2019年12月1日世界エイズデーでもあるこの日に、ネイキッドロフトでは、"本邦初!"となるフィンドムの専門イベント"フィンドムナイト"を開催します!
フィンドムに関する大切な話はもちろん。「こんなシチュエーションでフィンドムつけてくれたらテンションが上がる!」という設定を会場で募集/出演者の方々に朗読をしてもらうなど、企画も万全。性別・セクシャリティー不問のイベントになっているので、ぜひ皆さんの意見・好みを共有しましょう。
出演は、まきむぅ(牧村朝子・文筆家)さんと、シオリーヌ(大貫詩織・助産師・性教育YouTuber)さん、そしてレズっ娘クラブ、レズ風俗ティアラの現役キャストさん。
そして! ここでは「フィンドムナイト」の楽しみ方を掴んでいただく為に、フィンドムに一歩でも近づいていただく為に、シオリーヌさんと、まきむぅさんにお話を伺いました。
"フィンドム"の世界を、このインタビューからも感じ取っていただけるかと思います。[interview: Naked Loft]
学校では教えてくれない性教育
──まずは、簡単にお二人の自己紹介など伺いたいです…!
シオリーヌ:助産師で性教育をしているシオリーヌ、大貫詩織です。普段は講演会やイベントでの知識の提供、YouTubeでの動画配信を中心に活動をしています。(シオリーヌYouTubeチャンネルはこちら)
──YouTubeの動画、拝見しました! とても有益な情報です。性感染症や生理の話など…、役立てている人は多いかなと思います。
シオリーヌ:嬉しいです! 実際のところ、視聴者さんの中でも若年層が多くて「この話を学校で教えてもらいたかった」というコメントなど、たくさん頂きます。
まきむぅ:文筆家のまきむぅこと、牧村朝子です。「生きるための性のこと」をテーマに執筆をしていまして、シオリーヌさんとはNHK-Eテレの性教育プロジェクトで、ご一緒しました。
──そうだったんですね…! NHK-Eテレの性教育プロジェクト。どんな内容だったんですか?
まきむぅ:「学校では教えてくれない性教育について動画教材を作ろう」という、一年かけたプロジェクトでした。今、シオリーヌさんがYouTubeなどで活動していらっしゃる様なことですね。
性の”怖がらせ教育”から、脱する必要がある
──学校では教えてくれない性教育というと…。
まきむぅ:「いつか生むための性教育」じゃなくて、「いま生きるための性教育」が必要だなと思ったんです。私が学校で教わった性教育には「皆さんは将来、大人になると、お父さんお母さんになると思いますが…」という暗黙の了解がありました。あと、「まだ君たちは子供だ、中絶は怖いぞ! 性感染症は怖いぞ!」っていう脅しにとどまってしまうケースも多いようですね。
シオリーヌ:本当に、”怖がらせ教育”は早く脱しなくてはならないと感じています。私自身も、現場で感じることですが。大人たちが「学生はセックスしない」という前提で物事を考えてしまっていては、子供は、いざという時に大人に相談してくれないんじゃないかと思うんです。
まきむぅ:そういうの、”怖がらせ教育”って言うんですね。
シオリーヌ:これは、私が勝手に使っている造語です(笑)。こんな情報を扱っている私の元でさえ、子供たちからは「怒られると思うんですけど…」と前置きした上で、性に関する相談が届きますね。
まきむぅ:どう答えているんですか?
シオリーヌ:性知識を知りたいと思うこと、自分の性と向き合おうとしていることを、まずはきちんと評価してから、その上で、その子の質問に応じた知識を返答するようにしています。
まきむぅ:大事!
シオリーヌ:相談することができることって、すごく大切な援助希求能力だと思います。メッセージをくれたことにお礼を言いたいですね。
──素晴らしいです! 相談する側としても安心感が生まれますね。
“フィンガーコンドーム” ってなんだろう
──フィンドムについて、まだ知らない事ばかりなので教えていただきたいです。
まきむぅ:フィンドムというのは「フィンガーコンドーム」の略名です。指にはめる用の小さい保護具を、想像していただけると良いかと思います。用途としては、指で粘膜に触れる行為、俗語ではっきりと言えば、オナニー、手マン、クリ攻め、アナル攻めなどなど…のことですけど。そういった行為が、より安全になめらかに清潔になるっていうものです。
シオリーヌ:大事ですよね。安全と清潔。
まきむぅ:そう〜。やっぱり、お互いを大事にしてる感を出せるんですよね。それに、自分相手でも他人相手でも、同性相手でも異性相手でもフィンドムは必要なんです。
──どこで購入できるんですか?近所の薬局の売り場で見たことがない様な…。
シオリーヌ:今は、主にネットなのかなぁと思います。ドンキでも店舗によってはあるのでしょうか。
──一般にはどのくらいフィンドムが浸透しているんですか?
まきむぅ:フィンドムは、もともと台湾発信で。台湾のレズビアン雑誌LEZSとか、台湾のドラッグストアwatsonsとかではめっちゃポピュラーです。だけど日本では、まだなかなか…。ナマ信仰があったり、コンドームを持ってるやつは淫乱なんだ、みたいな偏見があったり。乗り越える壁があるなって思っています。
シオリーヌ:コンドーム持っている人への偏見ありますよね…。特に、女性だと尚更。
まきむぅ:そういう事情ってかなり大切なので、イベントを機に話せたら良いなと思っています。人と話しづらいことだと思うので。
女性の同性愛に関わる、セーファーセックスとフィンドム
まきむぅ:フィンドムが発売される前、女性を愛する女性は、しっかりと気にする人は歯医者さん用のラテックスグローブを使って接してたらしくて。オーラルセックスでは、これも歯医者さん用のデンタルダムっていう薄い膜を使っていたみたいなんです。
シオリーヌ:ラテックスだとオイルとの相性で劣化することもありますし、専門の商品(フィンドム)があるってやっぱり大切ですよね。
まきむぅ:レズビアン界における歯医者、熱いな…、って思いました。絶対に、セーファーセックスの大切さをみんなに広めてくれたレズビアン歯医者さんがいるに違いない!
シオリーヌ:たしかに歯科界あつい…。
まきむぅ:ロサンゼルスのダイクデイっていう野外フェスでも、レズビアン向けに女性器用コンドームとラテックスグローブ配ってたし。
シオリーヌ:野外フェスで! なんて素敵なスタンスなんでしょう。