2012年を「サディスティックイヤー」と名付け、攻め続けることを宣言したギルガメッシュ。2月〜3月にかけて渋谷WWWで行なった"東京Sadistic〜ぶっとおし13days〜"から始まり、5月には東名阪での自主企画"ギルガメッシュ presents「SADISTIC FUCKER'S」"、7月〜8月にかけて"サディスティックイヤー2012"と題してツアーをまわり、7月にはシングル『絶頂BANG!!』、そして間髪入れずに9月に『斬鉄拳』をリリース、10月には自身初となる日比谷野外大音楽堂でのライヴ"ギルガメッシュ完全燃焼!! 〜やれんのか?野音〜"を敢行する。今回リリースされた『斬鉄拳』は、野音に向けた強い意志が込められた作品で、サウンドがより強靱となった印象を受けた。
常に反骨精神を持ち続け、高いハードルを自ら掲げる彼らの挑戦はまだまだ続いていく。(interview:やまだともこ)
苦しいと思われることをやるのがギルガメッシュ
── 3月に渋谷WWWで13日間ぶっとおしの公演があって、5月には東名阪で企画を行ない、10月には初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンがあり、今年のギルガメッシュは攻めてますね。
左迅(Vo.):まわりから「無理なんじゃないの?」と言われるようなことを掲げて、その壁を乗り越えるというのは俺たちの力がすごく発揮されると思っているんです。負けず嫌いな部分もあるので、無理だと言われたほうが断然燃えますし、バンドの底力も上がりますから。自分たちを追い込む活動ということで、2012年を「サディスティックイヤー」と言っているんですけど、これからも自分たちを痛めつけていきます。
── 13日間連続公演中は、心が折れることはなかったですか?
左迅:始まるまでは不安もあったんですけど、折れなかったんですよ。この公演をやるにあたり、企画を練る段階からバンドのブッキングなど、全部自分たちで楽しみながらやったんです。13日間体調が悪くなるヤツもいなかったし、楽しいまま終わっちゃった感じです。それに今思うと、やったことに意味があったし、やりきったことで自信にもなりましたし。苦しいと思われることをやるのが、俺らギルガメッシュなんだなというのを確信した企画でした。
── 喉も大丈夫でした?
左迅:大丈夫でした。毎日整体と針に通ってましたから。
── 今年は「サディスティックイヤー」だと言ってましたけど、2011年はライブ活動を控えて自分たちを見直す時間だったそうですが。
左迅:7年活動してきて、昨年は自分たちの最大キャパとなるZepp Tokyoでのワンマン(2011年6月26日、ギルガメッシュ『WORLD TOUR 2011“Here we go!!”JAPAN TOUR』)をやり、1度バンドを見つめ直す時間が必要だなと思ったんです。それでライヴもほとんど入れず、リリースも一度ストップして、みんながギルガメッシュというバンドで描いているものを統一させようと。ずっとバンドを続けていくとそれぞれの考えがちょっとずつブレたりもするし、全員がギルガメッシュってこういうバンドと同じ答えを出せるぐらいにミーティングを重ねて、さあこれからどうしようとなって。その時に、これだけ活動が止まっていたから13日連続公演とか、パンチあることやったほうがいいんじゃない? っていうノリで、今年の活動が決まっていったという感じですね。
── その期間に、ギルガメッシュとはどういうバンドだという結論に至ったんですか?
左迅:ギルガメッシュは曲もライヴパフォーマンスもクレイジーで、お客さんと一体感のあるアツいライヴを繰り広げ、常にお客さんの想像を越える活動する。さらに不可能と思われることを自ら突きつけてそれをぶっ壊すという血みどろの戦いを常にやってるバンドだなと。
── それが形になったのが2012年なんですね。
左迅:昔47都道府県ツアーをやったんですけど、その時はファイナルのAXを売り切ってやるぞ! ってメンバーもスタッフも一致団結していたんです。47都道府県を回ること自体、ちょっとやそっとの覚悟じゃ出来ないし、AXも「埋まらない」って言われていたけれど成功したので、普通だったらやろうとしないようなことをやるバンドなんだなって。それを活動が止まっていた時期に考えて、2012年は自分たちを攻め続けようという答えに辿り着いたんです。
── 「無理でしょ」って言われたほうが燃えます?
左迅:完全に燃えます。そういう気持ちがなかったら続けてられないし、反骨精神を持ってないとバンドは続かないと思っていますから。