著書『事故物件怪談 恐い間取り』(二見書房)が、映画『リング』でお馴染みの"中田秀夫監督"指揮のもと映画化決定。今年も本の出版を控えていたり、イベントでも引っ張りだこの松原タニシさん。4月5日で23回目を迎える『大島てるがやって来る!!事故物件ナイトin大阪 vol.23 〜大阪炎上!事故の日の祭典2020〜』に出演、4月17日には『平山夢明と松原タニシの大阪爆談話』を開催。イベントについてはもちろん、普段のインタビューではあまり語られなかったロフトだからこそ出来る話なども聞かせていただきました。[interview:はるな(Loft PlusOne West / 漁礁)]
『事故物件 恐い間取り』(仮)映画化決定!
——今回どういった経緯で映画になることになったんですか?
松原:2018年の夏に出した本が思ってたよりも話題になってくれたので、映画関係会社の方の目に留まったみたいでお話をいただきました。
——主演はKAT-TUNの亀梨和也さんですよね。
松原:そうですね、ビックリしますよね。全く別世界の人だと思っていたので、どうなるのか楽しみです。
——監督は『リング』などでお馴染みの中田秀夫監督ということですが、タニシさんってホラー映画とか見るんですか?
松原:そんなにフリークっていうわけでは無いですけど、話題作とかは見てますね。『リング』ももちろん見ましたし、その前の『女優霊』が特に怖かったです。事故物件に住む前に普通に怖いなと思いながら見てました。
——今は”怖い”という感情ってあるんですか…?
松原:今は、幽霊とかに関してはほぼ無くなってますね。人は怖いですけど。
——心霊スポットの山奥などに、夜中一人で行ったりしていますが、そういう時も怖くないんですか?
松原:それは人がいたら怖いですよ。夜中に人気の無い場所にいるとしたら、わざわざ来る理由のある人なわけじゃないですか。肝試しに来てる若者とかだったらまだ良いんですけど、そこに来ないといけない理由のある人だったら怖いですね。むしろ幽霊は会いたいなって思ってます。まだはっきりした形で出会ったことは無いので、映像に収められたら良いなって。
——幽霊の存在は信じていますか?
松原:信じてますよ。信じてるけど怖くはないっていう感じです。幽霊が怖いというか、後から降りかかる不幸は怖かったりしますね。
——気が狂ったりする現象ですか?
松原:うーん、自分は呪いや祟りでおかしくならない自信はあるんですけど、周りの人間がなると怖いなって思います。
ロックバンド”人間椅子”に影響を受けた学生時代
——学生時代は何が好きでしたか?
松原:学生の時は人間椅子が好きでした。文学的な曲を演奏していたり、小難しくてかっこいいことをしているなと憧れてました。人間椅子を好きな自分が好きだっていう感じですね。サブカル好きの人にはよくある感覚だと思うんですけど。
——それはいつくらいですか?
松原:高校生の時です。自分と同世代で人間椅子を好きだった人がいないから、それが心地よかったっていうのもあるんですけど。
——バンドをやろうとはならなかったんですか?
松原:それも芸人になる前は思ったんですけど、でもやっぱり中身が追いつかなくて。芸人になってからも、自分は人間椅子の曲とか歌詞の世界をそれほど理解することができないんだっていうことに気付くんですよ。人間椅子がやっている、頭が良さそうなマニアックなことが好きっていうのはあるけど、好きな理由を考えるとすごく難しくて。結局、文学や音楽を純粋に好きで演奏している和嶋さんだったり、メンバーの人たちを信用できるというか、人間性が好きだっていうことではあるんですけどね。
——表現するということへの興味はあったということですよね。
松原:そうですね、それでたまたま芸人の世界に入ったんですけど、自分には何も無いっていうことに気付いていくんですよ。やりたいことって無いなぁって。最初はネタ見せっていうオーディションみたいなのがあるんですけど、そこで選ばれたネタが消えていった芸能人をいじるネタで、自分でやっててもすごい違和感があって…。消えていった芸能人をいじろうとしている自分自身が何者でもないから、成り立っていないなって思って。音ネタもあったんですけど、好きなミュージシャンの曲を使ってネタをしているけど、他人の曲を使ってる時点でオリジナルではないよな、とか。そういうことを思うようになって、自分には何も無いことに気付かされていきました。
——いつ頃、事故物件に住み始めたんですか?
松原:2012年からなので8年前くらいですね。その時に『北野誠のおまえら行くな。』(エンタメ〜テレ)っていう番組の企画で事故物件に住み始めたんですけど、それは自分にしかできないことだなっていうしっくり感はありました。
——松原タニシとしてこういうことはやりたくないという仕事はありますか?
松原:やらせの番組はあまりやりたくないですかねえ。「映像にCGの幽霊を出してそこにレポートに行く」みたいな企画のオファーが来たんですけど、それは断りました。それをやってしまうと、嘘になっちゃうんで。嘘の幽霊を見て驚かないといけない仕事はやりたくないですかねえ。
——怖がってるのを見たことが無いんですけど、バンジージャンプとか言われてもやりますか!?
松原:企画によりますけど全然やりますよ。高いところ苦手なんで普通に怖いですけど(笑)。
——ちょっと見てみたいです。今年も本を出されるんですよね?
松原:そうです。書いてますよ。今まだ12ページくらいしか書けてないんですけど(笑)。夏頃に出す予定なので、僕が書けなかったら秋頃までずれ込む可能性があります…。そうなるとちょっといろいろまずいので頑張ります。
今後のロフトでのイベントについて
——4月17日に「平山夢明と松原タニシの大阪爆談話」が開催されますが、平山さんと接点はありますか?
松原:一回東京のバーで偶然会って、挨拶させていただいたことはあります。
——どういう印象でした?
松原:すごくフランクな方だなぁと思いました。まだ多分、詳しいイベント内容は決まって無いんですけどすごく楽しみですね。
——一緒にイベントをしている人などで注目してる方はいますか?
松原:そうですね、田中俊行さん(オカルトコレクター)ですかね。本当の子供部屋おじさんで、たまにイラストとかを描く仕事はしてるそうなんですけど、基本的には実家で親の脛を齧って生活してるニートです。
——怪談のイベントなどでよくお見かけします。
松原:怪談以外でも話がおもしろいですし、人間的に魅力があるというか…やっぱり守るものが無い人の話はおもしろいですね(笑)。
——共演してみたい方がいたら教えてください。
松原:そうですね…ロフトの方がブッキングしてくれるっていうのがすごく楽しみですね。松永天馬さんもそうだったんですけど、全く接点のないところの方と共演出来るっていうのは嬉しいので、程よく組んでもらえると有り難いです。
——今後してみたいなと思うイベントはありますか?
松原:まあ、でも一番良いのは大島てるさんと村田らむさんとダラダラやるのがラクで楽しいです。この人と事故物件ナイトをしたらおもしろそうだと思って誰かがブッキングしてくれるのは、すごく有り難いし楽しみなんですけど、てるさんとらむさんと、たまに田中俊行さんとダラダラするのが一番ちょうど良いなと思ってます(笑)。
——タニシさんのイベントに興味のある方にメッセージをお願いします。
松原:そんなに怖くはないというか、怖がらせるつもりも無いんですが、普段生きてて見ることの無い現場だったり、行くことの無い場所や、聞くことの無い話が聞けると思うので、興味のある方には是非足を運んでみてほしいです。