ストーリーを紡いできた突然少年が鳴らす音楽
昨年大きなフェスの舞台に立ち、大先輩とのツーマンや突然のドラム脱退など、いくつもの試練を乗り越えてきた突然少年がリリースしたミニアルバム『辺りを見渡せばきっと側に誰かいる』。今作は1曲ずつサポートに名だたるドラマーたちを迎えて、さらに各メンバーのソロ曲も収録されているなんとも突然少年らしい作品だ。今や箱バンと言っても過言ではないほど、下北沢SHELTERに出演している突然少年。ライブを見る度にその爆発的エネルギーに圧倒されるが、今作は音源からもそれがビシビシと伝わってくる。きっとそれは心の底から音楽が好きな彼らが「自分たちの音楽」というものが何なのか、ずっと向き合い続けてきたからこそ鳴らすことができる音楽だからだと思う。
「辺りを見渡しせばきっと側に誰かいる」というタイトルが物語っているように、いつだってその姿勢から逃げることなく一生懸命に音楽を鳴らしてきた日々が紡いだストーリーがこのミニアルバムにはたくさん詰まっている。聴いた人の背中を押すのではなく、一緒に頑張ろうぜ! と手を差し伸べてくれるような1枚。(下北沢SHELTER:ミズタニカナ)