Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューdry as dust('10年3月号)

日常を切り取った歌詞。体温が感じられる音。
ただ過ぎていく日々に、彩りを与える全7話。

2010.02.19

このメンバーだから出来た曲

──PVにもなっている『グッド モーニング』の歌詞に「すり減った靴のかかとが」とありますが、確かに靴の底ってすごくすり減りますよね。そんな具体的なことではなく?

松永:いや、結構具体的ですよ。僕アドミラル(サッカーなどのスポーツシューズで有名なメーカー)の靴が好きで、その靴を色違いで2足買って上京してきたんですけど、半年足らずで2足とも駄目にしちゃったんですよ。超早くないですか?

──1足ならわからないでもないけど、半年で2足は早いですよ。

松永:ね。状況も変わってないし、別に普通に生活してただけなのに、「わっ、靴2足も駄目になっちゃたよ」って。同じ型の色違いで普通に交互に履いてて、歩き回ってるわけでもなく、スタジオ行って帰って来てバイトしてただけで。

──アルピニストじゃないですよね?

松永:違います(笑)。

──ライブの時も履いてらっしゃったんですか?

松永:ライブも履いてました。それも普通の生活なのに...って。

──その半年間が、かなりいろいろ凝縮されていたのでは?

松永:目に見えて変わった部分はないけど、っていうところが一番大きいんですよね。

──その半年間の成長たるや、じゃないですかね。

松永:いや、わかんないです。もしそこに実感があったら、今回のアルバムのような歌詞は書いてないですね。思ったのは、1日にして人の人生を180度変えてしまうこともあるんですよね。誰それが捕まったとか。でも、自分にとっては上京したところで驚くほどの衝撃を受けたものってなくて...。だから日常がテーマになったのかもしれません。

──起きていることも受け入れた上でってことですね

松永:現実に対して、自分の中での焦りもあるし、どうしようどうしようって思ってるけど、まわりにはそういうふうに言えないし。

──そんな慌てたりしますか?

松永:しますします。マイペースではありますけどします。

──歌詞も書いて、曲も作ってみなさんで演奏するっていう時に、他のメンバーにはどういうふうな伝え方をしますか?

松永:完全に「やってみよう」的な感じですよ。これでこうしたら絶対に良いからこうしろとかは言わないです。こうしたい、じゃあやってみようって。それで良かったら、それでいいというところでしかないです。長くこのメンバーでやってきているので、その辺はメンバーを信用してますから。曲を作って、自分でははっきりしてなくても、演奏したら良くなったりとかもありますし。そういう部分は信じてるし、大事にしていきたい。精一杯やって、自分の100がこの3人と一緒にやって120になることもあるし、逆に自分の100が、50くらいに聴こえている時もあるかもしれない。それを100まで持って行った時に、自分が思う120にもなりますから。そういうところは絶対あると思ってやっています。最初に考えていたものと違ったものができても、出来上がりが100以上になってるから、なおさら良いと思えたとか全然ありますよ。「こういうふうに考えてたけど...こうなったか。これはこれでいいな」って。でも自分1人で作ってたら絶対そうならないし、この4人でやっていれば何しても的外れなところに行くことはないし、納得してる方へ持っていこうとするし。

──無言で通じる信用が根本にあっての音作りですか?

成田:信用っていうか、それはドラム、ベース、ギター、キーボード、歌とかいろいろな楽器が、同時に音を出す時に一番気持ち良いところでっていうのが共通にあって、それで出来たものしかアルバムには入れてないです。でも、その意識の高さもどんどん変わって行くものなので、曲のアレンジを変えていったり、その場で「こういうふうにしたらどう?」っていうやりとりはしてます。

──とにかく声が武器ですね。このキーで歌えるのはすごいなと。

松永:いや、キツいす。

──キツいんだ(笑)。

対馬:僕ら高校生の時から一緒にやってるんで、あんまりその声を気にしたことがないですけど。

加藤:特別意識はなかったですね。上京してから彼の声に着目され始めて「ああ、武器なのか」と思ったぐらい。だいたいバンドやろうって言いだした時も、誰が歌う? って感じでしたから。

松永:歌いたくなかったし、加藤君に歌えよって言ってたぐらいですから。

加藤:僕と松永君が最初にバンドやろうってなって、メンバーが集まって来て、対馬君も当時からずっと仲良くて。

加藤:前のドラムが突然辞めるって言った時も、一番最初に名前があがったのが対馬君だった。

対馬:ドラマー自体あんまいないんすけどね。

松永:そもそも僕らの地元は絶対数っていうか人口が少ないんでね、「バンドやりたいドラマーいるか」っていう感じだった。

対馬:そんな敷居低くなかったじゃん(笑)。

加藤:対馬君は昔から仲良かったし、どういうドラムを叩くっていうのもわかってたから。それで、意識も高かったし、即「やりましょう」という感じでした。バンドが長く続いているっていうことも、年数は気にしたことがないんです。楽曲に関してもそうなんですけど、僕らは本当にやりたいことを全部つめてやってるだけなので...(いきなり口を閉ざす加藤。成田を見る)。

──どうしました?

加藤:なんか、今すごい見られていたので(笑)。

──仲良いですよね。スタジオに入っていても仲良さそうですもんね。アルバムも2枚目、ライブも数をこなし、バンドの方向性としてはいかがですか?

松永:このご時世なのかわからないですけど、そういうちょっとサプライズがあるバンドが人気なのかなって思っているんです。振り切れちゃってるとか、音自体がガシャッとしてるとか。でもうちらは音がドカーン! みたいなバンドじゃないとも自覚してるし、ただ、自分たちがやりたい曲をどれだけ良い状況で伝えられるか、自分たちが100持っているものを、どうすれば100%に近い形で聴かせられるか。あとはもうライブですね。人がたくさんいればいるほど、聴き方って全然違うと思いますけど自分たちの曲で勝負していきたいなって思います。多少アイロニックな部分もありますけどね(笑)。

実は料理が得意

──ところで、バンド以外のことで、今気になってることってありますか?

加藤:○○○のCMで、前×××さんがやってたのあるじゃないですか。

──はいはい、ありますね、名のある女優さんがやってらっしゃる...。

加藤:大物女優さんなのに、なんであのCMだとあんなに安っぽく見えるんだろうって不思議に思いました。

(一同爆笑)

成田:確かに。

──つまり、なぜシチュエーションが変わる事によって、そこまで価値観が変わるのだろうってことですよね?

松永:僕が思った事は、瀬戸内寂聴さんって絶対モテますよね。(友達との雑談の中で、理想の女性の話で瀬戸内寂聴さんの名があがったことから)

対馬:何かでちらっと見たんですけど、ブログとかめっちゃかわいいですよ。キラキラしてますからね。

成田:10代にしか見えない文体で...。

加藤:知らないで読んだら好きになっちゃうレベルですよ。

──対馬さん、突然ですが好きな食べ物は?

対馬:そんなこと言われたら肉の一点張りですよ。

──半ギレですね

対馬:お肉は素晴らしい。僕の実家が肉屋なので、豚バラとたまねぎがあったら一生生きていける。

松永:じゃあやってみて、毎日。

対馬:今の時点で週4で食べてるのに? あ、料理はできないですけど。でも明日死ぬってなったら牛ヒレ食いたいです。さしが均等に入ってるサーロインよりも高いし、ほぼ赤身なのに柔らかいんですよ。

加藤:僕は逆にブロックを凧糸でしばって角煮とか作るの大好きです。スープカレーとか作るんで。松永の方が料理うまいですよ。

松永:作ったことなくても、作れって言われたら作りますよ。

──センスが良いというか、バランス感覚が良いんでしょうかね。自転車に乗れるようになったのが早そう。

松永:あ、自転車は補助輪つけてました。一回電柱に正面からぶつかって、それ以来乗れなくなっちゃって...。あと、兄貴の自転車の後輪に足巻き込んで、そのまま漕がれて、幼稚園の入園式だったのに自分で歩けなくて、お母さんにおんぶされながら席に座って。そういう意味ではその頃から親の背中見てきてます。「親には感謝してる」ってちょっと意味違うけど...。

成田:僕は、さっき関係ない話してた時の「アルピニスト」って単語を載せて欲しいです。

──わかりました。成田さんの発言だけおかしなことになってしまわないように気をつけます。

成田:お願いします。

──これからツアーもありますし、ファイナルは下北沢SHELTERですし、楽しみに待ってますよ。

松永:期待してください。ライブに関しても良いのが作れるって思ってるんで。

──ライブは見に来てくれる人が、楽しんでくれていればそれで良いですか?

松永:僕らはうるさくもないし、音もでかくもないんですけど、良い曲だと思ってやってるので、それがちゃんと伝わったら良いなと思っています。ギャー! っていうバンドじゃないんで、あとは見る方が自由に楽しんでもらえればと思います。

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