新宿LOFTでの思い出
——新宿LOFTの思い出を1つずつ教えて下さい。
椎名:俺が一番LOFTとは関連性が低いのかな。元々LOFTとは縁がないまま、デビューしてから17年くらい活動してて。もちろんLOFTって名前は伝説的な名前だから知ってたんだけど、やることがないままだったんだよね。そんな時に中島卓偉から誘われて、LOFTに立って、すごくいい小屋だなって思ったのが第一印象で。しかもある場所がいいなって。歌舞伎町にあるっていうのが、自分の中では相当なロックだなって思ってて。俺のファンって、歌舞伎町に来るようなタイプはあんまりいないから、そこに勇気を持って歌舞伎町に飛び込んでくるファン達がすごく面白くて。「今から私はロックを聴きに行くんだ」っていうスタンスで新宿を歩いたのかなって思うと、すごく面白くて。いつもは僕は赤坂や渋谷でやることが多いので。新宿の、しかもそれが歌舞伎町で、僕の中では東京の中で一番混沌としている町で、縮図というか東京のギュッとしているようなところだと思うから。そんな場所にある小屋だからこその、いろんな伝説って生まれたんだと思うし。それで卓偉とのライブがあった後に、元BOØWYの高橋まことから、直々にボーカルをやってくれないかってバンドに誘われて、JET SET BOYSっていうバンドを組んで。BOØWYが最初は数人しかいなかったお客さんの前でLOFTでライブをやってたっていう話を聞いた時に、JET SET BOYSの一発目のライブの小屋は、絶対にLOFTじゃなきゃダメだねってなって。高橋まことがBOØWY振りにバンドとしてLOFTに帰ってくるっていうのに立ち会えたこと、それのフロントマンとして歌えたことっていうのが、僕の中で一生忘れられない思い出になったし、その場所でもう一度こういう形で、先輩面するわけではないですけど、年齢的に素晴らしい後輩達と一緒にまたLOFTに帰ってこれる。こういうことが定期的に、今後もまた続いていけばいいなと僕は思います。
一同:拍手
松本:僕は、どうしようもないことしか言えないんですけど…。
椎名:どうしようもないことでも何でも言ってよ!
松本:ここでの思い出は、やっぱりイエガーマイスターの記録を作ったことです。
椎名:何それ?(笑)
涼木:聞いたよ! 明人くん、めちゃめちゃ飲んだんだってね(笑)。
松本:それまでもツアーファイナルやワンマンとかでお世話になってたんですけど、その時はイエガーマイスターを冷やす機械がたまたま入ってすぐの時だったんです。で、イエガーマイスターを1杯飲むごとに、パキって折ったら光るサイリウムのブレスレットをもらえて、「やったー!」って(笑)。それが欲しくて。その時の打ち上げで3人くらいで飲んでて、128杯飲んで、サイリウムをいっぱい付けて。
一同:(笑)
椎名:どこの民族だよ!(笑)
涼木:えっ! 128杯!!
松本:そう。イエガーマイスターの在庫もそこでなくなっちゃって、128杯が一番の記録だったみたいで(笑)。僕のその年の誕生日はここ(LOFTのBAR)でイベントをやってくれて、 “イエガーマイスター1年間無料券” っていうのを、店長の大塚さんから戴いたっていう。
椎名:素敵じゃないですか。全然素敵な話でしたね(笑)。
松本:それが一番の思い出ですね(笑)。
椎名:器ってちっちゃいやつだよね?
松本:そうです。試験管みたいなやつです。
椎名:だよね。だからサッといけちゃうんだよね。あれを128杯! すごいね〜。
松本:あと、LOFT系列の下北沢SHELTERでのことになるんですけど。冬に真空ホロウがツアーをやるんですけど、そのツアー・ファイナルの下北沢SHELTERの対バン相手が、椎名さんなんです!
椎名:あ、有難うございます(笑)。
松本:12月7日です!
椎名:それも載せておいて下さい! すみません(笑)。何かと思って、びっくりしたわ!
一同:(笑)
松本:僕、SHELTERもLOFTもオーディションから出てるんで。
椎名:オーディションがあったんだ。
松本:はい。お昼にやるんです。
椎名:分かる、分かる。あー、そうなんだね。面白いね。是非、涼木くんもLOFTの思い出を語って!
涼木:僕は、バンドの駆け出しの頃は、歌舞伎町のライブハウスへの出演が多くて、この辺は庭ってわけではないですけど、毎日うろうろしているような町だったんですね。でもLOFTさんは、殿堂というか、駆け出しの奴らからしたら敷居が重厚な門構えで、なかなかステージに上がれなくて、目標でもあった場所だったんです。若い頃から何度か出演させてもらってるんですけど、Yetiとしてこの前(8月27日)のツアー・ファイナルのワンマンライブで使わせて頂いたりして。僕の個人的なLOFTさんの思い出なんですけど、Yetiという今のグループの前のグループの時に、ニューロティカさんと2マンライブをさせてもらって。
松本:すごい!
涼木:僕、ニューロティカさんが大好きだったんで、大好きな場所で、しかも殿堂の方と2マンだって思って、ボーカルのあっちゃんさんにお願いして、白塗りで星が描いてあるピエロのメイクをやりたいですって言ったら、あっちゃんさんが僕の顔にそのメイクをしてくれて。あの顔のボーカル同士で2マンライブをするっていう。20代前半の頃に、有名な方々と共演するのって楽しいって感じて。だから今回の3マンも、明人くんは元々昔から大好きだったアーティストさんだし、明人くんもさっき言っていたけど、椎名さんは当時はブラウン管の中の方だと思ってたんで、今現在も恐れ多く感じる方なので、LOFTという殿堂な場所で、殿堂な方と大好きなアーティストさんとの3マンがすごく楽しみです。