たくさんの人に認められたい
── 今回アルバムタイトルが『GUIDANCE』ですけど、訳としては“手引き”とか“指南書”で良いんですか?
高津戸:そのまま訳すと手引きとかになりますけど、導きという意味もあって、人と人との繋がりや出会いや別れというひとつひとつを大切にしてきた1年半であって、生まれるべくして生まれた曲が集まった作品だと思っています。だから、これから聴いてくれる人も出会うべくして出会う1枚になって欲しいし、俺ら的にはそういう1枚なので『GUIDANCE』になりました。
── ようやく第一歩を踏めたという感じですか?
野瀧:第一歩というのはすでに踏み出していて、このアルバムは後がない感じという方が近いかもしれません(笑)。
高津戸:これが、勝負のアルバムというか、ここから自分ら的にはさらに成長出来ると思うし、もちろん何回も聴けばこうしたかったとかもあるけど、今の俺らの決定版というか良いアルバムが出来たなっていう感じです。
── そしたら、一刻も早くリスナーのみなさんに届けたいですね。
高津戸:いろんな人に聴いてもらいたいです。
── この作品が出ると、もっともっととすぐに次の作品に期待したくなりますが。
高津戸:歌詞は書き始めてます。今までは、内々に秘めた歌詞が多かったんですけど、ラブソングを書いて欲しいと言われたりもして書こうと頑張ってます。でも幸せなラブソングって書こうと思っても書けないんですよね(苦笑)。だから、小説やらをしこたま買って勉強中です。
── どんな本を読んでいるんですか?
高津戸:『ノルウェイの森』とか『最後の恋』とか…。歌詞を書くために、恋愛ものを多く読んでます。ただ、そのまま吸収しちゃうとそのままの歌詞になっちゃうので、いつか歌詞を書く時に出てきたら良いなぐらいですけど。
── 今の歌詞は、まだ現状に対してだったりに藻掻いてる感がありますが、現実でもそういう感じなんですか?
高津戸:精神的なもので追いつめられていることが多くて、音楽は大好きなんですけど、頑張って曲を作ってもこの先に光があるのかとか、自分の作る曲が正解なのか不正解なのか…。今でも曲を書いていて、これが良い曲なのか悪い曲なのか、それは誰が決める事なのかということを考えて悩むことはたくさんあります。でも、今は認められたいということが一番大きいのかもしれないです。それは売れたいということなんですけど。
── 曲や歌詞の中に「こんな僕でも」という言葉が多くて、自信を持ちきれてないんだろうなと。
高津戸:自信がないのか、自信なさそうに見せてるのかわからないですけど、言葉にすると自信のない発言が多いなと自分でも思います。普段でも歌詞も行動も言動にしても、最初に下手に出ちゃうことが多くて、それがラクなんです。でも、それが逃げているのかなと思うところもあって、今年決めているのは強い人間になりたいんです。そして、もっと自分の言葉に責任を持てる人間になりたい。昨年それを強く思いました。それだけの勇気が必要なのかなと思います。
── 今年の目標も聞けたところで、遂に4月には恵比寿リキッドルームでワンマンですが、前回の東京ワンマンは渋谷クアトロで無事ソールドアウトになり、着実にステップアップしていますね。
野瀧:バンドを続けて行く以上は、ステップアップしていかないとダメですから。
高津戸:それぐらい自信があるってことですよ、アルバムに。このアルバムで結果が出ないとリキッドルームは埋まらないと思いますが、埋めてみせます!
── 今年は、Dirty Old Menがどうなっていくのか非常に楽しみですよ。
野瀧:どう戦っていけるかですね。
高津戸:だからこそ厳しく今年は行きたいです。
『GUIDANCE』にちなんで、音楽の道に導いてくれた作品を教えてもらいました!
高津戸 信幸
ゆず / サヨナラバス
中学校3年生の時に友達がギターを弾いているのを見て、かっこいいと思ったんです。それから兄のアコギを勝手に使って、ゆずさんの曲をずっと練習していました。高校で軽音楽部がなかったら、こうしてバンドはやっていなかったと思います。ただ、ギターがやりたくて軽音楽部に入ったのに、いつの間にかボーカルになっちゃいましたけど(笑)。
山下 拓実
Hi-STANDARD / ANGRY FIST
初めて組んだバンドで、初めてコピーした作品がこのアルバムです。音楽ってこんなに楽しいんだって思わせてくれましたし、こんな楽しい時間が続くならこれからもやっていきたいって、音楽をやるきっかけになりました。
山田 真光
X JAPAN / 紅
中学校の時文化祭に出て、この曲を演奏しました。当時、友達にバンドやろうって誘われたのがバンドを始めたきっかけなんですけど、他の楽器が全部決まっていて、ベースしか残ってなかったんです。初めてベースを触ったのもこの時になります。
野瀧 真一
GLAY / DRIVE〜GLAY complete BEST〜
ドラムをやりたいと思ったのは、中学校の文化祭で吹奏楽部の演奏を見てからです。女性がドラムを叩いていて、その時はバンドやりたいっていうかドラムを叩きたいって思い、高校に入ってドラムを始めました。初めてバンドでコピーしたのは、ポルノグラフィティーの『アポロ』ですけど、初めて買ったCDはGLAYです。