ライブハウスは今も昔も楽しくて最高の場所
──今回の“face to face”を皮切りに、masaさんにはFULLSCRATCH以外でもFlowers Loftを使ってほしいんですよ。たとえば深夜イベントを定期的にやってもらうとか。メロコアもヒップホップも一緒くたになるような楽しい深夜のイベントを下北でやれたらいいなと思っていて。
masasucks:始発で帰るみたいなね。
──そうです。その手始めとして、週末のFlowers Loftでは朝までバー営業をしているんですけどね。どうですか、深夜のパーティーやりませんか?
masasucks:うん、ぜひやりたいですね。
──このあいだ、下北の某ライブハウスの店長と話をしていたんですよ。「打ち上げを再開させないの?」って。そしたら「やりません。だって疲れるじゃないですか」とか言われて。それはちょっとどうなのかなと思ったんですよね。さっきも話しましたけど、打ち上げで人と人が触れ合うことで生まれるものって絶対にあるし、俺たちが目指しているのは人とのコミュニケーションなわけで。
masasucks:今回、“face to face”をFlowers Loftでやらせてもらうのも、俺とじゃいあんのつながりありきですもんね。もちろんアルコール込みの話で(笑)。あ、そうだ。今度の“face to face”はDJもぜひ楽しんでほしいんですよ。Low-Cal-BallのMORICAWAとは付き合いも長いし、彼もメロディック・パンクが大好きでよく分かってるんでね。DUALITYのKazuはMORICAWAの子分枠だけど(笑)、若い世代のメロコア観が窺えて面白いんじゃないかな。
──masaさんは自分でTシャツとかのグッズをデザインしているのをSNSでよく見かけますけど、昔からやっていたんですか。
masasucks:昔からはやってなかったです。東京へ来て、RADIOTSのYOSHIYAさんの周りで知り合った美容室があって。代々木八幡にあるAnthology Hairっていう所で、そこのマイサワさんっていう美容師の人が俺のことを面白がってくれて、アートワークとかいい写真が撮れたらグッズにしたら面白いんじゃないか? って勧めてくれたんです。その一環としてTシャツを自分で作るようになったんです。コロナ禍になる少し前からですかね。それでRADIOTSとAnthology HairのコラボTシャツを作ったりして。
──グッズ製作はやはり面白いものですか。
masasucks:バンドのマーチャンダイズとはまた違った面白さがありますね。ライブハウスで買うTシャツよりはちょっと高いかもしれないけど、ボディとかモノのこだわりがそれなりにありますからね。
──グッズといえば、最近は“マサ茶ん”というお茶の販売を始めたそうですけど。
masasucks:コロナ禍になってステイホームが続いて、家で曲作りをしても不完全燃焼というか、何かを発信できないもどかしさがあったんです。で、お茶屋さんを始めることにして。
▼お茶屋 マサ茶ん オフィシャルサイト:https://masachan.theshop.jp
──凄く唐突な気がしますが(笑)。そんなケース、なかなかないですよね。
masasucks:ないでしょうね(笑)。俺、歳の離れた姉貴が2人おって、上の姉ちゃんが京都の宇治茶の産地、茶畑におるんです。
──お茶の農家に嫁がれたと。
masasucks:そう、何世代も続く由緒正しいお茶農家。俺もいつからか、物心ついた頃からその茶畑を見てて、お茶が身近だったんです。で、コロナ禍で何かおもろいことを発信できないかと思って、そうだ、お茶稼業や! とひらめいて(笑)。日本人ならみんなお茶は飲むしね。それで姉貴に「俺のほうでお茶を販売させてくれへんか?」と連絡したところから始めました。自分でも斬新なグッズやと思います(笑)。今は茶葉を粉にしたタイプの商品も売ってます。葉っぱも粉も合法なのでご安心ください(笑)。
──今度の“face to face”でも、“マサ茶ん”を使った焼酎の緑茶割りを出しましょうよ。
masasucks:“マサ茶んハイ”、いいですね。この“マサ茶ん”、バンドマンの友達もけっこう注目してくれてるみたいで、年末に『COUNTDOWN JAPAN』に出たとき、バックヤードで10-FEETのドラムのKOUICHIに「お前さ、いまお茶やってんのやろ?」って言われて。
──ああ、10-FEETは京都出身ですもんね。
masasucks:うん。宇治のほうではなく、もっと街中のほうみたいなんやけど。そしたらその後、KOUICHIがわざわざ“マサ茶ん”を注文してくれたんですよ。…いいのかな、Rooftopでこんな宣伝の話をしていて(笑)。
──問題ないです(笑)。
masasucks:まあいろいろ話してきましたけど、今回の“face to face”が続いていくかどうか分からないけど…VDXとFULLSCRATCHでやる以上、たとえばZeppツアーで満員になるようなバンドをゲストに呼ぶのではなく、もっとストリートに根ざした感じというか、ライブハウスに根を下ろしてやっているバンドに出てもらってやりたいときにやるスタイルを貫きたいですね。ずっとメロディック・パンクのファンであり続けて、俺たちより下の世代がいいんですよ。KZとも話してたんですけど、俺らおっさん世代と若い世代の橋渡しをしてくれるようなバンドっていうか。そうやって常に顔を突き合わせて、お客さんとも対バンとも“face to face”でコミュニケーションしていけるイベントにしていけたらいいなと思いますね。
──ライブハウスはFULLSCRATCHやVDXみたいなバンドに支えられていると言っても過言じゃないし、ずっと応援していきますよ。
masasucks:ライブハウスは今も昔も楽しくて最高の場所ですよ。いつかFlowers LoftでFULLSCRATCHのワンマンをできるように頑張ります。気力、体力があるうちにやらないと、90分の持ち時間で演奏30分、MC60分になっちゃうから気をつけないと(笑)。