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トップインタビューDEATHRO - 2020年の幕開けにふさわしいニューアルバム「FEEL THE BEAT」を解き放つ!

2020年の幕開けにふさわしいニューアルバム「FEEL THE BEAT」を解き放つ!

2020.01.23

湿っぽいことを湿っぽく歌うのは俺らしくない

──アルバム製作の際にA面とB面を考えて曲順を決めていると、過去のインタビューでおっしゃってましたが、『FEEL~』はどういう分け方になりました?

DEATHRO:えっ……、前半が「動サイド」、後半が「静サイド」です……ってゴメンなさい! 今テキトーに考えました。分け方は、そこまで考えていませんでしたね(苦笑)。

──けど、その分け方は腑に落ちました。5曲目の「PLASITC EMOTION」までと、6曲目の「パラノイアで踊れ」からでは、明確に音と言葉のアプローチが変わりますよね。

DEATHRO:はい。「動サイド」の方はライブで披露した時の絵が思い浮かぶような曲が並んでいます。

──しかも先ほどの4つの要素が見事に同じ地平線に見事に乗っていますね。

DEATHRO:「瞳の中の~」と「DANGEROUS~」は自分の中にある“J-ROCKあるある”を詰め込んだような内容になりましたね。「瞳の中の~」は、俺が県央から都心に向かう間に武蔵小杉あたりのビル群を見て感じた”中心地に向かっていく時のヴァイヴス感”を、「DANGEROUS~」はデカダンでザ・軽薄な恋愛を俺なりに解釈したものを抽象的に描きました。この2曲は俺の中の軽薄さを楽しんでもらえればと。“J-ROCKあるある”で言うなら、「PLASTIC~」は今の世の中を皮肉っているのですが、中に「気づかぬままの傀儡(マリオネット)」という歌詞が出てきます。ギターをサポートしてくれたオノちゃん(小野寺陽多、Daiei Spray)には「一発で元ネタがバレるよ!」と苦言を呈されまして。まぁ、そこは自分を貫き通して入れました。折れちゃうと、この歌詞と真逆のことになっちゃいますから。気分のままに踊らないと、そこは。

──アハハ! 一方で、「胸に追憶の赤い薔薇を…」では別れを、「Naughty Girls~」は孤独について歌われているという、DEATHROさんの内面を歌っています。

DEATHRO:「胸に追憶の~」は先ほど出た、猫の一匹についてです。彼は昨年6月ごろに亡くなってしまって、これまでの感謝を歌いたかったんですね

──別れの歌ですが、カラっと明るく送りだしていますよね。

DEATHRO:湿っぽいことを湿っぽく歌うのは俺らしくないなぁと。いつか自分もいなくなってしまうわけで、またいつか会えるその日まで、という期待にも似た気持ちですね。『Naughty Girls~』は、俺の地元にあるショッピングモール、アリオ橋本に行った時に感じたことを歌いました。俺はよく一人でZARAに衣装兼洋服を買いに行くのですが、フードコートを通ると、俺と同世代の人たちが子どもを連れてご飯を食べる光景に遭遇するんです。その時、なんというか疎外感を勝手に感じてしまって。俺、心地よい場所や雰囲気の中にいると、なぜか周囲から自分がなぜか阻害されている気がして、勝手に居心地悪くなって離れていってしまうんですよね。

──「Naughty Girls~」にも登場していますが、よく歌詞に「ストレンジャー」という言葉が出てきますよね。COSMIC NEUROSE時代にも「Strangers」(『Just A Fucker』収録)という歌がありますし、人とどこか相容れない気持ちを持っていると。

DEATHRO:ですね。この思春期特有の自意識過剰ぶりがよく表れた歌詞になりました。介助に入ってるクライアントの大学生にも「この中二病が!」とよく言われていますが、その通り(笑)。中二病のベテランなんですよ。

サブ2_DEATHRO.jpeg

DEATHRO From Above 1999

──“別れ”と、中二病……もとい“他者とのアイソレーション”というテーマは「静サイド」でより、ミクロな視点で展開されているような気がしました。

DEATHRO:改めて見てみるとそうですね。

──“別れ”というテーマは、今までの作品ではあまりモチーフとして登場してきませんでしたが、今回歌おうと思われた理由は?

DEATHRO:今まで“別れ”というものについて歌うことに対して難しいなと、無意識的に避けていたんですね。それが、俺もサヨウナラを言う機会が増えてきて。今は別れに真っすぐ向き合い、20代の頃、バンドでやれなかった表現をできるなと思ったんです。

──その“別れ”の色が特に濃く出たのが、先行配信された「FEEL THE WIND」かなと。

DEATHRO:はい。「FEEL~」は、50ccのバイクに乗って走っていて風を受けた時に曲が浮かんできたんですよ。令和を迎えたタイミングでもう一匹の猫が亡くなって、そんな時、横浜のR&R GARAGE GOSPELバンド、THE LORD RUNNERSの斧寺カズトシが忌野清志郎さんが亡くなった際に「亡くなりはしたけれど、それは世界の一部になったということ。逆にいつでも会えるようになった」と話したのを思い出して。「彼らはこの世界の風や風景になったんだ」と思ったら、俺は常にその風を常に感じていたい、という想いが湧いてきて、このサビと歌詞が生まれました。

──アルバムタイトルの『FEEL THE BEAT』も「FEEL~」の歌詞にかかってきますね。

DEATHRO:俺がビート系のボーカルであることと、猫が亡くなる時に鼓動が弱くなっていくのを感じて、いつまでも生命の存在を感じていたいという、そのダブルミ―ニングで付けました。……ってなんか、だんだんスピリチュアルぽい話になってきてません? ヤバイなぁ(笑)。

──いえいえ(笑)。”オマエと出会った1999”という歌詞が出てきます。1999年はDEATHROさんにとってどんな年ですか?

DEATHRO:COSMIC NEUROSEに「Punks From 1999」(『4Lions Standing in Wilderness』収録)という曲があるぐらい、ずっと1999年に固執し続けているんですよね。Fool’s Mateを片っ端から読み漁り、それ以前から好きだったV系と並行しながら、白黒ページに登場するless than TVをはじめとしたハードコア/パンクの存在を知るようになって。そこで気になったU.G MANのレコードを初めて買い、ドップリとその世界に浸かりはじめたんですよ。そして今年、去年に亡くなった愛猫二匹が家に来た年であり、「デスロ」と名乗り始めたのもこの頃と、今に至るまでの人生を構成するファクターとの出会いがあった年だったんです。

──1999年というと、世紀末を迎え、いわゆるノストラダムスの大予言がなんだったのか? 2000年問題が叫ばれるなど、世界的にも変化を目の前にした年でしたよね。

DEATHRO:ノストラダムス! そうした「世界の終わり」を子ども心ながらに信じていた最後の世代でしたね。少年マガジン読者としては『MMR』には色々と考えさせられました(笑)。この頃に流れていた世紀末感を俺はずっと引きずり続けているんですよね。あれから20年、今はあの時想像していた終末のイメージを超えてしまいましたね。特にこの1年で「この先が無限にあるわけではない」と強く意識するようになってきて。なんというか……「切羽詰まっている感」があるんですよ。

──それは危機を感じているということ?

DEATHRO:変化の潮目のど真ん中にいる気がするんです。先日RODさんとお話をした際、RODさんは現在50代半ばで、あのロックスタイルをいつまで続けられるのか?を真剣に考えていらして。俺も30代半ばを迎え、生き辛い世の中になっていくと共に、モチベーションと鮮度を保ちながら現役で音楽をやるという選択肢を取るのは中々難しい、音楽は一生ものだと言いつつもプレイヤーとしてはそう上手くわけではないな……と考えるようになってしまって。その「どこまで、いつまで、自分は走り続けるのだろうか?」という、20年目を迎えた今の自分の中での想いが「FEEL THE WIND」には反映されています。

──それは戸惑いに近い感情ですか?

DEATHRO:いや、今思いついたことは全てやろうという、焦りにも近い気持ちかな。それこそバンド時代は、何も考えずやっていましたからね(笑)。

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DEATHRO「FEEL THE BEAT」

[CD] 2020年1月15日発売/ ROYAL SHADOW / RS-17

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LIVE INFOライブ情報

DEATHRO
TOUR 2020 MAXXXIMUM MATRIXXX FINAL
“FEEL THE BEAT” RELEASE BASH TOKYO 1MAN
2020/5/12(火)東京:渋谷WWW
開場:19:15 / 開演:20:00
前売¥3,000+1DRINK / 当日¥3,500+1DRINK
 
チケット情報
手売りチケット(1/4下北沢SHELTER会場より発売)
e+先行チケット(1/11 10:00~1/26 18:00)
e+一般チケット(2/1 12:00~5/11 23:59)
 
DEATHRO
TOUR 2020 MAXXXIMUM MARIXXX
 
1/26(日)静岡:LIVE HOUSE騒弦
開場:15:30 / 開演:16:00 当日のみ¥1,500+1DRINK
共演:T.V.NOT JANUARY、タオル、DAISEI STOCKHAUSEN、HALF KILL
 
2/9(日)神奈川:横浜天王町STUDIO OLIVE
開場&開演:15:00 当日のみ¥2,000+1DRINK
共演:Limited Express(has gone?)、UNSKILLED LAB、THE LORD RUNNNERS、三沢洋紀と岡林コゾウ大輔
 
3/7(土)三重:四日市VORTEX
3/8(日)滋賀:彦根ダンスホール紅花
3/14(土)徳島:TBA
3/15(日)岡山:CRAZYMAMA STUDIO
4/11(土)宮城:仙台BIRDLAND
4/12(日)福島:郡山PEAK ACTION
5/3(日)大阪:難波BEARSワンマン
5/9(土)愛知:今池HUCK FINNワンマン

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