LET'S ポジティヴな映画『ドロメ』を楽しんでください!
──内藤監督は先生の経験が作品に活きていることはありますか?
内藤:そうですね。障害のある方たちに対して指導する時、こちらが一方的にこうしろああしろと言っても障害の特性から受け入れられないことがあるんです。それぞれの障害の特性に応じた声掛けをしなきゃいけないんですね。相手が受け入れやすい言葉って何だろう? って。若い頃って自分が理解してもらえないことに悩むけど、教員をやって他人を理解できないことに悩むようになりました。それは人との対話すべてに繋がっているし、俳優やスタッフに対する声掛けも同じだと思います。森川さんと小関さんでもそれぞれ求めている言葉は違う。望んだ結果が得られなくても、相手を責めず、こちらの声掛けの仕方を反省します。撮影期間の場合は「今日の声掛け、ちょっと微妙だったかな。明日はこういうふうに言ってみよう」って考えることがありますね。
──今日のお話を聞いて、森川さんが近寄っていいのかなって思ったわけが何となく分かりましたね。演出していく中では非常に大事なことだと思います。そうやって映画が成立してたんだなと面白く感じました。ありがとうございました。最後に観客の皆様に一言ずつお願いいたします。
森川:どっちから観ても楽しめると思うんですけど、【女子篇】のほうが秘密が多かったりするんで、【女子篇】を観てから【男子篇】に移って、そうだったんだ! と思いつつ、種明かしを知った上でもう一度【女子篇】を見ると、さらに面白く楽しく見れると思います。
小関:観終わった後にこのジャンルは一体何だろう? って考えました。ホラー? コメディ? ヒューマン? 人それぞれ視点も違いますし、メインの役もたくさんあって誰を追うかでも違うし、観た方が感じたそれぞれのジャンルを聞いてみたいと思います。
内藤:これまでは陰惨な題材をモチーフにしたヒリヒリ系が多かったんですけど、今回はLET'S ポジティヴな作品なんで、バイオレンスが苦手な方も安心して観て欲しいなと思います。