チケットの動きが鈍いのを打破するには?
豪:ロフトフェスっていうのを簡単に説明しますと、毎年けっこうなメンバーを集めた豪華なイベントのはずなんだけど、なぜか不思議とチケットが売れないんですよ。
眉村:チケットが売れないから宣伝部長が必要なんですね。なるほど、なるほど。
豪:「チケットが売れなくて困ってるんです」と、いつも石崎さんから相談を受けてますから。
──たしかに毎年、豪さんに相談してますね(笑)。
豪:「そもそも川崎が遠いんですよ」って毎年言ってますけど。
──新宿のお祝いを川崎でするのがダメなんですかね?
豪:1年目はボクが2階でトークをやったんですけど、そのスペースがまったくトークに向いてなくて。音が反響しまくって、前の3列くらいしか話が聞こえないんですよ。
眉村:エーッ、ダメダメじゃないですか!
豪:音の返しがなくて、出てるほうも声がよく聞こえないから地獄でしたね。2年目はさらに文化レベルを増して、1日目がトーク中心で、ボクはJさんと一緒に司会進行をしながら『サブカル有識者会議スペシャル』に出たんですね。2日目がライブ中心で、有頂天とかオーケンさんとかが出て。1日目に出たのはそれぞれ1組だけでプラスワンを余裕でソールドアウトできる人たちなのに、チケットが全然売れなくてBiSHとかが追加になったんですよ。
眉村:エーッ!
豪:追加でBiSHってなんだよ!? って話ですけど(笑)。
──初動で70枚くらいだったんですよ。阿佐ヶ谷ロフトAでできるレベルです(笑)。
眉村:(2015年のフライヤーを見ながら)玉袋筋太郎ってすごい名前ですね!
豪:いま生まれて初めてその字面を見たんですね(笑)。2年目の2日目は、2階でボクがいろんなゲストを相手にトークをしていったんですけど、それがけっこうおもしろかったんですよ。
──1階のライブが終わったミュージシャンが2階に来て、豪さんとどんどんトークをしていくという、百人組手みたいな感じでしたね。
豪:これは楽しくてやりやすいと思ってたんですけど、3年目はガラッと方向性が変わるんですよ。当時、大ブームだった生ハムと焼うどんの人気に便乗して『大生うどん食堂』というタイトルになったんです。フライヤーにはロフトフェスの文字すらありませんからね(笑)。
眉村:これは酷いですねー!
豪:もっと酷いのは、生ハムと焼うどんと何の接点もない人たちがいっぱい出てるんですよ。恐ろしい!
眉村:ロフトフェスって名前を捨てたんですか?
豪:捨てましたね。さらに恐ろしいのが、このイベントを組んだ時点で生ハムと焼うどんの2人がギクシャクしていたという。楽屋にだいぶ緊張感がある状態でしたからね(笑)。
──楽屋でリアルに揉めてましたからね(笑)。
豪:そうそう。ロフトフェスはそういう恐ろしいイベントなんです!
眉村:どうしよう! 宣伝部長なんて引き受けちゃって!
──いや、まだこれからですよ! あと1カ月ありますから!
豪:4年目の去年は、毎年出ていたボクがついに酷い扱いを受けるようになったんです。ボクと里咲りさ社長と絵恋ちゃんの3人が総合司会で、いろんなバンドと話せるのかなと思ったら、トークでいじってほしくない人たちが意外といたみたいで。絡めないバンドもいたし、絡めても5分くらいしか時間がなかったんです。お互いに得しない感じの長さで、けっこう辛いイベントだったんですよ。さすがにめげて、イベントが終わってから「ボクが奢るのでメシでも食いに行きましょう」って里咲社長と絵恋ちゃんを誘いましたからね。2人とはそれまで何度も共演してるのに、そんなこと初めてでしたよ。「今日は辛かった…」って思いを3人で共有して(笑)。
眉村:エーッ! かわいそー! なんか辛い話しか出てこない!
──豪さん、お手柔らかにお願いします(笑)。