Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューストライカーズ('10年2月号)

3ヶ月に渡って開催されるイベント“ストライカーズ パンデミック”
世界規模での流行を目指して、5人の男達が進む次なるステージ

2010.01.21

 ストライカーズが4月7日にリリースされるニューアルバム『パンデミック』に向け、"ストライカーズ・パンデミック"と題されたイベントを開催中!! 1月29日には"episode I meets Beat Happening!"を下北沢BASEMENT BARで、そしてRooftopとの共同企画となる"episode II"を、3月3日に下北沢SHELTERで開催します。
 個人的な話をすると、ストライカーズには何年も前からライブイベントに出演をお誘いしていたのですが、タイミングが合わず、なかなか実現ができなかったのです。しかし、今回ついに「一緒にイベントをやりましょう」というお話を頂き、ありがたいやら嬉しいやらで、このイベントを成功させたいという一心でこの数ヶ月間を過ごしてきました。そのイベントがあと1ヶ月後に迫っています。誰よりも私が一番楽しみにしているんじゃないかという気持ちはぬぐえませんが、この日1日、同じ時間を過ごす全ての方に楽しんでもらえるような空間を作りたいと思っています。
 今回は3月3日のイベントに向けてのお話や、新しい作品についてのお話を伺ってきました。ストライカーズはいつもテンションが高いので、話をしていてとても楽しいです。それって、やっぱり音楽にも出るんですね。(interview:やまだともこ)

ストライカーズの世界流行

── 今回"ストライカーズ パンデミック"と題されたイベントが1月、3月、4月と開催されますが、この企画はいつぐらいから構想があったんですか?

星野概念:昨年の夏ぐらいから話にはあがっていたんですよ。

── 1月から始めるということは、2010年はもっと攻めようみたいな意味合いもあるんですか?

星野:それはありますね。

i-ZUCCA:4月にCDを出すことが決まっているので、何か自分達で仕掛けながら発売日を迎えられないかということで、イベントと連動してやっていったら面白いんじゃないかみたいなことですよね?

星野:そうです。

── "episode I"は定期的に"Beat Happening!"というイベントの主催をしている水口さんと、そして"episode II"はありがたいことにRooftopに声をかけて頂いたんですが、このようにどんどん周りの人を巻き込んでいきたいという思いはあったんですか?

i-ZUCCA:昨年1年間の活動を通して、メンバーやスタッフの中ではストライカーズをもっと良い形にしていこうとすごく盛り上がっているんです。もちろん、バンドをやっていて楽しいという気持ちはあるので、そこに周りを巻き込んだら面白いんじゃないかって。それで、"episode I"は昨年もお世話になった水口さんと一緒にやることになって、その日はお世話になっているバンドを呼びつつ、一緒にライブをやりたかったバンドにも声をかけていったんですよ。それを"パンデミック"という言葉に託して、イベントをやろうと思ったんです。

星野:パンデミックって意味わかります?

── ストライカーズと一緒にイベントをやることで知りました。感染ですよね。

星野:インフルエンザ・パンデミックというのが昨年世界的に流行ったじゃないですか。その"世界流行"という言葉にピンと来て、イベントのタイトルを"ストライカーズ パンデミック"としたんです。でも、意外とタイトルが決まってから聞いたのは、パンデミックの意味を知らない人が多いんですよね。

── 今回で言えば、ストライカーズの音楽の感染者を増やす、と。

i-ZUCCA:ストライカーズは、正統派な歌を歌っている人とはちょっと違ったバンドなので、そういう意味では病原菌的な感じでジワジワと感染者が増えていくイメージなんです。だから、パンデミックという言葉は合ってるなと思います。

MKTMN:その無邪気さというか、そういう病原菌を撒き散らしたいんです。

星野:無邪菌ですよ、無邪菌。楽しさが癖になっちゃうような、麻薬的な感染の仕方をしたら良いなと思っています。それを軸にアルバムを作っているし、イベントもそういう流れでやっていきたいと思っています。

── ストライカーズを表すにはライブが一番だと思うので、ライブで感染者を増やすのが大事だと思いますね。見ているだけで笑顔になれるというかハッピーになれるというか、中毒性が高いライブですし。3月3日のイベントで言えば、ストライカーズもキノコホテルもhare-brained unityも個性が強いので、すごい化学反応が起きるんじゃないかと思っています。

星野:キノコホテルは年末の年越しライブのQUEで一緒だったんですけど、すごかったですよ。パフォーマンスとしてのエロスというか、芸術的なものを感じましたね。

── バンドの世界観を作り込まれているという部分では、皆さんと近い部分がありますよね。

星野:エンターテイメントが過剰な感じは似ているかもしれません。

同じ木に、なってるはずのない実がある感じ

── ヘアブレは前に長崎で共演した時に、すごく盛り上がったというお話を星野さんから伺ったような記憶があります。

星野:長崎の時はすごかったんですよ。他にも福岡と岡山で共演したり、DJでイベントに何回か呼んでもらったことがあるんです。

MKTMN:東京では一緒にやったことがないんですけどね。

星野:とにかく、大樹くんの機嫌が悪くならないように。見た目が怖そうだから気をつけないとですね(笑)。

MKTMN:逆鱗に触れないようにしないと、すぐに呼び出されちゃいますからね。

星野:...なんて言ってると本当に怒られちゃいますよね。すごくいい人なんですよ。

── 松岡さんはヘアブレに対してどんなイメージを持ってます?

松岡名作:かっこいいです。一緒にやったら盛り上がりますよ。

i-ZUCCA:小学生の作文みたい...(笑)。

松岡:大好きなんです。アプローチも似てるし、打ち込みを同期するバンドって最近は増えてきましたけど、あんなに確立している人たちって実は周りにいないので。あとは、ヘアブレという世界観ができていますからね。

星野:ヘアブレは、BPMが120〜130ぐらいの4つ打ちに良いメロディーを乗せるのは一貫して、けっこう先駆者みたいな人だと思うんです。そういう意味では俺達もこだわりもあるので、近いものを感じるんですよ。ヘアブレもキノコホテルも、自分達のやってる音楽にすごいしっかりとした哲学を持ってますよね。キノコホテルは喋ったことはないですけど、明らかに持ってます。ブログはチェックしていますから。

── Rooftopでマリアンヌ東雲さんのコラムが12月号から始まったんですが、ドSキャラなんですよね。

MKTMN:怖いですね。

星野:まこちゃん(MKTMN)はドMなので、今の"怖いですね"はゾクゾクしますね、という意味になります(笑)。

── 先駆者と言えば、ストライカーズも下北をメインに活動しているバンドの中では異色の存在という感じがありますけど。

星野:ギターロックとも違いますからね。グチャグチャなものをパワーにする感じはあると思いますよ。

── 3月3日は、どんなイベントにしたいとかあります?

星野:すごい濃いイベントにしたかったので、出てくれるメンツが面白いというのは良いなと思います。ヘアブレとキノコホテルが一緒のイベントに出るなんて、たぶんないと思いますからね。お互い良い印象を持ってイベントが終わってくれたら良いんですけどね。

── こうやってイベントをやることによって、ストライカーズがメインになって、いろんなバンドを繋げるという意味もあるような気がしますね。

星野:そういうのがいいなって思っているんです。ピープルツリーというのがあるんですけど...。

── ピープルツリー?

星野:俺達が幹だとしたら、一緒にやるバンドは実なんです。その実のひとつがキノコホテルであり、ヘアブレであり、もう1バンドであり、絶対に同じ木になってるはずがない実がなっている木にしたいんです。

── なるほど。その木からさらに繋がっていけばということですよね? それは今のストライカーズがたくさんの人を巻き込みたいという気持ちと一緒ですね。

星野:はい。3月は色が濃い実ばかりですよ。本当によくこれだけ濃い色が集まったなって思います。

── 濃いというよりは、みなさんすでにクドイぐらいの色をしてますけどね。

星野:そんなに突き詰めなくていいだろうっていうぐらいのバンドが揃いましたね。

MKTMN:だから、全バンド見ても飽きないと思いますよ。同じ感じがない分、どのバンドも見逃せない感じですよね。そういうイベントってないから、これからもやっていきたいですよね。他の人がやっていないようなことを。

── ストライカーズは、歌モノもいけるし、ダンスもいけるし、いろんなバンドと組み合わせられると思うんです。それが良さでもありますし、枝を広げていくことができるんじゃないかと。

MKTMN:良さでもあり悪さでもあり...。

i-ZUCCA:良い意味でポリシーもないんです。

星野:ポリシーがないのがポリシー。頭をやわらかくというか。いろんなものに影響を受けながらやっています。

MKTMN:バンド自体のカラーがボーダレスな分、囲いがないからわかりにくい部分でもあると思いますけど。

── 頭がガッチガチになっているバンドもいる中で、皆さんのように柔軟にやっているバンドって貴重ですよ。

星野:1回バンドで挫折してるぐらいの年齢の人たちは、音楽を楽しめるというかガチガチにならないでやれるようになるんですよ。イベントもジャンルとか決めないでやったらこんな楽しいやり方があるんだぞというのが、この1年で広がればいいですね。その足がかりになれば良いなと思います。

── 2010年の前半でその足がかりを作っていくわけですが、後半はどういう活動にしたいですか?

星野:その後は、どんどん大きくしていきたいです。またRooftopと一緒にイベントをやらせてもらえる時は、ロフトのバーホールとかも使ってやりたいですね。



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LIVE INFOライブ情報

3月3日(水)下北沢SHELTER
ストライカーズ&Rooftop合同企画イベント
ストライカーズ パンデミック episode II meets Rooftop

OPEN 18:30 / START 19:00
ADV.¥2000 / DOOR ¥2500
ストライカーズ / キノコホテル / hare-brained unity / and more…
チケット:PIA(Pコード:347-410)・LAWSON(Lコード:75862)発売中 / SHELTER 2/3〜販売開始!!

問:下北沢SHELTER03-3466-7430

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