5月18日(金)から6月10日(日)までの毎週末、LOFT9 Shibuyaにて開催される『SPA!フェス』。みうらじゅん、リリー・フランキー、千原ジュニア、SKE48、小林よしのり、猫組長&西原理恵子、乙武洋匡など新旧連載陣が登場するイベントを全12日・15公演にわたって展開。さらにカフェスペース(CAFE9)では、『SPA!』30年の歴史を振り返るギャラリーも実施される。LOFT9 Shibuyaにとっても初めての試みとなる『SPA!フェス』についてを『週刊SPA!』編集長の犬飼孝司に、そして6月10日(日)に開催される『バカサイナイト(仮)』出演の天久聖一、椎名基樹、せきしろのお三方に『SPA!』との思い出を語ってもらった。[取材・文:石崎典夫(LOFT9 Shibuya店長)/構成:椎名宗之/写真:植松千波]
一番最初のバカサイは自作自演だった
──まず、今回の『SPA!フェス』の趣旨から聞かせていただけますか。
犬飼:『週刊SPA!』の創刊30周年ということで、最初は30日連続でイベントをやりたかったんですけど、さすがにそれは無理だなという話になって。それで5月の中頃から6月の頭にかけてロフト9の毎週末のスケジュールを押さえさせてもらって、本誌の連載陣の方々を中心としたトークライブをやることにしたんです。それと、場内でパネル展示もやりながらこの30年を振り返ってみようと。イベントとWEBを連動させながら、30年経っても『SPA!』はまだまだ元気があるぞ! ってところを発信していきたいです。バカサイの皆さんには『SPA!フェス』のトリを飾っていただくことになりまして。
──その『SPA!フェス』を代表して、今日はお三方にお集まりいただきました。
椎名:なるほど。なんか僕らで申し訳ないですねぇ…。
──バカサイは1993年から連載が始まって、今年で25年。そもそもどんな経緯でコーナーが始まったんですか。
天久:最初は僕が八幡雅彦さんというライターに誘われたんですよ。何人かで部活みたいにわいわい楽しく投稿欄をやりたいってことで。それでお互い1人ずつ声をかけて4人でやりましょうってことになって、八幡さんがライターの山田ゴメスさんを連れてきた。僕はちょうどそのころ椎名と知り合って仲良くなったばかりで、彼に声をかけたんです。投稿ページと言っても最初は投稿のハガキがないので、連載当初は自分たちで全部ネタを作る自作自演だったんですよね。
椎名:完全にやらせだったよね。
天久:適当なペンネームを自分らで作ってね。そういうやらせ投稿コーナーでもいいと思ってた。もともと投稿欄のパロディみたいなことをやりたかったし、自分たちでネタを書くのも好きだったし、別にハガキが来なくても困らなかったんだよね。でもわりとすぐに常連さんや職人さんがつくようになって、順調に回りだしたんです。
犬飼:どれくらい自作自演を続けていたんですか?
天久:1、2カ月はやったかな。コーナーの方向性やノリみたいなものを自分たちで作って見せる必要もあったんですよ。当時の椎名は『電気グルーヴのオールナイトニッポン』の構成作家をやっていて、歳も一緒だし、笑いのセンスも近かったんです。だから最初からバカサイらしいカラーは出せてたと思いますね。
──せきしろさんはどんな形で参加することになったんですか。
椎名:彼はもともと二代目チャンピオンなんですよ。
せきしろ:いや、三代目です。入れてもらったのは1994年ですね。
天久:編集部の選評会議に遊びに来るようになって、その流れでね。
犬飼:当時は何をされていたんですか?
せきしろ:伊集院光さんのラジオ番組で作家見習いしていたのをやめて、椎名さんからエロ本の仕事をいただいたんですよね。本の名前は忘れましたけど。あれが入るきっかけと言えばきっかけですね。
椎名:せきしろとは当時ニッポン放送でよく会ってたよね。正式に入る前から何回か作りネタを書いてもらったこともあったし。
天久:そうなんだ? 椎名と面識があったから編集部に遊びに来てたわけか。
せきしろ:何もやることがなかったからじゃないですかね。バカサイの選評会議に出向いたのが、僕の人生の中で唯一自分から動いたことなんです。
椎名:当時はまだバブルの名残があってさ、入稿する前にものすごい飲み食いしてたじゃん? その場にせきしろもいたってことだよね。
せきしろ:はい。あれはすごく助かりました。
天久:当時の編集部は曙橋にあって、その周辺の店で休憩と称してさんざん飲み食いしたよね。入稿が終われば六本木の安いキャバクラに通ってね。
椎名:そうそう。飲み食いもキャバクラも全部編集部持ち。タク券も編集部にいっぱいあってさ、たまに盗んでたよ(笑)。でもね、俺たちは当時から訳のわからないことをやってたから、編集部から隔離されてたんだよね。
天久:今でもそうだよ(笑)。編集部内で何が起こってるのか全然わからない。今も昔も隔離されているよね。