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INTERVIEW

トップインタビューuguis×仲道良(ircle) (web Rooftop2016年3月号)

2016.2.23 uguis×仲道良(ircle) 2nd mini ALBUM 『ただいま、もう何処にも行かないよね』リリース直前対談

2016.03.08

『ただいま、もう何処にも行かないよね』について

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仲:この年代でこの時期のバンドって一番理想と現実が埋まり始める時期で、且つ足りてない部分と足りてる部分の差も分かりやすい時期で、でも足りてない部分というのは青さだったり、衝動的な部分だったりで、きっとこれって5年後には出せない音だったりするんです。その部分が録れればいいなと心の中で思いながら作業とかRECをしてました。全体的には暗い作品にはなってると思うんですけど、きっと今まで以上にメロディが立ちましたし、
少年だったものが段々大人に変わって行く成長過程が音源の中で伝わってくるアルバムになったと思います。
 
臼:今回1枚で6曲なんですけど、これまでの作品と比較しても自分の身に起きた事を歌った曲が多くなりましたね。今までは自分ではない人に向けて歌った曲が多かったんですけど、今回はuguisとして活動してからの2年間の道のりを曲にしたなと自分で感じます。今までの過去を詰め込みつつ、未来を見据えた一枚になりました。
 
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ーアルバムタイトルの意味は何かあるんですか?
 
須:1作目『ごめん、少しだけ触らせてくれないかな』の『ごめん』はM-5”チェブラーシカとすどちの戦い”の歌詞から抜いて、2作目『おはよう、全部君のせいだ』の『おはよう』はカラーが朝っぽいからという事から『おはよう』をつけてみて、今回3作目『ただいま、もう何処にも行かないよね』の『ただいま』は、「好き放題やり過ぎてて何をやりたいか分からない」と散々言われてきてでもこれが正しいと約2年間信じ続けてようやくバンドとして良くも悪くも1つにまとまったなと感じた事から『ただいま』という言葉を選びました。
 
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ー各曲に関して教えてもらってもいいですか
 
臼:【M-2 煩い】は昨年10月29日に『ウグの音返し vol.1』で初披露したんですけど、その段階のタイトルは平仮名表記で”うるさい”だったんですね。でも煩いってどういう漢字なんだろうって調べたらこっちの方がかっこよかったんで漢字になりました(笑)。タイトルは全体的に割と適当なんですよね。大体作詞作曲は自分なんですけど、タイトルはメンバーに任せる事が多いです。
 
仲:【M-1 痛々しいラヴ】ってタイトル見た瞬間に個人的にすごくグッときたんですよ。同名の漫画があるんですけど、俺持ってて。「あ〜知ってるんだ!!」って思って、一気に親近感が湧きましたね(笑)。
 
須:実際その漫画から名前をつけたんですけど、漫画は著作権に引っかからないらしいので大丈夫です(笑)!
 
臼:メロディの爽やかさと反面、今までに無いようなドロドロさが漫画にありそうな感じなんですよ。
 
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CK:冒頭の初挑戦した全員のコーラスは、慎哉さん(臼井)が曲作る段階で『壮大な感じにしたい』という言うイメージから、結果的にみんなでうおー!ってやる事になったんですよ。それにしても一ワード目”服を脱ぎなよ”ってね〜ヤバいよね〜官能小説か!っていうね!!あ、ここはカットでお願いしますね!!!
 
(一同爆笑)
 
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フ:【M-3 MACHIKO】は自分が作曲なんですけど、初期タイトルは”タイアップ”って名前を付けてて、「某アニメ”銀○”のタイアップがとりたい」という一心で作った曲です。その目標を掲げて作ったらアイディアがどんどん出てきて、それを形にしたのがこの曲ですね(笑)。なので「タイアップがとりたい」っていう気持ちが聴いた人に伝われば俺はそれでよかったんですけど、いつの間にか”MACHIKO”になってました。
 
須:”MACHIKO”は俺の知り合いのメンヘラな彼女からつけました(笑)。というよりも大体タイトルは俺がつけてるんですよ。
 
フ:タイトルは最初適当に付け始めるんですけど、当ててからすごい悩むんですよ。一文字だけ変えたりとか、こだわりがなんだかんだ有るんです。
 
臼:【M-4 知ってることだけ】も実はアニメとか漫画から影響受けて作ったんです。その世界に登場する人に向けて俺がどう思ってるかというのを書いてますね。
 
フ:俺が初めて”知ってることだけ”を聞いて臼井に「誰の事歌ってるの?」って質問した事があったんです。そしたら「○○ちゃん」って言われたんですけど、俺そのキャラクターの事知らなかったので「○○ちゃんって友達?」って聞いたら、この人「うん!!」って・・・・・・後日、音源を聞いた友達から某アニメの登場人物の事だと言うのを知らされたわけですが、こいつなかなかやばいっす(笑)。
 
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須:【M-5 夜明けの甲州街道】は即決でしたね。自分ら西東京あたりに住んでて国道20号、いわゆる”甲州街道”を通って都心にライブで来て、打ち上げ後朝方に夜明けの甲州街道を通ってまた帰って行くんです。その朝方の時間にバンドの事だったりプライベートの事だったり、楽しかった事も不安な事とか、現実に向かう事で喪失感にかられる時間帯が夜明けの甲州街道で。4人で車に乗っててふと色んな事を思う訳なんです。
 
仲:確かにサビの感じが眠い時間帯を走ってる感じするよね。
 
CK:でも夜明けの甲州街道の時間帯って僕、大体酔い潰れて後ろで寝てるんですけどね。
 
仲:曲の起伏部分がそういう泥酔部分もあるんだろうなって思う(笑)。
 
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フ:【M-6 呼吸を問う】は、自分が今回のアルバムの中で一番印象に残る衝撃を受けた曲ですね。歌が付いていない段階から手応えというのはかなりあって、でも最後臼井が期待を数百倍上回るメロディを持ってきたんですよ。
こいつまじでやばいなと。どのバンドにも尊敬する存在という人たちがいて、そこから「こうやりたい」っていうのが各々プレイヤーとして持ち始めて、その音楽性だったり様々な面を自分らの音楽性として取り入れては消化して放出する事を追求し続けて、今回一番「こうやりたい」をuguisの楽曲としてできた曲だと思います。
 
ーuguisの楽曲は良い意味で一曲一曲が完結してないですよね。
 
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臼:歌詞を付ける上でのモットーがあって、自分の言いたい事とか伝えたい事っていうのはもちろんあるんですけど、それは聴いてる人には関係ない事なんですよね。だから聴いた人が自由に感じてくれる事が嬉しくて、それでいいんです。そう思ってこれまでも書いてきたんですけど、今回特に意識しました。
 
須:レールは敷くけど終点は決めないって感じなんですよね。「言いたい事言えよ!」って思うかもしれないんですけど、それがこの2年間で出たuguisの答えなんです。あと曲作りのこだわりで、曲中で同じ事をしたくないんですよ。例えば1番Aメロ、2番のAメロを同じにしないとか、Aメロ一回だけとか、1サビ4拍子、2サビ3拍子とかで、何かしら曲に動きつけたくなっちゃうんですよ。俺ら自身が飽きちゃうんで。そうやって進めてったら今回6曲で19分に収まりました。
 
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uguis 2nd mini ALBUM
『ただいま、もう何処にも行かないよね』

2016.3.16 relese
KBKM-0001 ¥1,500-(tax out)

1.痛々しいラヴ
2.煩い
3.MACHIKO
4.知ってることだけ
5.夜明けの甲州街道
6.呼吸を問う

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