Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー「宮川企画」宮川(Rooftop2016年6月号)

ピック1枚でバンドを始めるきっかけをつくれるじゃないですか。

2016.06.01

 「個人イベンター」という形容が正しいかは分からないが、仮にそういう名称があるとして、それに準ずる人たちの中で、最先端にいるであろう男がいる。男の名は宮川。宮川企画「マイセルフ,ユアセルフ」なる公演名を、ライブハウス界隈が好きな方なら一度は目にしたことがあるはずだ。タワーレコードとのコラボ展開、そして6月10日・11日に下北沢SHELTERにて開催するライブの度肝を抜くラインナップ...宮川企画とは、何なのか? その歴史に深く関わる竹原ピストルの存在。「個人イベンター」宮川氏を掘り下げてみようと思う。イベントを制作する、出演者を招聘する、というニッチ過ぎる分野に興味がある方には是非、一読いただきたい。
[ interview:義村智秋(下北沢SHELTER)]

イベンター宮川の誕生

—そもそも、どういうきっかけで企画をはじめることになったのですか?
宮川:一番最初のきっかけは、音楽の専門学校時代に、グループでライブ制作をする授業があって。そこでPAN、ピンクリボン軍を呼んだのですが、それが凄く楽しくて。
—結構正当な流れで始まったのですね(笑)。
宮川:そうですね。音楽がやりたくて上京して学校に行っていたので。同じころに下北沢BASEMENT BARでバイトをしていて、そこでもイベントを組ませてもらったりしていました。
—なるほど。はじめてライブ制作したときに苦労したことは?
宮川:本当になにもわからないし、上京したばかりで友達もいなくて。宣伝もどうして良いかわからず、ただひたすらフライヤーを配っていました。学校のイベントなので金銭の負担はなかったんですが、実際は赤字でしたし、大変だったのを覚えています。
 

竹原ピストルとの出会い

—そうした学生時代を経て、個人でやる時って、アーティストサイドからは抵抗を持たれませんでしたか?
宮川:もちろん、相変わらず持たれていますが..、最近の話で言えば(これまでのイベントの)積み重ねで、じゃあ出てもいいかなって。積み重ねる前は、竹原ピストルという存在が大きくて...。
—ほう! 竹原さんと出会ったきっかけは何だったのですか?
宮川:専門卒業後、HIGHWAY61の現場をやっていたのですが、そのバンドが野狐禅を凄く好きで、SHELTERでの企画に呼んだんです。その時に話しかけたのが出会いです。
—それから徐々に?
宮川:はい、新宿Marbleでブッキングを始めたころ、ピストルくんも弾き語りを始めた時で、日程が空いているところをどんどんブッキングして。
—フットワークが軽い時にどんどん制作していったんですね。
宮川:何か提案すると、この辺りで東京でやりたいから、ここからここまでどうかと言われて、全部やる流れですね(笑)。
 

宮川流制作術

—かれこれ何回やっているんですか?
宮川:えーっと1ヶ月ぶっ通しでやったこともあるので。100回はやっていないと思いますが...
—そんなに! 数ある中で一番印象に残っている1本は?
宮川:実は新宿LOFTがずっと憧れで。2013年の9月に初めて開催させてもらって、平日水曜日の昼14時から20組で。ちょうど自分も30歳の誕生日という節目で。それは凄く糧になってます。
—イベントを制作する上でこだわっていること、大切にしていることってありますか?
宮川:格好良いかどうか。そこしかないですね。結果として名の通った方々にご出演いただくことが多いのですが、基本、名前やギャランティにこだわっているわけではなくて、とにかく格好良いかどうかで、あとはそのバンドの身の丈に合う環境でソールドアウトに持っていくこと。6月12日のお昼に行なう渋谷HOMEはまさにそれです。まだ知られていない若手アーティストも、錚々たる面子と一緒にフライヤーに並ぶので、興味を持ってもらえたら嬉しいですね。
—新規バンドにはどのようにして接触しているのですか?
宮川:ホームページのコンタクトからメールして(笑)。何も難しいことはしていないですね。ぜんぜん返ってこないバンドもいますし。その割には出てもらってる方が多いですが。
—新規といえば、最近また個人でイベントをやりたがる子が増えてきているように思います。
宮川:そうですね、僕らのころもめちゃくちゃ流行っていたんですが、未だにやっているのはほとんどいないですね。
—では大先輩から助言をお願いします!
宮川:好きなアーティストがいて、だけどこのアーティストを呼ぶのは無理だろうと自分で制限をかけることが今までずっと続いていて。でも「皆、人間だ」と思ってビックネームもちゃんとオファー候補に入れる。怖いですけどね...。
 

これからの展望

—ここまでくると会社を作ろうとか考えてるんじゃないですか?
宮川:いやいや、会社を立ち上げるということは考えていなくて、個人でやりたいとも思っていなくて、むしろ会社に所属したいと思ってます(笑)。
—と言うと?
宮川:イベントが本当にやりたいのかなと思って。音楽に対しては携わりたいですが、イベンターがやりたいわけではなくて。そこはずっと思っていて、違う手段でアーティストを応援できることはないかと。全員を応援できるわけではないので、どんな音楽の仕事が合うかなと考えた時に、アーティストマネージメントに着地したんです。応援できる人に対してはとことんできるタイプなので、それで言うとMOROHAに凄く関わっているので、それを生涯できるのが理想です。ただ、やっぱりライブ楽しいですし、ライブっていう魅力にどっぷりつかっているので、イベントというかたちで音楽に関わっていますが(笑)。
—なるほど~、同じブッキングする身として分かります!ところで、タワレコで何か企てるようですね?
宮川:もともと僕はプレイヤーを挫折した人間なので、この人たちには勝てないという人たちが出演をしてくれますが、ライブに負けないぐらいCDも格好良いというところを伝えたくて。そうした思いで、5月19日からタワーレコード新宿店で、宮川企画のコーナー展開をしていただくことになりました。対象CDを購入すると、タワレコとマイセルフ,ユアセルフのWネームピックが貰えます!
—ピック?!
宮川:最近バンドのグッズでピックが少なくなっているのと、ピックにしろフライヤーにしろCDにしろ、1枚に重みがあるなと。ピック1枚でバンドを始めるきっかけをつくれるじゃないですか。
 
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LIVE INFOライブ情報

宮川企画「マイセルフ,ユアセルフ」
★6月8日(水) 熊谷モルタルレコード2階
踊ろうマチルダ
★6月9日(木) 幡ヶ谷CLUB HEAVY SICK
竹原ピストル マヒトゥ・ザ・ピーポー(GEZAN) 石原正晴(SuiseiNoboAz)
★6月10日(金) 下北沢SHELTER
竹原ピストル T字路s 踊ろうマチルダ
★6月11日(土) 下北沢SHELTER
竹原ピストル THA BLUE HERB eastern youth
★6月12日(日) 渋谷HOME ※昼公演
竹原ピストル 中村佳穂 石指拓朗
★6月12日(日) 渋谷TSUTAYA O-nest ※夜公演
竹原ピストル キセル DJ:安部勇磨(never young beach)
★6月18日(土) 下北沢BASEMENT BAR ※SUZISUZI×宮川企画
SUZISUZI YELLOW MACHINEGUN BB T.C.L
★7月5日(火) 新代田FEVER
初恋の嵐 PERIDOTS
★8月6日(土)吉祥寺SHUFFLE
★8月11日(祝) 熊谷モルタルレコード2階
 
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