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INTERVIEW

トップインタビュー景夕&タイゾ(Kra)×結&LiN(ユナイト)【完全版】

新宿LOFTの40周年企画で11月15日に2マンを行なうKraとユナイトのスペシャル座談会を決行!!ついに全文公開!

2016.11.11

作曲に関して

——では、タイゾさんとLiNさんに作曲に関してお聞きしたいのですが、普段から曲を作り溜めしてますか?
結:LiNさんは作り溜めのプロですもんね!(笑)
LiN:俺、曲を作るのがめっちゃ遅くて。いっつも、俺、締め切り過ぎてから本気を出すんですよ。
一同:(笑)
LiN:悪気はあるんですけど。
——悪気はある!?
LiN:はい、お尻を叩かれないと何にもしない人で。普段から「こういう曲を作りたいな」って作るとかがなくて。ドラムレックの前日とかに曲ができたり、歌録りの前に歌詞ができたりとかばっかです。
結:BEST OF LiNは、ドラムの莎奈くんが当時はまだ大阪にいて、レコーディングのために新幹線で東京に来るんですけど、その新幹線の移動中に曲を聴いてドラムを覚えるっていう奇跡的な記録が(笑)。誰にも塗り替えられない(笑)。
一同:(笑)
結:けど期待しちゃうんですよ、こっちも。めちゃめちゃいい曲を作ってくるんで。「LiNさんなら、LiNさんなら」って思ってギリギリまで(笑)。
LiN:なんかみんなその期待があるらしくて、みんなちょっと優しいんですよ。「まだ待とう、まだ待とう」って。
一同:(笑)
——ギリギリまで待ってもいいくらい、いいものがくるってことなんですね。
結:そうです。
LiN:でも最近は、早く作ることを心掛けてます。
結:前よりは早くなったよね。
——タイゾさんは?
タイゾ:俺は結構、思い立った時に作るタイプですね。お風呂でシャンプーとかしてる時にいいメロが浮かぶと、とりあえずiPhoneのところに走って行って鼻歌を入れておいて、お風呂から上がった後にパソコンで形にしたりとか。その時にいいなって思ったのをパッケージしておきたいんですよね。個人的に、直前で作った曲があんまりいい曲ができないジンクスがあるんで(笑)。選曲会が1回終わって、「こういう曲調が足りないから、みんな作ってきて」って言って作ったやつって、俺の曲は全然よくないんです。普段、自然と出てくるやつの方がいいんですよね。何でか知らないんですけど。
——タイゾさんって、学生の時に夏休みの宿題を前もってやるタイプですか?
タイゾ:いや、それは前日でした。
LiN:嘘!
結:ちゃんとやってそう〜。
タイゾ:興味がないことは、本当に適当なんで。
LiN:俺は当日までもやらなくて、当日、提出してあるノートの名前を自分の名前に変えてました。一番、効率がいいんです、それが。
一同:(笑)
 
 

刺激を体感するために

——歌詞や曲を生み出していくことを長年続けていくと、新しい刺激とかが大切かと思うんですけど、そういった刺激を体感するために何かしていることや心掛けていることはありますか?
景夕:ありますね。ゲーム!
一同:(笑)
景夕:アニメとかも。やっぱり、俺は普段、人とあんまり接しないんで。接しても、そんなに根深くならないじゃないですか。事件があるとかでもないし。それを手っ取り早く、感動的に与えてくれるんですよ。
——ゲームからは何を得られるんですか?
景夕:まずゲームって、ストーリーがあるじゃないですか。RPGだったら戦闘もあるし。その場面場面の音楽っていうのがあって、「こういう時にはこういう曲が、すごくブワって来るな」っていうのとか。ストーリーを自分の中で立てるにしても、例えばデモ曲が来ましたってなったら、「こういう感じの雰囲気って、あのアニメのエンディングっぽい感じだな」とか、そういうのがあると、そこから「あのエンディングは確か、何かから逃げてる感じの曲だったな。でもそれって、自分を見つけて欲しい、助けて欲しいってところまで繋がるだろうな」とか、そういう連想ゲームから入っていくことが多いんで。だから俺は、ゲームとかアニメで、その時の臨場感はどういう感じなんだろうっていうのを得るようにはしてますね。
——タイゾさんは?
タイゾ:お笑いを観ることですね。漫才だったら漫才の流れってあるじゃないですか。その流れが楽曲の流れとたまにリンクすることがあって。「あっ、そんな流れもあるんだ」っていうのを、たまにお笑いを観てると感じることがあって。だからお笑いを観てる時は、知らないうちにインスピレーションみたいのを受けてるかもしれないです。あと、刺激を受けるために違う人の音楽を聴いちゃうと、俺の場合は影響され過ぎちゃうんで、あんまり作曲の前にいろんな人のを聴かないようにはしてます。
——結さんは?
結:僕も映像ものが多くて。ドラマがすごく好きで、演じることもやってみたいなって思ってて。今でも機会があったら、そういうことをしてみたいなって思うんですけど。なので、普段からアニメも観たりするんですけど、主にドラマとか、映画とかをよく観ていて、その中で最近特にいろいろ感じることが多いんです。この前、ツアーの裏ファイナルで沖縄に行った時に、街の風景を観ていて、そこで普通に何気なく琉球の音楽が流れていて、「この風景はきっと琉球の音楽が流れてくれているおかげで、よりその観光感とか、沖縄の雰囲気を出してくれているんだろうな」っていうのをすごく感じて。そういうのもやっぱりドラマとか映画を観ている時に感じることが多くて。例えば、ドラマを観ていて、臨場感ある場面で、この音楽がなかったらどういう風に感じるんだろうとか。
LiN:そういうことを考えるんだ。
結:うん、最近特に。
LiN:すごい!
結:で、音楽の与える影響力ってすごいなって、そういう時に実感したりだとか。『紙の月』っていう映画があるんですけど、お金の話で、銀行員の女性が最初は1万円くらいの横領だったんですけど、気付かない内に多額の金額を使って、最後は見つかって破滅してしまうっていう物語なんですけど、その1シーンで必死に自転車をこいでいるシーンがあって、そこで音楽が何もなかったんです。ただひたすらこいでいるシーンで、「ここはあえて音楽を使わないことによって、より主人公が焦っている状況を作っているんだろうな」とか、そういういろいろな感覚をドラマとか映画を観ると得られるんです。なのでそういうのを結構観ますね。
——私もよくドラマを観るんですが、そういうことを考えたことがなかったです(笑)。
結:昔はそういう風には観なかったんですけど、ユナイトを始めてからそういう見方をするようになった気がしますね。
——自然とですか?
結:そうですね。バンドをやっていく上で、多分自分の心境に変化が出てきたんだろうなって思います。
——LiNさんは?
LiN:俺はタイゾくんと逆で、曲を作る上では、いろんな音楽を聴くようにしてますね。…あんまり分かんないですね、適当に作ってるんで、いつも。
——適当ってどういう感じですか?
LiN:曲を作らなきゃいけないってなった時に、なんか適当に作っていくんですよ。うちはメンバー全員が曲を作るんですけど、始まった時からちょっとした役割って言うか、最初はリーダーの椎名未緒さんがメインコンポーザーだったんですよ。バンドの伝えたい気持ちとか、表題とかの重要な曲は椎名未緒さんが結構作っていて、ユナイト的な王道があるから、俺はそこじゃない遊び心のあるって言うか、そういう意味で結構いろいろ適当に作ったりしてるんですけど…。何の話をしてるんですかね、今。
一同:(笑)
結:今のところ、いいよ!
LiN:いい感じ? 質問は何でしたっけ?
——作曲とかをする上で刺激を得るために何かしてますか的な。
LiN:なるほど、なるほど。いろんな音楽を聴くのと、自分の曲は自分で歌詞を書くみたいなちょっとしたルールって言うか、別に決まってはないんですけど、自然とそうなっていて、ユナイトって。椎名未緒さんは、生きることに関してとか、バンドが続くことに関してとか、結構真面目な歌詞で。結さんも結構、王道と言うか、そういうものを作るんですよ。なので、歌詞の部分でも変なところを出さないといけなくて。みんな結構格好いいことを言ってるから、そうではないことを言いたくて、俺は。それで手っ取り早いって言うか、ロックバンドだし、不平不満を結構分からないようにして歌詞にしてるんですよ。誰かの悪口とか、あとはムカついたそのシーンだけを1曲にしちゃったり。なので、日頃から感情表現を豊かにしてます。ちょっとしたムカついたことでも、めちゃくちゃ腹を立てたり。だからすごい子供っぽいっていろんな人に言われるんですけど。
——あえて大きく?
LiN:多感振ってます。
——無理に感情を押し殺さないみたいな感じですか?
LiN:あっ、そうですね。嬉しいことは嬉しいし、楽しいことは楽しいし。基本的にHATEな曲が得意なんですけど、すごくムカつく大人とかがいたら、そいつが言っていることをメモったり、特徴とかをメモったり。
結:大丈夫か?(笑)
——これを読んだ人が…(笑)。
LiN:いや、いいんです。俺は綺麗なものだけじゃないってことを伝えたいんです。そういう曲があることによって、結さんとか椎名未緒さんが作る曲が、また輝くと思ってそういう曲を作ってるんで。だから多感振ることですね。
 
 
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SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY 40YEARS×40LIVES
master+mind 〜Sense of Pulse #12〜
2016年11月15日(火)
OPEN 18:15 / START 19:00
前売り 3800円 / 当日 4300円(共にD別 / 未就学児童入場不可)
【出演】
Kra / ユナイト(50音順表記)
【チケット発売】
LOFT店頭(Bチケット)・e+(Bチケット)・ローソン(Cチケット/L:74084)にて発売中!
【入場順】
Aチケット(受付終了)→Bチケットの並列→Cチケット
【主催・企画・制作】
新宿LOFT / master+mind
【会場 問い合わせ】
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