10年の活動で初の渋谷クアトロワンマン
── そして斎藤ネコさんが奏でるバイオリンが心地よい『夢のあと』ですが、まず読者の皆さんの中には、なんでネコさんと知り合いなんだろうという方もいらっしゃると思うので、簡単に出会いを教えて下さい。
小田:共通の知り合いがいたんです。その人がうちの音源をネコさんに聴かせてくれて、きっかけがあれば弾きに行くよって、ちょっとずつ話が膨らんで、弾くって言ってくださったんです。ネコさんは雰囲気のある人で、レコーディングも楽しく出来たし。ネコさんに「お互いのスイートスポットは一緒の方向だと思う。メロの気持ち良いくだりだったり、自分が弾きたいくだりとかすごく似てる。なかなかそういう人に会わない」って言われた時はすごく嬉しかったですよ。だから気に入ってくれたんだと思う。
── アコースティックの曲をアルバムに入れたのは、ネコさんとの出会いがあったからとはまた違うんですか?
小田:元からやりたいと思っていたのと、3月に地震があった時に、FUCK YOU HEROESのRYOSUKEさんが「アコースティックのオムニバスを作るから歌ってくれない?」って電話をくれたんです。その時に初めてピンで動いて、こういう活動もありだなということを考えて。ギャーンってギター鳴らして、ドッカンドッカンやってるバンドに見られているけど、メロディーが綺麗だったり、曲の良さを大事にしようとしているので、もっと裸になった時に見えてくるんじゃないかなって。
── 昨年からアコースティックでやりたいとは言ってましたよね。
小田:弾き語りという切り口からじゃなく、バンドのアンプラグドセットで。あのイベント(8月5日@Naked LOFT“One Night Stand 〜No Regret Life Acoustic Live”)が成立したから、弾き語りを活動のひとつにすることは、俺らの曲を知ってもらえる大事な窓口だなと思いました。ネコさんとやるということにならなければ『夢のあと』は書いてないし、おだやかな曲でいつもとは全然違うし。自分でいろんな曲書いてきたけど、ずっと残る良い曲だと思う。
── 今、歌詞は常に書けているんですか?
小田:今までは曲が先でしたけど、詞曲同時に出来るパターンが多いですね。
── 環境が良いってことなんですかね。
橋口:事務所を独立して一時期不安になった時期もあったけど、良い形で乗り越えられたから今があるのかなと思っています。『Magical Destiny e.p.』はこれを作るための良い方向を示してくれた。あれでこれで行こうという気持ちにもなったし。
松村:良い状態なのかな。人とちょっと違う生き方をしている自分を認識したりして。だったら楽しむしかないでしょって。
── やるしかないですからね。
橋口:ここで足並み揃ってなかったらやばくなっていたかもしれないですね。今は揃っているから。
松村:誰か1人が止まったらアウトだから。
橋口:3人しかいないから。
── 和奏さんは最近声を張る曲が減った気がしたんですが。一時期全曲高音の曲とかあって。
小田:キー的にはあまり変わらないんですけどね。
橋口:高いところに長くいないとサビじゃないという感じがあったけど、そういうのじゃなくて、自然体で曲ができているんだと思う。
松村:自分の体からナチュラルに出てきたからじゃない? 体もそれに自然に反応するというか。だから無理な感じに聴こえないというか。
橋口:そういう感覚で前の高い曲を歌うと違う伝わり方をするんですよ。それは歌もそうだし、演奏もそうだと思いますけど。もっと良い形で提供できるのかなと思います。
── 今回も20代の頃から変わらずに長めの、約4ヶ月のツアーがあって初のクアトロワンマンもあって。
小田:10周年も含めて勝負です。次こういうふうにまたやれる機会があるかどうかと言われたら今の時点ではわからないから、渋谷クアトロというのは今までの10年間を純粋に凝縮したライブにする。行けば良かったというセリフはなしね。
松村:今を詰め込んで、見てる人に心の底から楽しんで欲しいなというのは思う。
── まずは1月に一区切りさせて、11年目に進むという感じですかね。今の時点で、どんどんバンドが変わっていく感じがよく見えてますから。
松村:ツアー始まって最終日には全然変わると思います。そんな予感がする。スポーツじゃないけど、大会を通じてチームが強くなっていく感覚があるんじゃないかなと。今のNo Regret Lifeのライブをこの音源を通じて見て欲しいですね。今っていうところがポイントで。
橋口:もう迷ってないから楽しみに来て欲しいです。
──1回離れたお客さんって何人もいると思いますが、その人達に聴いて欲しいですね。
松村:それが俺がズバリ言いたいことでした。引っぱり戻す!
橋口:あの時足りなかったものがプラスされてるから。ツアー毎にライブも良くなっていくと思うし、それを考えるとファイナルをイメージしたら鳥肌立ちます。