Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューcinema staff(Rooftop2012年6月号)

長き時を経て遂にメジャーデビュー!
剥き出しの感情で綴られた1st E.P.『into the green』に込められた思いとは

2012.06.01

 cinema staffが6月20日にメジャーデビュー盤1st E.P.『into the green』をリリースする。約1年ぶりのリリースとなる今作は、彼らの持ち味であるドラマティックなアレンジの展開と、複雑なアンサンブル、Vocals & Guitars飯田瑞規の存在感のある伸びのある歌声が印象的な作品だ。収録曲全6曲のうち2曲が新録(『into the green』『棺とカーテン』)、4曲が既発曲(『AMK HOLLIC』『優しくしないで』『KARAKURI in the skywalkers』/2008年11月リリース1st mini album『document』より、『チェンジアップ』/2006年6月リリース2nd mini album『Symmetoronica』より)となり、これまでとこれからのcinema staffを知ることが出来る。今でもライブで演奏されている既発曲の4曲は再録され、彼らの成長を窺うことも出来るだろう。
 今回は、メンバー全員にインディーズ時代から、こうしてメジャーデビューに至るまでのお話を聞かせて頂いた。戦うフィールドを変え、大舞台に飛び立つ彼らのこれからがより楽しみになった。(interview:やまだともこ)

毎日がしんどくて救いを求めていた

── メジャーデビューおめでとうございます。気分的にはどうですか?

久野洋平(Drums):多少気は引き締まりましたけど、まだあまり実感はありません。

三島想平(Bass):特に変わったことがないんです。取材の数が増えたとか、生活が多少変化したというのはありますけど、現場で何か変わったわけでも、スタッフが増えたわけでも、ローディーがいるわけでもなく(笑)。移動は相変わらずメンバーと車で回ってるし。

── レコーディングも変わらず残響スタジオで?

三島:半分です。オケは別のスタジオで。それがちょっと良いスタジオになったんですけど、あんまり音が気に入らなかったので(笑)次は変えようかと。それぐらいですね。そんなに変わったという感じはないです。

── 今回の作品は、収録曲6曲のうち2曲が新曲で、4曲が既発曲となっていますが既発曲は再録ですか?

三島:何から何まで録り直しています。今でもライブで演奏している4曲ですし、メジャーになって聴いてくれる人の絶対数が増えると考えたら、今までの僕らの曲も知ってもらいたかったんです。あと、当時はスキルがなかったというのもありますけど、ボーカリゼーションだったり、音に満足していない部分もあって、今録ったらどうなるんだろうというのはずっと話していたし、録ってみたかったし。最初からこれで出したかった! という作品になりました。

── 今聴くと、飯田さんの声も若いですよね。

飯田瑞規(Vocals & Guitars):当時録り終わった直後から若いなって思っちゃってたんです。でも、右も左もわからない状態で録ったCDだったから、録り直すということは考えなかったけれど、あまり納得してなかったんです。今はやっと聴けるようになりましたけど、ボーカリストとしてはまだまだ全然力が足りんのやなと思い知らされました。でも、前に比べたら良い歌が歌えましたし、良いE.P.が出来たと思います。

── 飯田さんの歌声はcinema staffの魅力のひとつでもあると思います。なので、声が前に出るアレンジだったりを考えられてるのかなって思ったんですが。

三島:なんも考えてないです。歌のためにとか何かのためにとかあまり考えないですね。それぞれ自由に。オケを作ってる時は感覚だけで、思いついたらやるし思いつかなかったらやらない。何も考えずにこれやったらかっこよさそうだなって思いついたら即実行して。その時点では歌詞のメッセージがどうとかも何も考えてないです。

── 今回思いついたものってどんなものですか?

飯田:『into the green』はわりと珍しいんですけど、オケを作りながらメロも半分ぐらい出来ていたので、他の曲よりは歌を意識した部分はあります。わかりやすい言葉を使っているので、アレンジをゴタゴタする必要がもしかしたらないかなというのがあって、この剥き出し感が良いんじゃないかなって。

── 『棺とカーテン』は?

三島:ゴタゴタですね(笑)。思いつくままにアレンジして。いつもはメンバーに委ねるんですが、この曲のアレンジは僕が指定する部分が多かったです。『into the green』は、メインリフもほとんどは辻くんが考えていて、それが逆にイメージ通りに行かなくて良かったんですが。

── その『into the green』は歌詞の中で“緑色”を“救いの色”と喩えていますが、この歌詞が出来たきっかけってありますか?

三島:昨年は、震災が端を発しているところもありますけど、精神的に落ちこんでいて状態があまり良くなかったんです。それに加えてお金がないとか、生活が苦しいとか、それをどうかせんといかんなっていう気持ちがずっとあって、曲を作ることに没頭していたんです。その時はガムシャラで、こねくり回して考えて作ることが出来なくて、剥き出しの歌詞にしかならなかったのかもしれません。これが最たるものという感じです。毎日がしんどくて救いを求めるように書いたというイメージです。

── その曲があがってきて、飯田さんはどう思いました?

飯田:歌詞の内容としては、2曲目の『棺とカーテン』は今までの三島っぽい感じでしたけど、『into the green』は自分の気持ちを素直に言っていたんで珍しいと思ったんです。三島がそういう歌詞を書くということは、今はそういうモードなんだなと今まで一緒にやっていてわかっていたので、感情が入りやすい良い曲だなと思いました。

── 三島さんが書く曲を歌うというのはどうですか?

飯田:歌自体は三島節があって、自分の中にはない言葉だったり感情だったりするので難しいですけど、このやり方でしかやってきていないし、三島が持ってきた時点で歌詞と向き合って理解しながら、自分が歌うことでさらに良くなる曲ばかりだと思うし、これがベストな関係だと思います。

このアーティストの関連記事

cinema staff
into the green

PCCA.03613 / 1,400yen (tax in)

amazonで購入

1. into the green
2. 棺とカーテン
3. チェンジアップ(Re-Recording)
4. 優しくしないで(Re-Recording)
5. KARAKURI in the skywalkers(Re-Recording)
6. AMK HOLLIC(Re-Recording)

LIVE INFOライブ情報

7.01(Sun)岐阜BRAVO
cinemastaff 1st E.P.「into the green」release oneman live『望郷』

7.15(Sun)恵比寿LIQUIDROOM
cinemastaff 1st E.P.「into the green」release oneman live『望郷』

9.16(sun)渋谷O-EAST & DUO MUSIC EXCHANGE
残響祭 8th ANNIVERSARY
cinema staff / te’ / 9mm Parabellum Bullet / People In The Box / mudy on the 昨晩 / ハイスイノナサ / the cabs / KUDANZ / COgeNdshE / chouchou merged syrups.

11.24(Sat)THE WALL台北
爆裂核心BURSTING CORE & Zankyo Record Presents
「残響祭 8th ANNIVERSARY」SPECIAL IN TAIWAN
cinema staff / te' / 9mm Parabellum Bullet / People in The Box / mudy on the 昨晩

休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻