2022年に完成し、その後2026年まで上映の機会はわずか一回。その一度の上映を見た映画監督・平野勝之が「このまま埋もれさせるにはあまりにも惜しい」と人から人へバトンが繋がり公開が決まった、“遅れてきた”青春映画『焼け石と雨粒』。
監督は、日本映画大学出身の櫛田有耶。奇妙な関係性の中でもがく純粋で傲慢な若者たちに自らの失恋経験を投影した75分の衝撃作。
主演は『SUPER HAPPY FOREVER』(監督:五十嵐耕平、2024年)で映画ファンの心をわしづかみにした佐野弘樹。狂気をはらんだ不器用な“クズ男”を演じ、比嘉碧演じる元同級生との、“不穏な関係”を紡ぎ出す。
主演を務める佐野弘樹はこれが初めての長編主演作でもあり、監督の櫛田有耶にとっても初の長編作品となる。
完成から4年にして初の本格的な劇場公開、そこであらためて“見つかった”ポレポレ東中野での上映を終え、5月29日(金)からアップリンク吉祥寺、6月19日(金)からアップリンク京都、6月20日(土)からナゴヤキネマ・ノイと大阪第七藝術劇場での公開が決定。各劇場での主演・佐野弘樹の舞台挨拶も行われる。
メンヘラ恋愛地獄。そういう言葉がこの映画には似合う。登場人物のすべてがどこか欠落していて誰かに依存する生活を送っている。こういう登場人物ばかりだと物語は動かないのでは、と思っていると次から次に悪いことが起きて取り返しのつかないことになる。それもみっともない人間にお似合いの、カタルシスのない悲劇。
客と店員という関係性でしかない女性をストーカーしてしまう男、息子と友人のように接するシングルマザー、不倫関係を清算できないでいる女。各々が問題を抱えており、その人物が絡みあってどんどん事態は悪い方向に進行していく。それもどう見ても自業自得であって、悲恋というより『愚恋』。人間の悪足掻き、言い訳、生き当たりばったりなつけ焼き刃を観させられる。
身につまされるような気分になりつつも爽快感もある。それは自らの体験を基にしていると語る監督の観察力と演出力だろうか。(鶴岡法斎)
Live Info.
焼け石と雨粒
©2026 焼け石と雨粒
【出演】佐野弘樹、比嘉碧、美智、
福田雄一、小池首領、逢坂由委子、松本さえ子、豊満亮
【監督】櫛田有耶
【音楽】コーノ(ガウディーズ) 【脚本】櫛田有耶、細井健介
【編集】榎本雪子 【助監督】高野悟志 【撮影】木村洸太
2022年 / 75分 / ビスタ / DCP / 日本 配給・宣伝:ハマジム 映倫G
2026年
4月11日(土)ポレポレ東中野公開(24日(金)終了)
5月29日(金)~アップリンク吉祥寺(主演・佐野弘樹舞台挨拶)
6月19日(金)~アップリンク京都(主演・佐野弘樹舞台挨拶)
6月20日(土)~ナゴヤキネマ・ノイ(主演・佐野弘樹舞台挨拶)
6月20日(土)~大阪第七藝術劇場 (主演・佐野弘樹舞台挨拶)














