Flowers Loftのオープンから今日までは苦難の連続
──ライブ自体はどうでした?
masasucks:凄い楽しかった。お客さんはまだマスクもしてるし、大声も出せないけど、その中で各々の楽しみ方が少しずつ定着してきているんじゃないかな。Flowers Loftは今どんな感じなんですか?
──コロナ対策を徹底しています。
masasucks:爆音を鳴らしてステージを駆けずり回る感じのバンドのライブはやれているんですか?
──DUCK MISSILEやKEMURIが出るイベントとか、オープン(2020年2月2日)直後はちょっとやりましたけど、すぐにコロナ禍になってしまったので。ちなみにDUCK MISSILEもKEMURIもステージはめっちゃ狭そうでしたけど(笑)。
masasucks:お客さんは各々ガイドラインを守って?
──あのときはまだコロナもそこまで深刻じゃなかったので。今はもちろんちゃんと守っています。
masasucks:Flowers Loftがオープンした2年前も、FULLSCRATCHでライブをやらせてほしいという話をしていましたよね。それからずっとFlowers Loftのことは気になっていたので、今回はお世辞でも何でもなく念願のライブなんですよ。
──自分も渋谷のclub乙 -kinoto- を辞めてFlowers Loftの立ち上げに参加して、よし、ここからオープンだぜ! なんて意気揚々としていたらコロナが直撃して…まさに出鼻をくじかれた感じだし、まさかこんなことになるとは思いもしませんでした。ライブ自体ができないことになるなんて夢にも思わなかったので。
masasucks:全くもって想像できない事態ですもんね。
──挙句の果てには酒を売っちゃダメとか(笑)。もうホント、あり得ないことばかり続きましたね。
masasucks:オープン前に一度内装を見させてもらったとき、海外の人でも入りやすそうな雰囲気のバー・スペースにして、その向こうでやっているライブをふらっと立ち寄れる感じにしたいと話してましたよね。それが海外の人は入国できないわ、酒を出しちゃいけないわ、ライブもやれないわで(笑)。
──東京オリンピックの開催を見据えたところもあったので、外国人の方も気楽に入れるスポーツ・バーみたいな感じにしようと考えていたんですよ。でも東京オリンピックも開催が延期になってしまって。ものの見事に全部が立ち消えになりました(苦笑)。でも逆に、酒を飲みながらライブを見るのはやっぱり居心地がいいことがこのコロナ禍でみんな実感できたと思うし、その面ではFlowers Loftは居心地が良いとベテラン・ミュージシャンの方々からも好評なんです。打ち上げもちゃんとやっていただけていますし。その点においては良かったですね。酒を飲んで寛ぎながらライブを楽しめるというのは、あの作りじゃないとできないことなので。
masasucks:そうですよね。ライブが終わってバラす作業があっても、バー・ホールは独立して営業できるわけだから。SHELTERだとバンドが打ち上げをやっている横でカウンターでお酒を飲むし、それはそれで楽しいけど、Flowers Loftなら本格的なバーとしてその場の雰囲気を楽しめますよね。Flowers LoftとSHELTERがバチバチの敵対関係ってことはないんですよね?
──それはないです(笑)。ただSHELTER店長の義村(智秋)くんとは音楽の趣味がだいぶ被っているのでブッキングがまるで被ってしまいそうで最初は心配だったんですけど、今は上手いこと棲み分けができていますね。でもSHELTERのブッキングって凄いですよ。むちゃくちゃいいバンドが連日連夜出ていますからね。
masasucks:俺らも19、20で東京に出てきて、SHELTERでライブをやりたいって気持ちがずっとありましたね。やっぱりバンドマンにとっては聖地なんで。上京したての頃はメンバーと一緒に世田谷代田に住んでて、ツアーを何本かやっていくうちにツアー・ファイナルを新宿LOFTでやらせてもらえるようになったんです。雑誌でよく見ていたLOFTにも強い憧れがあったけど、世田谷代田に住んでいたからSHELTERには憧れと親近感もありましたね。
──FULLSCRATCHを始めてもう何年経つんですか。
masasucks:記憶がけっこう曖昧なんですけど、もう26、7年経つんちゃうかな? 若干盛ったかもしれないけど(笑)。
──結成は東京だったんですか。
masasucks:大阪です。大阪で3つのバンドがよく一緒にライブをやってて、それが1つのバンドになって。ちょっと大阪で活動して、その後すぐ東京に出ていった感じです。メンバーとは16、7の頃からずっと一緒におるんで、もうだいぶ長いですね。