SNS上だけじゃなく、熱を感じたい
久保寺:『EMOTIONAL RIOT』は下北沢の飲食店など、さまざまな店舗に告知をご協力いただいています。皆さんもたくさんの人に曲を届けたい、ライブに来てほしいなど、告知については日々考えていると思うのですが…。
五味:告知…ね。最近、難しいですよね。昔はSHELTERの階段のとこでバーッとフライヤーを配るみたいなのがありましたよね。今、減りました?
川本:減りましたね。
五味:あと、前は魔法のiらんどとか出てきて。
威:ありましたね(笑)。
五味:(突然少年に)分かるか? お前ら(笑)。
大武:僕、いま魔法のiらんどで日記を書いてます…。
五味:書いてんのか!(笑)
藤村:すごいな、よく知ってるね。
大武:だんだん、いろんな魔法のiらんど内のコンテンツがなくなってきてて、僕が頑張らないとなと。
威:昔はteacupのBBSで「告知失礼します」とか宣伝してましたよね。
五味:あった! 告知だらけで全然面白くないっていう(笑)。やっぱ、告知に関してはみんなが気にしているメディアと言うか、ライブハウスとか現場でもそうですし。その時の主流の注目しているところに出していったほうがいいってのはあるんですけど、それがいま何なのか分からないっすよね。
久保寺:ツイッターなのか、インスタなのか…。今はツールがありすぎるし。
五味:みんな検索じゃないっすか? ピンポイントでその、たとえばuri gagarnを見たいのであれば検索して、オフィシャルを見て、ライブを見に行くと思うんで。ただそれって、好きな人に向けてしか発信できないんで。通りすがりの人にも届けることを考えたら、こういうフリーペーパーとか、ポスターとかでも目が届くかもしれない。どうしたらいいのかな? って普段から考えてますね。だから今日はRooftopで表紙をもらえるって聞いて、奈良から来たんですけど(笑)。
川本:ありがとうございます!
五味:いえいえ、呼んでもらってありがたいですし、せっかく表紙でやってもらえるんやったら、どこかで手に取って見てもらえるかもしれないと思ったので。
久保寺:知っている人たちに広げることも大事ですけど、不特定多数の人たちに知ってもらって衝撃を受けてもらうには、どこをどうやったらきっかけになるかが分からないですよね。それでもDIYじゃないですけど、今回は川本君と2人で出演者のライブに行ってフライヤーを手配りしているんです。ちゃんと手渡ししたら「面白そう」とか話しかけてくれたり、反応があるのが嬉しいんです。地道な作業だけど、このイベントはライブハウスが作っているからこそ、昔ながらの告知は徹底してやっていきたいんですよ。
五味:それぞれのバンドもイベントまでにライブがあると思うんで、バンドにも頼んでいいだろうし。
威:最近、対人間っていうのが希薄な気がして。今日もみんなに会えるのを楽しみにしていましたし、SNS上だけじゃなくて、もうちょい熱を感じたいっていうのはあります。最近、特にそう思いますね。知らない人に何かを届けるのは、簡単なことじゃないですけど。
五味:でも、あまり交わりがないと言うか、uri gagarnのツアーの時にいま来てるなって人をフックアップするみたいなの、毎回やってるよね? カネコアヤノさんとか。
威:ああ、羊文学とかニトロデイとか、気になる人をね。
五味:そういうの見てるとね、uri gagarnが呼んだのはどんなバンドだろう? と興味が湧く。だから気になるバンド呼ぶのをやってるの、いいなー、って。
威:実際、すごく刺激をもらえるんですよ。
久保寺:uri gagarn好きな人からすると、知らなかったバンドでもuri gagarnが推すなら聴いてみようと思いますよね。
藤村:『EMOTIONAL RIOT』に直接関係ないっすけど、海外のLIVE REC動画みたいなやつをAudio Treeとかで見てバンドを知るんですよ。それで調べて音源を買ったりするんですけど。そういうのを自分でもやりたいなーと思って、細々とYouTubeにチャンネルを作って上げたりしてるんですけど。
五味:そんなYouTuberみたいなことやってんの?
藤村:YouTuberって言うか(笑)、「NOROSHI SESSION」というチャンネルを作って。[註:URLはこちらです]
一同:狼煙〈のろし〉!(笑)
藤村:ライブが格好いいなと思う友達のバンドを呼んで、一発録りの映像をチャンネルに上げてって。新宿NINE SPICESのフロアを使って撮って、まだバンドが5個くらいしか揃ってないですが。
久保寺:いいね、それも最近の告知ツールのひとつだよね。
威:こういうインタビューもライブで配信してみるとか。
五味:分かりやすいね、現場感を伝えるには。
藤村:生身の人が唄って演奏している姿だけでも、曲を聴いてて距離が近くなるし、いいなーって思いますね。
威:この『EMOTIONAL RIOT』でも毎週誰かと誰かを呼んで対談させて、ずっとやっていれば動きが見えていいんじゃないかなと。
山﨑:うん、面白いっすね。
久保寺:じゃあ、配信をやりましょうか?
川本:それ、いいですね!
藤村:その際はぜひ「NOROSHI SESSION」をご利用ください(笑)。
五味:みんなここに出てる人らって自覚的にそういう活動をやってるし、チャンネル作るでもビラ撒きに行くでも何でもいいけど、ちゃんとユニティーすれば広がっていく気がしますね。