過去は過去、今は今、今が一番大事で最高
──今作、HIKAGEさんの存在が大きかったんですね。
NICKEY:いろんなアイディアを言ってくれるんだけど、こだわりも凄くあって。こだわりはあるけど柔軟なんですよね。だからずっとやってこれたんだな、ずっとパンクスなんだなって思います。昔、THE STAR CLUBのメンバーが若いメンバーに代わった時があって。当時、私は、先生と生徒みたいなのかな? って失礼ながら思って(笑)。HIKAGEさんは先生だったかもしれないけど、同時に新しい刺激や音楽を吸収してきたんじゃないかって。吸収しながら同時に引っ張っていって。柔軟さと強さ、両方を持ってるから40年パンクを続けられるんじゃないかなって。凄いことですよね。
──NICKEYさんもウォーリアーズを引っ張ってきてるじゃないですか。
NICKEY:いやいや、引っ張るとか、そういうタイプじゃないですよ(笑)。
──でも35周年ですよ。凄いですよ。
NICKEY:引っ張ってるつもりはないし、引っ張るより引っ張られるほうがいいんですけど。なんで35年もやってるんだろ(笑)。なんかね、嫌なこともいっぱいあったりしましたけど、でもやっぱり自分がやり続けなきゃって思いはいつもどこかにあって。いろいろあっても、そこから新しいスタートができてきたんですよ。私、あんまり引きずらないので。過去は過去。今は今。今が一番大事で最高だと思ってるんで。そりゃ、毎回凄くいいステージをできるわけじゃない、納得いかないステージだってある。でも、「ああ、凄い気持ちいい、最高!」ってステージがあるわけで。それを超えるステージをやりたいって思うし。続けてる理由はそこなんでしょうね。あとウォーリアーズだけをずっとやってたらどうなってたかわからないけど、ソロをやったりアコースティックがあったり、バランスをとってるからかな。
──NICKEYさんのAll time best、2枚組のベスト盤も同時リリースなんですよね。
NICKEY:そうなんです。NICKEY & THE WARRIORSのベスト盤とソロのベスト盤の2枚組。私の全部の活動のベスト盤です。選曲もすべてやりました。
──レーベルの垣根を超えたアルバム。どうですか? 昔の音源を聴いて。
NICKEY:恥ずかしいってのもあったりしましたが、でも「このテイクが自分の中ではベストだな」ってものもあったし。だから恥ずかしさだけじゃなく、当時の良さも思い出して。ちょっと前は否定的だったかもしれないです、過去の作品に対して。今は、コレはコレだなって。あの時代のあの年代の自分が唄っていて、それを否定しなくていいよねって。今はそんな気持ちで。過去は過去、今は今って気持ちもあるんですけど、あるからこそ、過去を素直に思えるようになったのかな。
──うんうん。35th Anniversary Liveが11月1日、新宿ロフトで開催ですね。
NICKEY:今のメンバーと、私が入る前のKEIGOが唄ってたROAD WARRIORSの頃から、全員ではないけど歴代のメンバーに出てもらって。もちろん、ゲストにHIKAGEさん、そしてThe STRUMMERS。The STRUMMERSは同じ事務所だったし、いろんなことがあったけど現在進行中で。素晴らしいですよね。
──いいですね。昔からの仲間だけど、改めて再会と言うか。
NICKEY:人生どうなるかわからないじゃないですか。そういう実感はみんなあると思う。だからやりたいって思った時にやるっていうのは、ホントに大事だなと。そしたらまた出会えるし、また繋がれるっていうね。人との繋がりってその時々で違ったりするけど、それが大事なものだったんだなぁ、繋がっていくんだなぁって。
──まさに今作もそういう感じです。昔好きだったパンク・ロックに新しく出会えたっていう。
NICKEY:ありがとうございます。今作、新しいウォーリアーズなので幅広くみんなに聴いてほしい。これが今のウォーリアーズです! そしてライブに来てください!
アーティスト写真:菊池茂夫/ライブ写真:YUKO TAKI