みんなが自由にやってくれてることが、自分がやりたいことと一緒になってる
──ミーちゃんとカオリちゃんをメンバーに誘ったのは?
YUKARI:それぞれのライブを見てるから絶対いいって思ったし。この人となら何か面白いことができるなって。なんかわかんないけどそう思ったんですよ。こういう音を出してほしいからこの人とやりたいではなく、この人とやったら何ができるかわかんないけどきっと面白い、この人とやったらどんなことができるか楽しみ、そういう感じです。
──そもそもニーハオ!!!!はそうやって結成したわけですもんね。
YUKARI:そうそう。ニーハオ!!!!はこの人と一緒に遊びたい、アリコと一緒に遊びたいから始めたんです。しかも当時は音楽じゃなくてもよかったかもしれない。ただただ一緒に遊んだら面白くなりそうな人。化学反応って言葉、なんかダサいから使いたくないんですけど、そういうような予想外なことが起こる人と一緒に何かやりたい。
ARIKO:そういうとこ、こだわるよね(笑)。
──一緒に遊びたい、面白いことやりたい。そこは貫かれてますよね。今作だってそうだし。
YUKARI:そうですね。
──その面白いことが、今はガッツリと音楽なわけで。
YUKARI:音楽が潤滑剤っていうかプレイグラウンドっていうか。共通の趣味があったほうが友だちになりやすいでしょ。それが音楽だったっていう。
──このメンバーになって5年ぐらい?
ARIKO:2018年だから5年ぐらいですね。
──ミーちゃんとカオリちゃんはニーハオ!!!!に未知なイメージがあったわけで。それは変化していきました? わかってきた! っていうふうに。
MIWAKO:私はそのまま。わからないままです。今もそのままを楽しんでる感じです。
KAORI:私はどんどんなんでもありになってきてます。一体感って言っていただいたけど、どっちかっていうと好き勝手にやってます。
──そうなんですよね~。好き勝手だと思う。でも一体感も増してる。なんでかな? って考えたら、4人はニーハオ!!!!が大好きだからなんだなって(笑)。
YUKARI:信頼感なんですよ。任せておけばなんとでもなる、なんでもOKって今はホントに思っていて。曲作りでも信頼してるから任せっぱなしでいいし。以前はけっこう、こういうふうにしたいなっていう曲のビジョンを、4人みんなが楽しく気持ちを込めたものに、どうやったら実現できるだろう? ってちょっとは考えてたんですけど、今は考えることがなくなって。みんなが自由にやってくれてることが、自分がやりたいことと一緒になってる。それがニーハオ!!!!になってるんですよね。
──ニーハオ!!!!が好き、ニーハオ!!!!楽しいっていうとこだけで、これだけ強く繋がってるのって凄くいいなぁ。
YUKARI:どのバンドもそうだと思うけど、全員の見てるとこが一緒ってなったら凄い力が出ると思うんですよ。同じところを見てる、同じことを楽しめてる、そしたら凄くいい演奏ができる。それはずっと思っていて。今のニーハオ!!!!はそれをやれてるなって、手応えみたいなものを感じてます。
──このメンバーになって、ライブをどんどんやってからの今作っていうのも大きいでしょうね。
YUKARI:うん。レコーディングや、ライブやツアーが終わった後とか、なんか凄くいいんですよね、バンドって。もちろん、練習でも音を出して精度が上がってるっていうのもあるんですけど、レコーディングやツアーの後の感覚、その時のバイブレーションや空気。同じ時間を共有したっていう。そういう経験を4人で得られてるなって。それは大きいと思います。めちゃくちゃ4人で大爆笑してますもん。
意味はないけど理由はある
──一体感ってそういうとこから出てくるんでしょうね。では曲作りについて。実際、どんなふうに?
MIWAKO:最初にユカリさんがアイディアを出したり、ユカリさんとアリちゃんでやってる音に、私とカオリちゃんがスタジオでせ~のって乗せてみたり。
KAORI:ミーちゃんは早い段階から曲に一緒に入るパターンがけっこうあると思うんですけど、私はみんなが演奏してるときも黙って見てることがあって。考えてるんですよ。
──最後にギターがブワッと。
KAORI:そうですね。曲にコンセプトがあったらそこに沿ったギターを考えるんですけど、コンセプトはあってもなんでもありだから。
──お手本のないバンドだし。
KAORI:そうですよね。結果、好き勝手にやってます(笑)。
──曲順も凄くいい。最後、「Pajama party in ニーハオ!!!!」で楽しく締めくくるかと思ったら…、
YUKARI:大団円みたいな。
──そうそう。そしたらラストは「Don't Obsess」でビシッと。で、最初、1曲目の「ムーンライト楽団」でまずびっくりして。続く「HAKA」、「So tough & So tough」、「ANTI ANGER CONTROL」とそれぞれ違ったカラーのハードコアを決めて、中盤になっていくと「SPIDER14」、「SPIDER15」、「SPIDER16」とSPIDERが続く(笑)。
ARIKO:謎のSPIDER(笑)。
YUKARI:SPIDERは2ndアルバムぐらいからやっていて。
ARIKO:長い付き合いなんですよ、SPIDERとは。
──今回でSPIDERが16曲までできた。ずっと続いているSPIDERこそ、ニーハオ!!!!の象徴だと思うんですよ。意味がないじゃないですか、SPIDERは。
ARIKO:ないない。タイトルのSPIDERにも意味ないし。マジに意味のない曲を作り続けてる。
──だからこそやり続ける。
ARIKO:大事なんですよ、意味のないことは。前にカオリちゃんに「アリちゃんは、意味はないけど理由はあるねんな」って言われて。
──ああ、なるほど!
ARIKO:確かに! って思って。ホンマにSPIDERは意味は全くないけど理由はある。その理由はナニ? って聞かれたらちょっとわかんないけど(笑)。理由はメッチャある。
──うん。意味がないっていうのがニーハオ!!!!の原点であり支柱であるんだと思う。
YUKARI:同じタイトルで意味ない曲を作り続けてる。怒涛の短さで攻めまくる、こんなことできるバンドっていないじゃないですか。だからエッヘンって感じ(笑)。これはうちら4人だからできることで。もちろんこのメンバーの前もやってきてるけど、今のSPIDERはホント難易度が高くなってる(笑)。
──確かに難しそう。
ARIKO:SPIDERだけでライブやりたいもんな(笑)。今、SPIDERは16曲まであるから、たぶん10分ぐらいで終わるな(笑)。
YUKARI:SPIDERが40ぐらいになったらライブやろか(笑)。
KAORI:難しそうだな(笑)。メッチャ展開するSPIDERもあるし。ショートチューンなのに(笑)。
YUKARI:意味ないことって大事じゃないですか。いつも思ってるけど、たかが音楽ですよ。人を救うためにやってるわけじゃないし、救えへんし。崇高なことなんかやってないし。今回のタイトル『i!i!i!i!』はアイアイアイアイって読むんですけど、4人が「はい! はい! はい! はい! あたし! あたしー!」って手を挙げてるイメージ。
──このタイトルは「Ownership rights」の歌詞から?
YUKARI:そうです。最初は「Ownership rights」のタイトルが「i!i!i!i!」だったんですけど、アルバムのタイトルにしました。