今年2020年で結成38年を迎える日本を代表するパンクバンド、the 原爆オナニーズ。そのキャリア初となるドキュメンタリー映画を気鋭の映像作家・大石規湖(2017年にLess Than TV に肉薄したドキュメンタリー映画『MOTHER FUCKER』で映画監督デビュー)が監督を務めて完成させ、来たる10月24日(土)より新宿 K’s cinema ほかにて劇場公開されることが決定した。
映画のタイトルは『JUST ANOTHER』。言わずと知れた、1984年4月に発表されたthe 原爆オナニーズのデビューシングルのタイトルでもある。
the 原爆オナニーズは、1982年に名古屋でTHE STAR CLUBに在籍していたEDDIEと、地元のパンク博士とも言えるTAYLOWを中心に結成。38年にわたり名古屋を拠点にパンクロックを演奏し続ける、まさに日本が世界に誇る現役キャリア最長のパンクロックバンドである。
バンドは数度のメンバーチェンジを繰り返し、後に遠藤ミチロウが率いるザ・スターリンやBLANKEY JET CITYに加わる中村達也やHi-STANDARDの横山健が在籍したことでも知られている。
インパクト絶大のバンド名はSEX PISTOLSを文字って付けられたが、“原爆”、“オナニー”と言うワードについて「このバンド名に嫌悪感などの反応を持ち、核・反戦について問題提起ができれば良い」とTAYLOWは述べている。
現メンバーは、TAYLOW(vox)、EDDIE(bass guitar, vox)JOHNNY(drums)、SHINOBU(guitar)。
活動の拠点は結成以来、地元愛知にこだわり、当時は当たり前であったプロになることは目指さずに定職を持ち、そして60歳を超えた今でもパンクロックをやり続けている。
キャリア初となるドキュメンタリー映画『JUST ANOTHER』では、これまで語られる事のなかったバンド内部の真実が本人たちによって遂に明かされる。
映像作家、大石規湖は地下レーベル Less Than TV主宰の谷ぐち順、YUARI、共鳴の家族とその仲間たちに密着したドキュメンタリー映画『MOTHER FUCKER』(2017年)で映画監督デビューを果たし、次回作の構想を練っていた。
2018年9月、名古屋の『今池まつり』で老若男女を熱狂させている地元が誇るパンクバンド、the 原爆オナニーズのライブを目撃する。
その衝撃は彼女に彼らの活動を記録することを即座に決断させた。彼女が興味を持ったの単純ないくつかの疑問だった。
なぜこのバンドは愛知県を拠点にし続けているのか。
なぜバンドに専念しないで仕事をしているのか。
なぜ60歳を過ぎて今なお激しいパンクロックにこだわっているのか。
それだけだった。
日頃から若いバンドが活動と生計の両立に苦しむ姿を目の当たりにしているからこそ、どうしても知りたい興味が湧いた。
しかし密着を始めて次第に浮き彫りになってきたのは、メンバー同士では決して口に出さない互いへの揺るぎない信頼、バンドと言う奇跡のバランス、そこにしか存在しない唯一無二の正義……バンドの内部でしか知る由もない事実が次々に浮かび上がってきた。
そして、なぜ彼らが40年にわたりパンクロックを続けられるのか、その理由が少しだけ分かってくるのだった。
このドキュメンタリーはすべてのバンドマンに活動し続けるヒントを圧倒的なパワーで届けるだけでなく、未曾有のコロナ禍の中で日常を奪い去られても生きていかなくてはならない我々に、それでもやり続ける力を与えてくれるに違いない。
本作の劇場公開決定にあたり、TAYLOWと大石規湖監督から届いたコメントを紹介しよう。
“今池ハードコアは死なず”
自分で言うのもなんだけど、愛知&名古屋って不思議なエリアだよね。
“ハードコア”が、ごく一般的に認知されているんだから。
新型感染症を乗り越えるため今池商店街の心意気は、“今池ハードコアは死なず”。
the 原爆オナニーズの地域に密着した日々を覗いてください。(TAYLOW / the 原爆オナニーズ)
自分たちの場所で、仲間、家族と、
自分たちの時間軸で続けている人たちが一番強い、と感じながら作った映画です。
この映画はコロナ禍になる前に完成したものですが、その気持ちは今でも変わりません。
そんな人たちの"日常"が続いていってほしいという想いをこめて。
そして映画を通してライブを体感してほしいです。是非観てください!(大石規湖)
商品情報
映画『JUST ANOTHER』
出演:the 原爆オナニーズ(TAYLOW、EDDIE、JOHNNY、SHINOBU)、JOJO広重、DJ ISHIKAWA、森田裕、黒崎栄介、リンコ 他
ライブ出演:eastern youth、GAUZE、GASOLINE、Killerpass、THE GUAYS、横山健
企画・制作・撮影・編集・監督:大石規湖
スチール:菊池茂夫
1.78:1 | カラー | ステレオ | 90分 | 2020年 | 日本 | 配給:SPACE SHOWER FILMS
©2020 SPACE SHOWER FILMS
10月24日(土)より新宿 K's cinemaほかにてロードショー!以降、全国順次公開!