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INTERVIEW

トップインタビュー大石規湖(映像作家)「ライブハウスを"祭り"じゃなく"日常"に── コロナ禍のライブ配信時代に果たす映像の力」

ライブハウスを“祭り”じゃなく“日常”に──
コロナ禍のライブ配信時代に果たす映像の力

2020.08.03

“音楽”を撮りつつ“人間”を撮る姿勢

──そうだ、配信の動画で面白かったのは、5月24日のLIVEHAUSでのFUCKER、チーターズマニアニーハオ!!!!。アレは『LIVEHAUS SoundCHECK』と題して、ライブをしてから2週間後に配信されるという企画で。2週間で編集もやって。ニーハオ!!!!のライブ映像、メンバー4人を四分割に均等に編集して。前にニーハオ!!!!のYUKARIちゃんにインタビューした時、「リミエキでは女性は自分一人だから女性の代表みたいな感じになっちゃうけど、ニーハオ!!!!は4人が並んで、それぞれの個を持つ女性がいる」って言っていて、大石さん撮影のニーハオ!!!!はYUKARIちゃんの言葉を可視化したようで嬉しくなった。

大石:良かったです。少ない時間と少ない予算で必死にアイディアを出しました(笑)。ニーハオ!!!!のアルバム『FOUR!!!!』が、4人の音がハッキリとしてたんですよ。各々の個性が出ていた。なのであのアイディアが浮かびました。

──やっぱりそのバンド、そのミュージシャンがどういう気持ちで音楽を作っているか、大石さんは考えてますね。だから“音楽”を撮りつつ“人間”を撮っている。MVも撮っているけど、テニスコーツの「さべつとキャベツ」が印象的で。「原爆の図」を静止画像で撮っていて。迫力あるライブ映像とは全く違う撮り方。

大石:パンク、ハードコアの映像を多く撮らせてもらっているので、私の映像はそのイメージが強い可能性はあるのですが、テニスコーツの「さべつとキャベツ」は歌詞を伝えたいというのがまずありました。また、あの時期に、テニスコーツは丸木美術館でライブをやる予定だったそうで、それができなくなってしまったことと、テニスコーツの植野(隆司)さんが「原爆の図」と曲のイメージが重なるということで、丸木美術館で撮ろうということになりました。もうそれだけでいいじゃないですか。あの歌詞とあの絵。それだけで曲のイメージを映像にするとしたら、すでに完成されていると感じました。なので私はそこを崩さないように、シンプルな撮影方法に徹しました。

──テニスコーツの2人が「原爆の図」の絵の前を歩いているというか、通り過ぎていきますよね。シンプルだけどいろんなことを感じ取ることができる。

大石:テニスコーツは世の中で起きていることをしっかりと曲にする2人だと思っています。東日本大震災の後も東北に何度も通っていますし。世の中の変化、世界をしっかりと見てきた2人が、これから先の未来に繋がっていくイメージで歩き続けている映像です。

──凄い曲だし、凄い映像だと思います。やっぱり音楽を撮り、人間を撮っている。で、なんとthe 原爆オナニーズドキュメンタリー映画を去年はずっと撮っていて、いよいよ公開が決まったそうで!

大石:そうなんです!

──the 原爆オナニーズを撮りたい! って自分からオファーして?

大石:はい。自分で企画を出しました。

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──そこにどんな思いがあったのでしょう。

大石:これまで私が関わらせてもらった音楽をしている人たちの言葉や、経験などからの影響で出来てしまったという気持ちです。なので、今まで関わらせてもらった人たちには観てほしいと思っています。感謝の気持ちも込めて。the 原爆オナニーズは、38年間、仕事と音楽活動を両立し続けているバンドです。そんな人たちが、答えに導いてくれるのではないかと感じたので、力を借りる気持ちでドキュメンタリー撮影をお願いしました。私が求めてる答えは、そう簡単にはくれない人たちでしたけど(笑)。

──楽しみです! 映画のことは公開近くなったら改めてインタビューさせてください! では最後に、コロナ禍の今、ライブハウスを愛する人たちに向けて。

大石:ライブハウスでしか得られない体験、人との出会いがこれからもずっと続いていくように願って、行動していくしかないですよね。
 

大石規湖が配信を通じて知り合った《DISCIPLINE》というパーティーとの作品



◉今週末(8月9日)に配信される大石規湖の最新映像作は羊文学のオンラインツアー『優しさについて』。詳細はこちら

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the 原爆オナニーズ ドキュメンタリー映画
『JUST ANOTHER』

【出演】the 原爆オナニーズ(TAYLOW、EDDIE、JOHNNY、SHINOBU)、JOJO広重、DJ ISHIKAWA、森田裕、黒崎栄介、リンコ 他
【ライブ出演】eastern youth、GAUZE、GASOLINE、Killerpass、THE GUAYS、横山健
【企画・制作・撮影・編集・監督】大石規湖
【スチール】菊池茂夫
1.78:1 | カラー | ステレオ | 90分 | 2020年 | 日本 | 配給:SPACE SHOWER FILMS
©2020 SPACE SHOWER FILMS
10月24日(土)より新宿 K's cinemaほかにてロードショー!以降、全国順次公開!

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