7月23日(土)に下北沢Flowers LoftにてVDXとFULLSCRATCHの"face to face" TOUR FINALが開催されるにあたり、FULLSCRATCHだけでなくthe HIATUS、RADIOTS、J BANDなどでもギターを弾くmasasucksに今回のツアーやバンド活動、ライブハウスについての想いや奇抜な物販発売についてなどを、ツアーが始まるきっかけとなった打ち上げ場所、KITCHEN & BARハハハ下北沢にてチンカチンカに冷えた生ビールとマサ茶んハイを流し込みながら話を聞いてみました。(interview:じゃいあん / Flowers Loft店長)
コロナ禍前に戻すというより、また一から作り上げていく感覚
──7月23日(土)にFlowers Loftで開催される『VDX & FULLSCRATCH “face to face” Tour 2022 Final in Tokyo』ですが、今回のツアーはどんな経緯で始めることにしたんですか。
masasucks:VDXとはもともとよく一緒にライブをやっていて、SHELTERでVDXがイベントをやったときにボーカルのKZと打ち上げで話をして。「俺らももうええおっさんになってきたな」って(笑)。で、90年代、2000年代にメロディック・シーンを駆け抜けてきたおっさんバンド同士でまだまだストリートを盛り上げていこうじゃないかって意気投合して、“face to face”という冠を付けてイベントをやろうと。コロナ禍になってライブもろくにできないどころか直接会うのもままならない状況だけど、ここはあえて“face to face”──お客さんともそうやし、対バンともそうやし、お互い顔を突き合わせてライブをやろうって意味を込めてイベントタイトルにしたんです。同じ名前のカリフォルニアのパンク・バンドもみんな好きやし、バッチリやないかと。みんな仕事をしているのでライブは週末になるけど、月一のペースでしっかりやろうと決めて、東名阪を組んで。ファイナルの東京は念願のFlowers Loftでやらせてもらうことになって。
──どうもありがとうございます。面子はSHELTERっぽいですけど(笑)、個人的にもFlowers Loftに出てもらいたかったので嬉しいです。
masasucks:VDXもちょうどFlowers Loftでやりたいって話をしていたんでね。
──コロナ禍のあいだは全然ライブをやっていなかったんですか。
masasucks:そうですね、FULLSCRATCHは。
──未だに声を出すのはもちろんのこと、ダイヴやモッシュもできない状況なのはメロディック・パンクというジャンル的には厳しいですよね。
masasucks:厳しいですね。俺たちはメロディック・パンクが大好きだし、ライブ中の自分たちを檻の中の動物みたいに感じるところもあって。なのであまり棒立ちで見られてもなあ…っていうのがあって。
──masaさんはFULLSCRATCH以外にもthe HIATUS、RADIOTS、J BANDなどで並行して活動していますが、コロナ禍前と変わったところがやはりありますか。
masasucks:メンタル的にはそこまで大きく変わってなくて、俺としてはステージに立って音を出せばバンドの規模は関係なく、上も下もないですね。ただFULLSCRATCHは全然ライブをやれなかったぶん、間があいたぶんだけ思いやモチベーションが他のバンドとは違うのかもしれない。今回のツアーでOWEAKにゲストで出てもらうのは、世代間の違いというか、メロディック・パンクに対する解釈の違いを俺たちが影響されたいところもありますね。
──OWEAKはだいぶ緊張するでしょうね(笑)。
masasucks:そんなことないでしょ。アホの先輩バンド2組なんだから(笑)。
──ライブハウスとしてもキャパやライブの在り方をコロナ禍前の状況にいつかは戻さないといけないとは思っていて、“face to face”みたいなライブがその先陣を切る役目を担ってくれたらいいなと思うし、個人的にも楽しみなんですよ。
masasucks:コロナ禍前の状況に戻すというよりは、また一から作り上げていこうみたいな感覚なんです。お客さんや対バンに向けて一緒にまた積み上げていこうよ、っていう意味もこのツアーには込めたつもりなんですよね。Flowers Loftのようにこれまでやったことのないハコでやるのもそうだし、すべては前に進むだけっていうポジティブ精神まっしぐらですね(笑)。このルーフトップも残念ながら紙はなくなってしまったけど、WEBはちゃんと残っているわけでしょう? すべては新しい方向へ進むだけですよ。
──その通りですね。“face to face”ツアーで名古屋、大阪をやっていかがでしたか。
masasucks:みんな凄い面白がって来てくれましたね。最初はチケットの枚数も現実的に考えて設定していたんやけど、思いのほか反響が大きくて。それで感染状況を考えつつハコの皆さんと相談してギリギリまで枚数を増やしました。ツアーを発表した当初から世の中の感じも変わってきているんで。