なんと35周年のNICKEY & THE WARRIORS。THE STAR CLUBのHIKAGEをプロデューサーに迎え完成したミニ・アルバム『ONE FROM THE HEART』が凄くポップ! 凄く新鮮! NICKEYのキュートなボーカルはイキイキとして、80'sパンクが蘇ったようなムードはあるのだが、懐かしさよりも、いや、懐かしさを感じられるからこそ、スッと前に向かって行けるアルバムだ。進行形のパンク・ロックだ。
この新作のリリース記念と35th ANNIVERSARYとして11月1日に新宿ロフトで歴代のメンバーとHIKAGE、The STRUMMERSを招いてライブを開催。さらにNICKEY & THE WARRIORSとNICKEYのソロの2枚組のベスト盤『あたしのとりこ All time best 1985〜2013』(ジャケット・イラスト=森本美由紀)も同時リリース。
インタビューには新作で作曲を3曲担当したCROSSも参加。NICKEYはまったく変わらずキュートで美しく、過去から現在をとてもナチュラルに話してくれた(と思う)。ナチュラルにパンクしている彼女はステキだ。(interview:遠藤妙子)
私なりのパンク・ロックを追求したかった
──35周年ですね。びっくりです。
NICKEY:私もそんなに経っちゃってるの? って(笑)。
──実際、活動はずっと続けてましたよね?
NICKEY:休んでた時期もあったんですよ。交通事故に遭ったりもしたし。でも、そうですね、そんなに長くは休んではいないですね。
──作品も何年かごとに、1年ごととかではないけど、コンスタントですよね。
NICKEY:それもでも前々作(『DO I LOVE YOU?』)と前作(『in my Heart』)は凄い空いちゃって。去年出した前作は7年ぶりぐらいだったんですよ。
──あ、そうか。この歳になると、もう7年前でも最近って思っちゃうもんで(笑)。昨日のライブはTHE GODと、その前は宙也さんとデュオ・ユニット、Venus and Zeusとしてのライブだったんですよね。
NICKEY:そうなんです。宙也さんとは一緒に唄って。
──いいですよね、80年代から活動している人たちと今のスタイルで一緒にやれるのって。
NICKEY:ですよね。ライブでも言ったんですけど、私、アレルギー大好きで。初めて聴いたパンクがアレルギーで。
──あ、私も!
NICKEY:あ、そうなんですか! 凄い好きでライブも行っていて。ウォーリアーズに入って対バンに誘ってもらったり、ここ数年活動していく中で、いろんな場面で誘っていただいて。今回も、「一緒にやろうよ。今やったら面白いんじゃない?」って誘っていただいて。宙也さんとは今回初めてデュエットしました。
──今だからこその面白さがあったでしょうね。
NICKEY:たぶんみんな、ある程度の年齢になってるから、やれる時にやらないとっていうのがあるんだと思う(笑)。
──今日、Twitterで「昔見てたバンドを今見たい。進化を見てウォー! ってなりたい」ってツイートを見て。たぶん子育てもひと段落して、もう一度っていう。
NICKEY:うんうん。わかります。そういう方、いますよね。
──そういう人は多いと思うし、そういう人に見てほしいですね。
NICKEY:見てほしいです。
──私、昨日、ライブを拝見して凄く新鮮で。80'sパンクの懐かしさを感じるんだけど、その懐かしさも含めて新鮮で。この歳になって改めて、と言うか初めてパンク・ロックを聴いた時の気分になって。なんて言うか、ラジオから流れてきたパンク・ロックを初めて聴いた10代の頃の感覚になって。そういう感覚になったのが新鮮で。
NICKEY:わー、ありがとうございます。私も昨日のライブ、楽しかったです。
──11月にリリースの新作のミニ・アルバム『ONE FROM THE HEART』もワクワクしたし、凄くポップでキュンとしました。プロデュースはTHE STAR CLUBのHIKAGEさん。どんな流れで?
NICKEY:2月にHIKAGEさんのバースデー・ライブがロフトであって、ウォーリアーズも出て。私が急にHIKAGEさんにプロデュースをお願いしたいって思ったんです。それで打ち上げで、「35周年でCD出すんだけど、プロデューサーお願いできませんか?」って。そしたら「NICKEYに言われたら断れないな」って言ってくれて。すぐOKしてくれた。
──メンバーに相談もなしに?
NICKEY:どうだったかな。たぶんライブ見てパッと思いついて打ち上げでお願いしたんで、相談してないと思う(笑)。もちろん、メンバーも大賛成で。
──じゃ、NICKEYさんの直感で。
NICKEY:バッと閃いちゃった(笑)。でも改めて考えたら、HIKAGEさんはCLUB THE STARにいた頃からお世話になっていて。イベントとか一緒にやらせてもらったり。お兄さん的な感じだったんだけど、そんなに気軽に話したこともなくて。やっぱり大先輩だし、尊敬してるし。で、35周年ということもあったんで原点回帰と言うかね。そういう気持ちがあったのでHIKAGEさんしかいないって。私は王道のパンクと言うよりはポップなものが好きなので。私なりのパンクを追求したかったんです。