いくつになってもキレイなおねえちゃんをはべらかせたい
──バンドを組んだのはその後ですか。
ウエサカ:高校をやめるくらいの頃ですね。
JOE:高校中退、いいね。俺は一応大卒だけど(笑)。まあそれはともかく、いつもライブの前にメンバーがリハで集まるのは1、2回なんだけど、今度はNAkidZとの対バンだからたっぷり練習するよ。そうだな、3回はやろう。いや、それはちょっと多いか(笑)。
──それだけ気合が入っているということですね。
JOE:だってこっちも負けたくないし、おじさんが負けたら面目が立たないでしょ。気を抜くとすぐ負けるから(笑)。
ウエサカ:俺たちも生半可な気持ちじゃ臨めないし、死に物狂いでやりますよ。
──G.D.のお客さんをぶん取ってやるくらいの気持ちで?
JOE:そりゃそうだよ。NAkidZは客に媚を売るようなことはしなくていいけど、俺はNAkidZの若いお客さんに媚を売るよ(笑)。こっそり今どきのカバーを入れたりして(笑)。
ウエサカ:俺たちも媚は売りたいところですけど…売れなさそうですね。媚を売る気持ちはあるけど、結果的にいつも売れないんですよ。そういう曲もあまりないし。自分が好きな曲はラモーンズみたいに全部キャッチーだし、自分ではキャッチーな曲だと思って書いてるんですけど、あまりキャッチーには思われないんですよね。
JOE:NAkidZのお客さんって若くてかわいいおねえちゃんいる?
ウエサカ:いると思いますけど(笑)。
JOE:よし! じゃあ一緒にツアーに行こう!(笑) ロックンロールに憧れて、こうしてずっとロックンロールをやり続けているのはいろんな理由があるけど、俺はやっぱりおねえちゃんにモテたいっていうのが今もあるわけよ。おねえちゃんたちを両手にはべらかせてさ、自分をバカにしてきた奴らにザマアミロ! って言いたいの。エリートさんがお金でしかおねえちゃんたちをはべらかせないところを、俺はどうだいこのヤロー! こっちのほうがいいだろ!? ってはべらかせてるところを見せつけたい。それってロックだと思うし、俺はいくつになってもそんなことをやってると思わせたい。モトリー・クルーのプロモーションビデオにもキレイなおねえちゃんがいっぱい出てくるし、ロッド・スチュワートもブロンドの美女を抱いた写真をわざわざアルバムジャケットに使ってたし、俺はそういうのに憧れてたから。還暦を過ぎてもべっぴんのねえちゃんをはべらかせてたら夢があると思わない?
ウエサカ:思います。ミック・ジャガーが70歳を超えてもなお子どもを授かるとか最高ですよね。やっぱりああじゃないとなって。
JOE:ロックンロールにはアメリカンドリーム的な一攫千金もあるし、べっぴんのねえちゃんにもすごいモテる。だから最高なんだよ! っていうのがないとリアリティを感じられないよね。ただいい曲を書いてお金を稼げばいいってことじゃないから。次から次へとやりたいことを叶えていかないと夢がない。
ウエサカ:そういうロックドリームみたいなことは今やヒップホップの人たちがやってますよね。ロックンロールをやってる奴らはちょっとそこで負けてるというか。
JOE:負けちゃいないよ、まだまだ。流行りの音楽はいずれ飽きられて廃れるけど、ブルースやロックみたいに普遍的な音楽はずっと残るし、強いからね。発展した枝葉の部分は消えていくのがいっぱいあるけど、俺たちがやってるのは根幹の部分だから。
ウエサカ:その根幹にあるものがいま一番格好いいと言われたいし、俺がかつて憧れたように、俺より下の世代にも「ロックンロールには夢がある」と思わせたいんです。
JOE:50年代や60年代と違って、今の時代は映像も音源もこの先必ず残っていくから絶対に途切れない。ネットとかの情報が多すぎるとは思うけど、俺たちが先代から受け継いだもの、今までやってきたことが形として残るのはいいことだと思う。
ウエサカ:とにかくロックの底力を見せつけてやりたいですよね。ヒップホップの人たちが女の人たちをはべらかせてたらなんか悔しいし、それはやっぱりロックの人たちがやるべきだし、やってほしいし俺もやりたいし。
JOE:そうだよ。そのためにも一緒にツアーに出よう! ずっとG.D.を追いかけてくれるお客さんにはもちろん感謝してるけど、NAkidZを好きな若い人たちにもぜひ俺たちのことを知ってほしいから。逆に俺たちのお客さんはNAkidZのことを絶対気に入ると思うし、どっちのお客さんもきっと満足してくれると思う。そうやってお客さんを増やして、10人のお客さんが100人、1,000人になっていけば、その中に絶対いい女がいるからね(笑)。