激動の1年だった
── 『キェルツェの螺旋』の中で、かすかに聴こえるセリフにはどんな意図が?
「あれはある女性の独白ですね。『キェルツェの螺旋』は歌詞において抽象的な部分が多くを占めているので、生々しい言葉を使いたくて入れました。良く聴けば何を言っているのか聴き取れると思うので頑張って聴いてみてください」
── この曲をリード曲にしたのは?
「プリプロでやったときに担当の方が“面白くない?”って提案したのが始めで、驚きもあったのですが、僕らとしても理解出来たので。キャッチーさもあるし、演奏の面白さも、全体に漂うcabsならやりそうだなって感じも残ってる。最初はメンバーそれぞれあったと思うのですが、話し合いを経て割と早い段階で決まりましたね。ちなみに僕は『解毒される樹海』を推してました。地味な曲なんですよね」
── 國光さんは絶叫でどういったことを言っているんでしょうか?
「あんまり文章めいたことは言ってなくて、感覚としては曲に対するちょっとした調味料みたいなものです。ですが、唯一樹海においては理路整然とした文章が成り立っています。ここは歌詞として書いてあるので読んでみてください」
── 『camm aven』とはどういう意味があって、どういう意図で作ったんですか?
「僕の夢の中の話です。その国は言語が日本語ではなくて、独立した言語を持っているのですが、そこでは“女の子”という言葉を“camm aven”と表現していたんです。夢から覚めたあともそれが印象に残っていて、使いたいなーと思ってる時期にあの曲が出来て、すんなりはまったのでつけました。夢の中の言葉とか情景とか、割と僕は良く使います」
── ミニアルバムを1曲ずつ紹介してもらえると嬉しいです。
1. キェルツェの螺旋/速くて面白い曲です。モッシュしてください。独白の部分も頑張って聴き取ってください。
2. camm aven/ポップで速い曲です。コピーしてください。歌詞は非常に情けないですが、実は前向きです。
3. 解毒される樹海/地味だけど良い曲です。ヘッドフォンで聴いてください。誰かを坂道の向こうに見送っている気持ちになります。
4. カッコーの巣の上で/昔からある曲です。変化を楽しんでください。一層クリアになった義勝の声と原典である映画と共に。
5. skor/最近出来た曲です。ドラムのすごさに感嘆してください。“汚れてしまっても優しく生きて、綺麗な言葉だけを選んで”その通りですね。
6. 第八病棟/ある意味大作的な曲です。ベッドに寝転がり、憧憬に思いを馳せながら。“沈みゆく船、このままでいたいと君は笑っていた。どうして触れなかった?”その通りですね。
── では、2011年も終わりに近づいていますので。今年1年はどんな1年でしたか?
「バンドとして活動が活発になって、大きいステージもいくつか体験させて頂いたので全体でも個人レベルでも激動の一言だったかなと。まさか二枚も音源を出すとは思っていませんでしたが」
── 来年はどんな年にしたいですか?
「今年と同じか、もしくはそれ以上にペースをあげてやっていきたいです。全員ライブが好きなので本数を増やすのは前提として、一つ一つのライブをもっと大事にしていきたいのと、出来るならば一枚音源を出したいかなと。個人レベルで言えば、今年読めなかった本が沢山あるので、積んでるそれらを一気に消費したいです。あと麻生久美子さんに会いたいです。Rooftopの力で」
── 来年2月からはツアーが決まっていますが、今年は自身のツアーがあったり、先日は事務所の先輩であるmudy on the 昨晩さんのツアーに参加したり、それをふまえて次はどんなツアーにしたですか?
「自分たちのツアーの時もcaroline rocksの力を借りましたし、mudy on the昨晩の時もあくまでサポートだったので、今回が初めて僕たちのツアーになるなって気がしています。僕らを見に来るお客さんが増えるだろうし、全国津々浦々ステージ上から全員殺せるといいなって思います」
── その他書いておきたい事がありましたらお願いします。
「僕に会う人、『モテキ』の視聴を勧めるのはご勘弁願いたい。心の準備が整ってから見ます。あと三島君(cinema staff)、来年こそ一緒にバンドやりましょう」
高橋國光 監督作品
the cabs“キェルツェの螺旋”
http://www.youtube.com/watch?v=6Ey3jFf6vhA&feature=g-all
高橋國光様
長々とありがとうございました。
ただ、Rooftopの力では麻生久美子さんには会えません。期待に添うことが出来ずすみません(笑)。もし何らかで会うタイミングが出来たら、その時は一緒に連れて行って下さい。よろしくお願いします。(Rooftop編集部一同)