"LOFT CIRCUIT 2010"、早くも真ん中の3店舗目となるネイキッドロフト。これまで、何度も飲みに来ている場所であり、店長の上江洲ともよく話しているお店でもあり、当日は家に帰ってきたようにリラックスして臨めるんじゃないかと言っております。しかし、ネイキッドロフトとはアットホームな空間でありながら、普段のライブとは全く違う客席との距離感で、多くのミュージシャンが普段とは違う汗を流し、またはお酒の力を借り、これまでのステージとは違う緊張感を感じながら歌う場所でもあるのです。バンドでのアコースティックはひさしぶりであり、ネイキッドでのアコースティックは初めてというテルスター。15年も活動している彼らが、当日どんな表情をして、どれだけのお酒の力を借りることになるのか? ネイキッドロフトの店長は「お酒との戦いになるかもしれません」と不思議な言葉を残していましたが、本当にどんなライブになるのかは、予想が付きません!! ぜひ、イベントでテルスターへのエールをお願いします(笑)!!
というわけで、今回は気心知れた仲でもあるネイキッドロフト店長・上江洲 修との対談です。(text:やまだともこ)
ネイキッドにはよく飲みに来ています
── テルスターイベントも、ネイキッドロフトで中盤の3店舗目になりますね。
横山:ネイキッドロフトでは、リクエスト形式のアコースティックライブをやろうと思っています。普段のライブではやらない珍しい曲を中心にやれたら良いなと。
上江洲:テルスターのアコースティック編成は珍しいですよね。
横山:インストアとかではやったことがあるんですけど久しぶりですね。あと、ネイキッドロフトは個人個人ではお世話になっているんですけど、テルスターとして出るのは初めてです。僕は出演するよりも、飲みに来た回数の方が多いかも知れないですけど(笑)。新宿で飲み屋に入りたいなと思う時に、ネイキッドが頭に浮かぶんですよ。それでイベントも終わった時間だろうと思って行ってみると終わってなくて、他に行くということが何度もありましたよ。
上江洲:この間は打ち上げの延長で深夜にカラオケをやっていたら植木さんと乱入してきて、うちのテーブルを破壊していったこともありましたけどね(苦笑)。
横山:その節はすみませんでした...。
上江洲:いや、そういうのが面白いなって思いましたよ。
横山:そう言って頂けると安心です(苦笑)。あの時は、植木(遊人)と新宿で飲んでいて、ネイキッド行ってみようぜーって行ったら、カラオケをやってるのが聞こえてきて、何をやってるのかなって入ってみたら、上江洲さんが『もう恋なんてしない』を熱唱していたんですよね(笑)。何かあったんですか?
上江洲:いや、なんか歌いたい気分だったんですよ(苦笑)。
横山:僕も植木もそうなんですけど、上江洲さんの人柄が好きでネイキッドに飲みに来ているというのもありますよ。
上江洲:あ、ありがとうございます。沖縄出身なので、言葉が何言ってるかわからないってよく言われますけど...。
横山:それはたまに思います(笑)。
上江洲:そういえば、Rooftopで連載していた"遊星横町"の最終回はネイキッドで撮影してくれたじゃないですか。あれはすごく嬉しかったですよ。あとサイバーでヴィジュアル系のライブがあった当日は、終わってから遊びに来てくれましたよね。"遊星横町"のイベントもネイキッドロフトでやりたいなと思っていたんですけどね。
横山:僕らも、"遊星横町"のトークイベントをやるならネイキッドでやりたいねって話はあがっていたんです。ただサイバーでのライブ映像は、録画代の3,000円をケチったばっかりに映像として残ってないんですよ(苦笑)。音と写真だけはあるんですけどね。でも、1月24日のFEVERでの映像は録っているので、どこかのタイミングでイベントとしてみんなで見たいなと思っているんですけどね。あの時のライブは初心に戻るじゃないですけど、ライブハウスに出始めた時のような感じに戻りましたよ。ひとつひとつのライブをすごく緊張しながらやってましたからね。それは、思い出しましたね。
── 上江洲さん、テルスターにはどんなイメージを持ってます?
上江洲:僕、テルスターすごい好きなんです。新宿ロフトが30周年の時に、テルスターと大槻ケンヂさんとアナログフィッシュでライブをやってますよね? まわりから話だけは聞いていたので見たいなと思っていて見に行ったんです。かっこいいなと思いましたよ。ライブがあっという間に終わってしまったという記憶があります。でも、そこら辺で活動がアレですよね?
横山:ハッキリ言って大丈夫ですよ(苦笑)。そこら辺から活動が失速してしまったんですよね。ライブハウスを立ち上げたぐらいの時から、バンドがうまく機能できなくなってしまったんですよね。
上江洲:あと、昔セッチューのトークライブで横山さんに出演して頂いて、これでテルスターと一緒に仕事ができるってワクワクしたんですけど、その後アコースティックで出てもらえる機会はなかったんですよね。何年か前に、クラブライナーとネイキッドで合同イベントをやったじゃないですか。あの時は、テルスターをネイキッドに呼びたいと思った上での戦略だったんですけどね。ダメだったんです(苦笑)。
横山:でも2月はそんなこんなで初の試みなんです。
上江洲:阿佐ヶ谷に続いてうちもトークショーかと思っていたんですが、アコースティックをやりたいと言ってもらえて嬉しかったですよ。
横山:アコースティックをやるなら、ネイキッドでやりたいと思ったんですよ。
当日はお酒との戦いになるかもしれない
── ここでネイキッドからテルスターに当日やってほしいお題を出してもらえますか?
上江洲:先月Rooftopに掲載されていた阿佐ヶ谷ロフトAの対談を読んで、うちも考えていたのでいっぱいあるんですよ。
横山:いっぱいあるんですか?
上江洲:まず、テルスターの料理。横山さんには酒のすすむ料理を考えて欲しいんです。それはイベント当日にも出しますけど、その日のイベントが終わっても、ネイキッドで出していきたいと思っています。
横山:わかりました。料理は好きなので、メニューを考えておきますよ。
上江洲:あとひとつあって、当日"BAR the テルスター"じゃないですけど、イベント終了後にメンバーの皆さんがカウンターでマスターをやって、お客さん会話の相手をしてくれる、みたいな...。
横山:面白そうですね。メンバーにも聞いてみますが、決まったらエプロンを持参しますよ。テルスターのお客さんとしては、ネイキッドに見に来るのは初めてなので居心地良くしてあげたいですね。
上江洲:僕らも、楽しんでもらえるような空間を作りたいと思っています。ネイキッドの長所として、お客さんが食べたり飲んだりしながらライブを見られるんですけど、出演のミュージシャンがお酒を飲みながら話したり歌ったりできるんです。普段のライブではステージでお酒を飲むようなことをしない方が、お酒飲みながらたくさんトークをしながら4時間近くライブをやってくれたこともあるんですけど、もしかしたらテルスターも酒との戦いになるかもしれないですね。
横山:ん? 酒との戦い(笑)?
上江洲:普段のライブとは距離感が違うというのもあるんでしょうね。緊張して、お酒パワーを借りているのかもしれないですけど。
横山:どういうふうにやったら良いかわからないというのもありますよ。ライブハウスは初めての場所だとしても、なんとなく雰囲気は掴めるんですけど、ネイキッドはまずお客さんとの距離感が掴めないから焦るんですよ。それで、やる前に考えて、飲むか!ってなるんじゃないですか?
上江洲:ネイキッドが目指す部分として、スタッフと出演者とお客さんの三者が満足できる場面を作りたいんです。お客さんがたくさん来てくれることに越したことはないですけど、その場にいる三者を楽しませる空間作りというのは、今年の課題でもありますね。
横山:ネイキッドはライブハウスとしてはそんなに大きくないですけど、例えばそこにいる50人を楽しませられない人が、500人を楽しませることはできないと思っています。これは15年間音楽をやってきてわかることで、50人しかいないからと言ってる人は500人の前でも絶対にできない。500人、1000人を楽しませられる人は、50人の前でもすごく感動できるものを魅せられるんですよね。そういう意味で、ネイキッドでやるということはすごく良い刺激になるんです。だから、本当に楽しみですよ。
上江洲:嬉しいですねー。
横山:まぁ、僕らは、5000人の前でやったことはないですけど...。
── 横山さんからネイキッドにリクエストなどがあるとしたら?
横山:リクエストではないんですが、最近スケジュールを見ていて沖縄系のイベントが減りましたよね。前にクラブライナーとネイキッドロフトの共同企画をやった時は、上江洲さんから紹介して頂いたバンドは沖縄のバンドばかりだったので、気になっていたんです。
上江洲:そうなんですよ。昔は沖縄のイベントにしても沖縄のバンドにしても、自分が先頭に立ってやるべきだという感じもあったんですけど、無理にやらなくてもいいんじゃないかなって思うようになったんですよ。
横山:それは、沖縄のものをやらなくても、ネイキッドの上江洲さんを確立できたんじゃないのかなとも思いますよ。地に足が着いたとも言えますし、意地を張らずに自然体でいてもネイキッドの個性が出るようになったんじゃないですか?
上江洲:12月にネイキッドは5周年を迎え、その時も1日しか沖縄のイベントがなかったんです。そういう意味ではちょっと変化をしてきているんじゃないかと思いますよ。今は、ひとつのイベントをやる意味をちゃんと周りの人にもわかってもらえるようなものをやっていきたいんです。だから、今回のサーキットは、各店の特徴を捉えてやってもらっているので、こういうイベントは良いなと思いますよ。でも一番嬉しいのは、横山さんたちがお店に飲みに来てくれることですね。
横山:お世辞ではなく、ネイキッドに行けば上江洲さんがいて、いつもどおり迎えてくれるだろうなというところが足を運ばせるんですよ。上江洲さんとはよく話もしていますしね。だから、テルスターというよりも横山個人として、2月18日は1日をすごく楽しめそうだなと思っています。考えすぎずにリラックスできるなって。
上江洲:僕がネイキッドの店長になってからベスト5に入る思い出として残っているのが、さっきも言いましたが、ライナーとネイキッドの共同企画なんです。あのイベント以降、横山さんとの距離が縮まったような気がしています。
横山:僕もあれ以降から、上江洲さんがいるならネイキッドに行こうって思うようになりましたね。お金を共有したからこそ、腹を割って話せるようになった。上江洲さんはちょうど店長になったばかりとかで、僕もライナーが始まったばかりで。でも、こうやって改めて話をしてみて、上江洲さんが僕らのイベントを楽しみにしてくれているというのが一番嬉しいなと思います。