飲み会ではっきり断らなかった人が初出演
──さるフェスはお馴染みの出演者が多いというイメージがありますが、実は初参加の人も結構いるんですよね。
おオはし そうですね。Curious*(キュリアス)とかワタナベイビー&ゴンドウトモヒコとか。下八(下田卓&ハッチハッチェル)も初出場です。意外な気もしますが。
──実際、さるフェスに出たい人って多いと思うんですが、どうやったら出れるのか気になります。
村山 利益が出るフェスではないので、正直なところ、知り合いにしか頼めないんです。
河井 我々のこの1年間の交友関係の成果がここに反映されるっていう面もありますね。
村山 前に谷川俊太郎さんに出ていただいた時は、その時ちょうど、しりあがりさんが一緒に絵本を作った時でした。頼むなら今しかない!みたいな。
おオはし 今年で言えば、画鋲(三宅弘城+宮藤官九郎+よーかいくん)がそうですね。しりあがりさんが一緒にお仕事されて。
村山 ようするに飲み会でお願いした時にはっきり断られなかったとか、考えておくって言ってくれた人が結果的に出てくださるパターンが多い(笑)
しりあがり 酒の席ででもなければ、こんなこととても頼めないよ。
河井 あと最近の傾向ですが、出演者の枠の中にいろいろなコーナーができて、その中で我々が把握してない人が出演するという現象が見られます。今年で言えば恥御殿の歌謡ショウとか。
村山 パッケージショーみたいな形でどんどんコーナーが独立している。
おオはし 数年前の深海エリアみたい。
村山 そう。ボクデスが深海エリアでカレー寿司なるものを勝手に売り出したのが最初です。本来なら出禁になってもおかしくないんですが、それがいまや深海エリアの責任者ですから。
──当時、クーデターって言われてましたよね。
河井 そんなにやりたいんだったら、もう全部任ようってことになったんです。
──ところで今年の課題曲は何ですか?
村山 今年は満を持しての「第九」です。天野天街さんの提案で。
おオはし 前回もそれにしたかったようなんですが、去年は「ヘイ・ジュード」でしたから。
村山 天野さん的には納得してなかったんでしょうね。
しりあがり 忸怩たるものが…でも「ヘイ・ジュード」は10回目しかできないからなあ。
村山 まあ、第九がどのように劇団さるフェスに取り入れられるのか乞うご期待です。
河井 あと今年の売りはメダルです。さよなら平成記念メダル。
おオはし 当日販売もしますが、プレミアムチケットの方は限定デザインとなってます。
河井 造幣局で作ってもらおうとしたら大変な値段がするので缶バッジになりました。
しりあがり それ、メダルじゃないじゃん!
村山 メダル風バッジです。

老いても楽しめるカッコいいロックフェスとは何なのか?
──では最後に、しりあがりさんから今回の意気込みを一言お願いします。
しりあがり 今年も豪華な出演者が盛りだくさんで、またすごい光景が見られると思います。実は去年(10周年スペシャル)で、さるフェスはやめどきを失っているから、これからどうなっていくのか誰にもわからないんです。高齢化にも対応しないといけないし。要するに自分達の未来のロックフェスの形を探っていくという意味合いもありますね。老いても楽しめるカッコいいロックフェスとは何なのか? それを実現する使命みたいなものが。
おオはし そして来年はいよいよ2020年。オリンピックイヤーですよ。
しりあがり ということは「さるフェスオリンピック」だね。
村山 また時事ネタですか・・・
しりあがり これからはスポーツ。俺たちはロックだけじゃないって所も見せないと。そうだ、ロフトで運動会やろう!
村山 老化防止のためにも身体を使えってこと?
しりあがり いや、身体を使うのもしんどいからさ。「走らない高飛び」とか「3メートル走」とか。あんまり走らないやつにしよう(笑)
おオはし テーマ曲は「天国と地獄」がいいな。
しりあがり 五輪のマークを勝手に使うと怒られそうだから六輪マークにするとか。真田家の六文銭みたいな。ほら、六文銭って三途の川の渡し賃だから、高齢化にぴったりじゃない?
おオはし そういえば六文銭ってグループありますよね?
河井 小室等さんが六文銭を再結成されたそうなので、是非出て欲しいですね。
しりあがり 「さるハゲフォークジャンボリー」だ。
──オリンピックとフォークジャンボリーってますます混沌としてきましたが、まずは今年のさるフェスが盛り上がるといいですね。
しりあがり でも11周年ってなんか中途半端な数字なんだよなあ。とはいえ今年は元号が決まる大事な年だから、みんなでいい新元号を考えよう!
村山 だからって絶対に採用してもらえませんけどね(笑)

(左から)しりあがり寿、村山章、おオはしさつキ、河井克夫