音楽性は異なれど公私共に仲の良いSAKANAMONとcinema staff。何を隠そう、この2バンドの結びつきを強めたのが、2014年の新宿ロフトでの彼らの2マンライヴであった。あれから5年。以来実現しなかった2マンライヴが、新宿ロフト歌舞伎町移転記念ライブの一環として8/21に再び新宿ロフトにて行われる。それを記念して先日、この2バンドによる座談会を敢行。チケットも早期完売し、居酒屋トークスタイルで終始行われた。メンバーも酔い酔いでお客さんも楽しそう。ここでは書けないネタのオンパレードで終始会場を沸かせ、予定には無かったお客さんも大合唱した生楽器によるライブも行われた。大盛り上がりの末、後のライブがより楽しみになった同イベント。今回はその中の超一部、同2マンライヴへの意気込み等を伝えたい。[INTERVIEW:池田スカオ和宏]
あれには嫉妬した
──2バンドの最初の共演はいつ頃になるんですか?
森野光晴(SAKANAMON/B.):2014年ですね。それこそ、この新宿ロフトでの2マンの1ヵ月前。群馬の高崎でLEGO BIG MORLとこの2組で3マンライブを行ったんです。それが最初でした。
飯田瑞規(cinema staff/Vo&G):あれは凄かった。俺らも若かったから(笑)、打ち上げで、辻がありのままの姿になって(笑)。そこに俺がタバスコをかけちゃったんです。それが凄く痛かったらしく。シャワー室でずっと股間を洗ってたもんね(笑)。
木村浩大(SAKANAMON/Dr):そこで俺が「大丈夫か?」って辻君に声をかけたら「瑞規(飯田)殺す!!」って(笑)。
藤森元生(SAKANAMON/Vo&G):それを目の当たりにしてたから次のライブで会うのが怖くて。「(今回はLEGOなしの)俺たちだけで、このモンスターを対処できるのか?」って(笑)。
──けっこう2バンドとも音楽性は違いますが、音楽的な第一印象はいかがでしたか?
久野洋平(cinema staff/Dr):その高崎の際に全く面識がなかったのに、自分たちの曲の中に俺たちの曲の一部を入れ込んできたんです。「何を断りもなく!まったく失礼な奴らだ!!」って(笑)。
三島想平(cinema staff/B):いや、それは冗談で(笑)。あれには、キチンと対バンをチェックしてくれているんだ…と感心したし、凄くありがたかった。それで距離がグッと縮んだし。
辻友貴(cinema staff/G):森野君が元々cinemaのことを知ってくれていたんだよね?
森野:俺ら同じ歳なんだけど、cinemaはデビューが全然早くて。先輩って感じが当時はちょっとあった。普通に客としてライブを観に行ったこともあったし。
辻:まずは東京カランコロンと友達になって。そこを通じて初めて知ったような。
三島:最初にドラマの曲(「花色の美少女」)で知って。「その曲がいい」って辻が教えてくれて。
──SAKANAMONはcinemaのどの曲が好きですか?
木村:僕はいつでも「望郷」を聴きたいですね。それこそ毎日でも聴きたい。
森野:俺はちょっと想い入れ入っちゃいますけど、「drama」が好きっすね。ツアーで呼んだ時の名古屋で初披露してくれて。
飯田:そうそう。俺たちの地元・岐阜での主催フェスに出てもらった時にフルコーラスでやってくれたよね。歌詞がむちゃくちゃ間違ってたけど(笑)。
藤森:僕は正直、2人より知るのが遅くて。初めてガツンときたのは「西南西の虹」でした。「歌が上手いなぁ…」って。
──逆にcinemaはSAKANAMONで好きな曲は?
辻:俺は「クダラナインサイド」ですね。あの曲は、cinemaのツアーで対バンをしてもらった際にギターで参加したことがあって。無理やりだけど(笑)。
久野:俺はちょっと通っぽさを出してみて「害虫」。SAKANAMONって実は3ピースで超絶で曲が難しかったりするんだけど、それを平然とやっちゃう。特にこの曲にそれを感じるんです。
三島:自分はSAKANAMONを家で聴く率が凄く高くて。そんな中、やられた~って感じたのは「SYULOVER」。この曲は女性ボーカルが入っていて。あとユーモアもある。僕、ユーモアを自然と楽曲に交えられる人って才能のある人だなと常々思っていて。僕らだとどうしても真面目っぽく映っちゃって。
飯田:特にこの「SYULOVER」はズルい。せんせい(東京カランコロン)とタカハシマイ(Czecho No Republic)さんをフィーチャリングしていて。藤森君をこの2人が取り合う。あれには嫉妬した(笑)。