!って言ってるんだっていう(笑)。