都内を中心に活動し、近年は地方公演にTVやラジオ出演も増えて、ますます勢いのある男女フォークデュオ・HONEBONE。阿佐ヶ谷ロフトではトーク&ミニライブを定期的に開催し、12月は彼らの3回目となる公演『クリスマス&大ボーン年会』を控えている。今回Rooftopのインタビューを依頼すると、「学生のころめっちゃ読んでました! めちゃくちゃ文字数多いですよね!」「めっちゃうれしー! いっぱい喋れる~!」とノリノリで挑んでくれたおしゃべり好きな2人の軽快なトークをご覧下さい![インタビュ--:タナカモエ(阿佐ヶ谷ロフトA)]
惰性から始まった!? 10年以上の活動
——まずは簡単な自己紹介からお願い致します!
EMILY:男女フォークデュオHONEBONEのボ—カル・EMILYとっ…
KAWAGUCHI:ギターのKAWAGUCHIです。
——(笑)。漫才のツカミみたいになってますね! さすが10年以上一緒に活動されてて息もピッタリです。
EMILY:まあ10年とは言っても、HONEBONEになってからは4、5年? なんにも考えてなかったから続けてるっていう。
KAWAGUCHI:今は違いますけど…惰性でしたね、ただの。
EMILY:ライブとか月に一本あるかないかだったよね。意味わかんないですよね、なぜかそれでメジャーデビューできると思っていて。
KAWAGUCHI:月一本で十分だと思ってたんですよ。でもプロ志向はあって。CDもチラシもHPもないのに。
——それはまたすごい…(笑)。当時のライブは自主企画とかですか?
KAWAGUCHI:いや、言われるがままに…。そしたら条件の悪いブッキングライブとかで、「チケットノルマ○○枚」とかザラで。でも、「はい! わかりました!」みたいな(笑)。
EMILY:ライブは(ノルマを)払って出るもんだと思ってて。でも人に、「音楽やってどうしたいわけ?」って聞かれて、「稼ぎたいっす!」って答えて、じゃあ今の状況まずくない? と。それキッカケで急に焦ってやりだして。
——いまはもうガンガンライブを開催してますよね。
EMILY:うーん、でももっと増やしたいよね。月5…。
KAWAGUCHI:本当か?(笑)
EMILY:5!!! やりたいやりたい。稼働してたいですよ。でも平日はお客さん来づらいし…難しいところですよね。
自意識に真摯に向き合う”バンドマン”
——明日にファイナルを控えた今回の東名阪ツアーは各所どんな印象でしたか?
EMILY:前回のワンマンツアーより集客も増えたし、ライブハウスもちょっとずつですけど大きくしてて。私たち急にキャパを大きくするの怖くて…まわりからみてどうなの? って感じかもですけど。でも実は来年の5月に代官山UNITを押さえまして…。
——おお~~!!!!
KAWAGUCHI:押さえてしまって…(笑)。これが僕らの初めての勝負です。
——いやいやでも大箱でライブやれるなんてファンの皆さんからしても嬉しいんじゃないですか?
KAWAGUCHI:まあ、そういうわかりやすいことをしていった方がいいのかもしれないなと。
EMILY:間違ったプロ志向に気がついてから、ずっと何年も卑屈になっちゃってたけど、振り返ってみると2018年は夢のある仕事を何本かやらせてもらえたので、それをみると、なんか夢を持ってもいいか! と。お客さんにも、「武道館? ウチらには無理っすよ~」とか、「紅白? ちょっとやめてくださいよ~」とか恥ずかしがっていってたんですど、これからは言っていこうと。もっとお客さんが応援しやすい環境をつくっていこうと決めたんだよね。
KAWAGUCHI:そうそう。お客さんが言ってくれてるのにウチらが、「いやいや〜」とか言ってたら失礼ですし。
——卑屈になってた、とありますが、以前にも、「ミュージシャンなんて名乗れないからバンドマンって言いたい」っておっしゃってましたよね。
KAWAGUCHI:(笑)
EMILY:それも! ちょっと最近とれてきて。
KAWAGUCHI:僕らの中にも段階があって。最上級に恥ずかしいのは『アーティスト』なんですよ。次に『ミュージシャン』で、しっくりくるのが『バンドマン』だったんですね。でも最近はもはや、ミュージシャン飛び越えてアーティストって言うようになりました!(笑)
EMILY:私もシンガーとか言い出した!(笑) 意地はって、「バンドマンっす!」とか言って、「えっ? どういうこと?」って空気もたまにあったし(笑)。
KAWAGUCHI:まあバンドでもないしね。
——でもそうですね、バンドっていうと、ついもっと大所帯を想像してしまいますね。
EMILY:そう! 「じゃあ何人いるの?」とか聞かれたり。でもこれはよく話しているんですけど、竹原ピストルさんがバーンって売れてくれたおかげで、アコースティックやってるっていうのが伝わりやすくなって。どんな音楽やってるの? って質問に対して、「別物だけど、竹原ピストルさんみたいになりたい」って言うとギター本と歌でやってるっていうのが伝わりやすくなるんですよね。弾き語りシンガーソングライターでもなく、バンドサウンドでもなく。
KAWAGUCHI:竹原ピストルさんとエド・シーランのおかげだね。
EMILY:市民権を得てきたね。居心地よくなってきた。
KAWAGUCHI:もっとわかりやすくしたいですけどね。写真一枚見ただけ、CD一枚聴いただけだと、しゃべりまでは想像つかないし実態がわかりにくいので、いろんなところのライブに出て行きたいってのがありますね。
EMILY:なのでライブもメディアもいっぱい出たいですね!
トークもできるミュージシャン
——そういえば先日は地方でもトークライブを開催されてましたよね!
EMILY:トークライブ自体はもともとパッと思いついて、暇つぶしに始めたんですけど、制作期間のタイミングかなんかに私のやることがなくて。…フリーランスってやることがないと病むんですよ!
——ヒマって病みますよね(笑)。
EMILY:本当に! だからそれに陥らないために、自発的にやってるつもりになるために始めたんですけど、最初15人だったのが30人になり、いま5、60のキャパでできるようになったので、地方でもやってみるか! という気になって。トークライブはやってて面白いよね
KAWAGUCHI:いやー、本当に楽でいいですね、トークライブは。
EMILY:楽だよね(笑)。
——そうなんですか!?
KAWAGUCHI:こんなこというとしゃべりで稼いでる人に怒られそうですけど。
EMILY:音楽のライブと違って、まったく緊張しないからね。
KAWAGUCHI:まったくしないね。阿佐ヶ谷ロフトさんでも歌なしで成立させたいですね。
EMILY:いいわけみたいな感じで歌パートいれてるからやめたいですね!(笑) トークだけで成立させたい。でも最初、阿佐ヶ谷ロフトさんからオファー来た時、めっちゃ嬉しかったです。
KAWAGUCHI:めっっっちゃ嬉しかったね!
EMILY:めっっっっっっっちゃね!(笑) もう、ううぇえぇえぇ~~~~!?!!? って感じだったよね。絶対関係ない場所だと思って生きてきたから。
KAWAGUCHI:まさかね。出られないと思ってたから。
——ええ~! 嬉しいです。出られないなんて、こんなに近くにいたのに。(※HONEBONEの2人は高円寺出身)
EMILY:いつも看板を見て、いいな~って。だから最初に出られた時、けっこう感無量でした。いっぱい出演されてる方がいますけど、私たちの周りでロフトさんに出るような人はいなかったんで、やったった感はありましたね。
KAWAGUCHI:まあね、地元でできたっていうのもでかいよね。
——それはやはりライブを精力的にやってきたからこその…ですよ! 実は自分がオファーしたきっかけも、タワーレコードで働く友達から、「HONEBONE、歌もしゃべりもいいよ!」ってオススメされたのがきっかけなので。
EMILY:え! そっからなんですか?! そういうの一番うれしい! スタッフさんに褒められるの嬉しいです。
KAWAGUCHI:玄人ウケしたいよね(笑)。
2019年のHONEBONE
——次回作についてお聞きしてもいいですか?
EMILY:進め…ます! 来年の春にアルバムを出す予定なので、それに伴ったワンマンが先述の5/18の代官山UNITなんですけども、リリースして、ワンマンを埋める! という。全国流通もかけたいし、ちょっと規模を大きくしたいですね。
——どんなアルバムになりそうですか?
EMILY:今まで暗い暗い言われてきたんですけど、そんなことないんじゃないかなあ、今後。
KAWAGUCHI:エミリの昔の日記を元ネタにして、歌詞を書いていたんですけど、正直出尽くしてるんですよね。だから次のことも考えていて、またちょっと違う感じになるんじゃないかと思いますね。
EMILY:もっと日常に密着した歌詞も書きたいし、「え、そこ気にする?」みたいな歌詞も書いていきたいし。コンビニの店員に切れる歌とか(笑)。器ちっちゃ! みたいな(笑)。
KAWAGUCHI:NHKの番組に出させていただいて、人の話を聞いて、歌詞を作るって企画だったんですけど、それが今までやったことがないことだったので、なるほどな、こういう作り方もあるんだな、と。
EMILY:そういうのもやっていきたいよね、お題もらったりインタビューしたりして。
——じゃあ試験的というかチャレンジなアルバムになりそうですね。楽しみです!
EMILY:頑張ります!
KAWAGUCHI:また痩せちゃうかもしんない…。
——(笑)。応援してます! ありがとうございました!