レディオ・キャロラインが2年振りとなるフル・アルバム『DEATH or GLORY』を完成させた。このタイトルだけでも、本作に対する彼らの強い自信、そして、ギリギリの覚悟を感じてもらえるはずだ。音楽的な充実度も、今まで以上。ガレージ、パンク、ハードコア、ウエスタン風のロックンロールからストリングスを加えたメロディアスなバラードにまで及ぶ楽曲には、3人のルーツと技術、ロック・ミュージックへの(執念にも似た)こだわりがビッシリと込められているのだ。曾田茂一プロデュースによる2曲も、レディキャロの新たな可能性を引き出していて、秀逸。死か、それとも栄光か。自ら退路を絶った3人は、今もロックンロールという運命に導かれながら走り続けている──。(interview:森 朋之)
アイゴンのお陰で頭が柔らかくなった
──これまでレディオ・キャロラインが作り上げてきたもの、メンバーそれぞれの個性とセンス、そしてロック・バンドとしての新しい可能性が濃縮されて、本当に素晴らしいアルバムだと思います。
ウエノ:ありがとうございます。
──音源を貰ってから、僕もかなり聴き込みました。今年の夏はカムズの再発モノとコレばっかり聴いてましたね。
ウエノ:カムズって、何だっけ? 聞いたことあるな。
──リップクリームのマルさんがいたバンドです。80年代ハードコアそのものと言うか...。
ウエノ:あ、そうなんだ。カムズと『DEATH or GLORY』って、それも凄い夏だねぇ。
──ええ(笑)。フル・アルバムとしては2年振りとなるわけですが、その間には『extremes』(昨年6月にリリースされたミニ・アルバム)もあったし、それほどインターバルが開いた感じもないですよね。
ウエノ:まぁ、時間は結構あった気がするね。ライヴはやってたけどね。何もレコードを出してないのにツアーやったりもしてたし。スタジオの中にいる時間はかなりあったんじゃないかな。
──制作時間もたっぷりあった?
ウエノ:というより、それぞれの曲に対して、ずっと"ああでもない、こうでもない"ってやってた感じかな。いろいろ何回も、時間をかけてた気がするけど。単純に時間があったからね。ホントはもっと早く出したかったんだけどね、大人の事情があって出せなかっただけで。まぁ、たまたまだけど、結果的には上手く行ったんじゃない?
──レコーディングは春ですよね?
楠部:そうでしたっけ?
PATCH:5、6月くらいまでやってたんじゃない?
ウエノ:スタジオ、3つくらい渡り歩いて。ミックスは全部同じ所だったんだけど。
──その時点で、"こういう音にしたい"というイメージはあったんですか?
ウエノ:うーん...まず、アイゴン(曾田茂一)と一緒にやった2曲があるじゃない?
──「HURRY UP」と「CHOCOCANDY」ですね。
ウエノ:その2曲を最初に録ったんだよ。それは凄く勉強になったし、頭が柔らかくなったんじゃないかなとは思うけどね。
──アイゴンさんとは、どういう経緯で一緒にやることになったんですか?
ウエノ:同級生なんだよ。
──大学の?
ウエノ:うん。で、アイゴンの作ってるレコードは昔からいいなと思ってて。「時間がある時に、ウチのレコードも触ってよ」っていう話はしてたんだよね、飲みながら。今回はたまたまタイミングがあって。
──音の手触りが違いますよね。言い方が難しいけど、音響系ガレージと言うか...。
ウエノ:違うよね。やっぱり凄いなって思ったけど。
──PATCHさんはどうでした?
PATCH:発想が違うんですよ。普段は3人だけでやってるし、大体の方向性が判るんだけど、全然違う見方をしてると言うか。もっとエレクトロニックな感じになるのかと思ったら、打楽器ばっかり使ってて。
──打楽器?
PATCH:民族楽器みたいなヤツを、ポコポコポコポコと(笑)。結構アナログなんだなって思って、好感が持てたと言うか。面白かったですよ。
──かなり実験的な要素もあって。でも、ちゃんとアルバム全体の空気にも合ってる。
ウエノ:うん、エンジニアさんもアイゴンとのレコーディングの時にいてくれた人だから。その時のやり方も判ってたし、統一感というところも含めて、その人がいいなと思ってたので。
──曲調も広がってますよね。3人のルーツだったり、好きなものがもっと強く出てると言うか。
ウエノ:ルーツは変えられんからねぇ。そういうものが出てればいいなとも思うし。大人が聴けばそれなりに笑ってもらえると思うし、若いヤツが聴いてもいいと思うけど。
──うん、思わずニヤッとする感じはありますよね。
ウエノ:そういうのがいいと思うからね。楽しいし、単純に。
覚悟を決めたからこそ付けたアルバム・タイトル
──『DEATH or GLORY』っていうタイトルもそうですよね。ニヤッっていうよりは、グッと来る感じですけど。これ、「HURRY UP」の歌詞の中に出てきますね。"A LIVE SOUL, DEATH OR GLORY"っていう。
PATCH:そうだね。
──これはいつ頃決めたんですか?
PATCH:えーと、レコーディング中なんだけど、「そろそろアルバムの情報を出すから、タイトルを決めて下さい」って言われて。今回は全然閃かなかったんだけど、ウエノさんが「歌詞にもあるし、これがカッコいいんじゃない?」って。まぁ、みんなもすぐに「いいね」って言ったし、まさにこういう感じだからね。
──そういう気分だった、と。歌詞を書いてる時も、そういうモードだったんですか?
PATCH:どうだったかなぁ? 「HURRY UP」は『extremes』の頃からあって、そんなに頭を捻って作った曲じゃなかったんだよね。このフレーズをいつか使おうって思ってたわけでもなくて。なかなかデカい感じだけどね、『DEATH or GLORY』っていうタイトルは。でも、それに見合うアルバムだと思うし。
ウエノ:うん、今PATCHも言ったけど、まさしくそういう感じだから。
──覚悟と言うか、さらに腹を括ったと言うか。
PATCH:フフフフフ(笑)。
ウエノ:いや、そういうのもあると思うよ。そうじゃないと、こういうタイトルは付けないと思うしね。
楠部:うん、いいと思います。レディオ・キャロラインっていうバンドを表してると思う。
──気が付けば結成5年を過ぎてますが、常にそういう気分だった?
楠部:あんまり昔を振り返ることはしないんですけど、それだけの時間が経ったからこそ、付けられるタイトルかもしれないですね。今のバンドの状態もそうだし、アルバムの中に入ってる曲もそうだし......うん。
──そうですね、まさに。ちょっと細かく楽曲のことも訊いていきたいんですが、まずはアルバムのラストを飾る「NEW WORLD」。ストリングスを加えるっていうのも、初の試みですよね。
ウエノ:そうだね。作ってる段階で、最初はファルセットでやろうと思ったんだけど...。
──コーラスを入れるってことですか?
ウエノ:そうそう。でも、何かピンと来ないと言うか、「どうなんだろうね、これ?」って話になってきて(笑)。そしたら真也が「誰かに頼んでみたらどうですか?」って言うから。
楠部:まぁ、閃きみたいなもんですけどね。ストリングが入ったらどうやろう? っていう、単純な発想で。
ウエノ:そう言われると、いろいろ考えるからね。「ビター・スウィート・シンフォニー」(ザ・ヴァーヴ)みたいな感じもいいかもな、とか。
──あ、なるほど。
ウエノ:そういう時に頼める人っていったら奥野(真哉)さんしかいないから、奥野さんに大枚をはたいて。
──アレンジを依頼した、と(笑)。
ウエノ:まぁ、こっちからも口では説明したけどね。「こんな感じで」って。奥野さんに渡したテープの中にはファルセットも入ってたんだけど、あとは全部お任せして。
楠部:ちゃんと結果を残してくれました。
ウエノ:大金払ってるからね(笑)。
PATCH:カッコいいよね。ライヴでどうやるんだ? って思ったけど。
ウエノ:今回は結構、そういう曲が多いからね。まぁ、ライヴ用にアレンジしてもいいし。
──シーケンサーとかを使うのは、"らしく"ない?
ウエノ:そうね、それを買うのに金がかかるし(笑)。やってもいいけどね。その時の気分で。
──なるほど。この曲、歌詞も今までにない感じですよね。"次の扉を開けてボクら/違う場所へ飛んで行こうぜオーライ"っていう、こんなにハッキリとメッセージが伝わる曲って...。
PATCH:似合わない?
──いや、そんなことないです。
PATCH:曲がそういう方向に行ったと言うか、仮歌の時よりもどんどんスケールが大きくなったから、書き直したんですよ。照れもなくなったし、思いついたまんま、ですね。前だったら、もっと違う言い方とか、遠まわしなフレーズを考えたと思うけど。素直な自分が出ました(笑)。
──そのほうがグッと来ると思います、聴いてるほうは。
PATCH:うん、そうなればいいけど。
"クラッシュ"がいつも最多のキーワード
──あと、アイゴンさんがプロデュースした「CHOCOCANDY」はレゲエのリズムが取り入れられてますが。これは誰のアイデアなんですか?
ウエノ:まぁ、もともとあんな感じだったんだけど、俺らはレゲエとかスカの本物の人じゃないんで。「ポリス・アンド・シーヴス」(クラッシュ)になればいいなって思って、そういうことはアイゴンにも伝えたけどね。俺らはやっぱり、クラッシュから入ってるからね、ああいう感じっていうのは。
──そうですよね。
ウエノ:うん。そこは結構、アイゴンも判ってくれてたからね。1曲1曲、合言葉と言うかキーワードみたいなもんがあるんだけど、今回は結構クラッシュが多かったかもしれない。
PATCH:うん。
ウエノ:いつもそうなんだけどね。いつも1位は"クラッシュ"だから。2位は"いい、いい"って言葉で、3位は"ルースターズ"。しょうがないよね、それは。さっきの「NEW WORLD」は、最初に家でギター弾きながら作ってた時、「ケース・オブ・インサニティ」(ルースターズ)みたいな感じになるといいなと思って。"こういう感じで"っていうのがあっても、(バンドに)持っていって、全然違うものになることもあるし。それはそれでいいと思うしね。
──『DEATH or GLORY』っていうタイトルも、かなりクラッシュっぽいかも。
ウエノ:"っぽい"じゃなくて、モロだね(笑)。曲名にあるんだよ、『ロンドン・コーリング』に入ってるんだけど。DJやってる時によくかけてたから、それも関係してるのかもね。
──「FOR THE BOY」もクラッシュがキーワードですか?
ウエノ:うーん、あれは結構古いんだよ。「HURRY UP」と同じで、『extremes』の頃からあって。あの時は"ちょっと色が違うかな?"と思って入れなかったんだけど、そこから始まってた感じもあるね、今回のアルバムは。曲作りに関してはね。
──『extremes』にはバンドの持ってる幅を見せるというテーマもあったし、繋がってるんですね。
ウエノ:"この曲もカッコいい。次に取っておこう"っていう。そういう感じでアルバム1枚出来たらいいなっていう気持ちもあったし。ずっとそうなんだけどね。その前には『HEAVY GLITTER』があるし。それプラス、今回はアイゴンが俺らの頭を柔らかくしてくれてたから、さらにいい方向に行ったと思うけどね。「I WANT YOU」も、その辺からあったかな。
──"I LOVE YOU 戦争を始めよう"っていう、凄いフレーズから始まってますが。
PATCH:このご時勢にね(笑)。
──怒られそうですよねぇ。「この歌詞はちょっと...」みたいな話になったりしないんですか?
PATCH:あ、それはなりますよ、もちろん。
ウエノ:ケミカルなものとかは、ちょっときついよね。まぁ、それもどうかと思うけどね。
PATCH:雰囲気がそれっぽい、ってだけでダメだったりするからね。前よりも厳しくなった気もしますね。メールとかで「これ、どういう意味で書いたんですか?」って確認が来たりするから。だから、「この歌詞は...」って説明したりして。ダジャレみたいな歌詞だから、"あんまり意味はないんだけどなぁ..."って思いながら(笑)。
──2008年にロック・バンドをやるっていうのは、そういう闘いでもあるっていう。
PATCH:それほどのことでもないけどね。ロック・バンドだけじゃなくて、(森山)直太朗君の歌とかもいろいろ言われてたし。
──"生きてることが辛いなら いっそ小さく死ねばいい"(「生きてることが辛いなら」)ですね。真也さんとPATCHさんのツイン・ヴォーカルみたいになってる「MISERY」も、新しいアイデアだなと思いましたけど。
PATCH:それはですねぇ、俺が気持ち良く唄ってたら、ふたりから「それはハモる人が唄うメロディだよ」って言われて(笑)。コード進行を考えたら、主メロはもっと下に行ったほうがいいねっていう。まぁ、基本的なことを教えてもらっただけなんですが。あんまり考えてないからね、そういうことは。
──で、真也さんがコーラスのパートを唄った、と。
PATCH:そう。高いパートに挑戦したんだけど、ダメでした(笑)。でも、良かったんじゃないかな。
どれだけ叩きのめされても立ち上がれ
──その辺りも、発想の幅が広がってるのかも。そう言えば、真也さんやウエノさんがギターを弾いてる曲もあるんですよね?
ウエノ:そんな大したことじゃないけどね。ほら、人って手癖があるじゃない? 曲によっては、俺が弾いたほうがハマるってこともあるだろうし。だから、たまたまだよ。今までやってなかったってだけで。まぁ、それも"頭が柔らかくなった"ってことかもしれないけどね。
──レディキャロって、めちゃくちゃストイックにレコーディングに取り組んでる印象があるんですが...。
ウエノ:うん、ストイックにやってるよ。でも今回は、どんどんアルバムが出来上がっていくにつれて、盛り上がってきたと言うか、ワイワイした雰囲気だったような気がしないでもないね。
──レコーディングの空気も変わっていく。
ウエノ:それはほら、曲が違うから。だってつまらないでしょ? 毎回同じような曲で、同じようなことをやってても。今回は嬉しかったね。どんどん曲が仕上がっていくのが。楽しいだけのアルバムじゃないけどね、もちろん。
──楽しみながらやってたと言うか。
PATCH:そういうところもあったかもね。気が付いたこと、思い付いたことはどんどん試してたし。新しいエフェクターも買ったしね、意欲的に。まぁ、今まで1個も使ってなかったんだけど(笑)。どうもトレモロがあったほうがいいような気がする、と思って。
──「ADELAIDE」のギター・ソロなんか、すげぇ良いっすよね。
PATCH:うん、あれはカッコいいと思う(笑)。曲も大好きだから、ギター・ソロも良くしたいと思って。いつも手癖だけだと、つまんないしね。気に入ってますよ。
──これは真也さんのヴォーカルですが。
楠部:はい。僕なりの"頑張って行こうぜソング"です(笑)。
──"魂と言う名の灯火が 風に吹かれて消えかかっても/立ち止まらずに走り続けろ"。
楠部:そういう気分でしたね、それを書いた時は。リアルに感じてることでもあるし、曲のイメージもそうだったし。ボコボコにどつかれて、しばかれて、叩きのめされるんやけども、それでも何とか立ち上がって、生きていくっていう。そういう感じを受け取ってくれれば、聴いてる人も共感してもらえると思いますけどね。もちろん解釈は人それぞれでいいんですけど、書き手としては、そういう感じです。
──PATCHさんが歌詞を書いてる「FOR THE BOY」の"HELLO MY FRIEND 始めよう"というフレーズもそうですけど、聴き手にダイレクトに響くと言うか、前向きな手触りの曲が多いですよね、今回。
楠部:まぁねぇ、周りにも落ち込んでる人が多いですから。
PATCH:そうだねぇ(笑)。
楠部:友達がへこんでたら、励ますじゃないですか? その時の感じを詞に反映させることもあるしね。その時に思ってること、自然と浮かんでくることを尊重すると言うか。そのほうがリアリティがあるだろうし。
PATCH:「FOR THE BOY」はまさにそうですね。
──いや、いいと思いますね。音楽を聴いて気分が良くなったり、前向きになれるのは全然悪いことではないので。
楠部:もちろん、グッと来てもらいたいっていうのはあるので。自分自身は洋楽ばっかり聴いてたから、日本語の歌詞でグッと来たっていう経験がないんですけど、自分で唄ったり、歌詞を書くようになってからは、邦楽もわりと聴き始めて。うまいこと日本語を乗っけてる人って、いますからね。そういうものも参考にしつつ。
こういうアルバムが売れる世の中であって欲しい
──研究してると言うか。
楠部:そこまでじゃないけどね。若い時はもっと凝り固まってたと言うか、"日本語? だっさ!"とか思ってたけど、それは間違いですよね。日本語だろうが英語詞やろうが、グッと来る時はグッと来るので。日本語で唄えば、どうしてもダイレクトに伝わってしまうじゃないですか? だったら、グッと突き刺さるもののほうがいいに決まってるので。あとね、自分で言葉を書いて、それを世の中に向けて出せるってことにも感謝してるんですよね。実はなかなかない環境じゃないですか? だからもっともっとストイックになって、表現を突き詰めていきたいな、と。
──それもひとつの覚悟ですよね。
楠部:昔に比べたら簡単にCDを出せるようになってますけど、今の自分たちの環境は恵まれてますからね。そこはもう、純粋にありがたいな、と。
──アルバムを作るたびに聴いてる人の数も増えてるだろうし、バンドとしての表現の幅も広がってて。特に『DEATH or GLORY』はこれからのレディキャロを示唆しているような気もしました。
ウエノ:今はコレが出来たのが凄く嬉しくて、次っていうのは、その時になってみないと判らないから。俺はもう、最近いろんなところで言ってるんだけど、これがダメだったら、それは世の中がダメだと思ってるんで。っていうくらい、いいと思ってるから。
──はい。
ウエノ:それをどうにか伝えたいんだけど、なかなか上手く言葉にできないから、饒舌になるばっかりで。まぁ、ホントにいいと思うから、聴いてもらいたいね。
──そうですね。
ウエノ:こういうものが売れる世の中であって欲しいからね。って書いといて。
──そういう話は、よく出ますよ。「これが売れたら、世の中もっと楽しくなるよな」とか。
ウエノ:うん、そういうアルバムだと思うよ。LOFTグループでも何かやってよ。やってよ、っていうのもアレだけど(笑)。
──アルバムの資料にある、音楽評論家の小野島大さんの推薦コメントも凄いですよね。
ウエノ:相変わらず熱いよね! 熱い熱いとは思ってたけど、ここまで熱いとは思わなかったね。でも、ありがたいね。
──「これはロックンロールの最終戦争である」「レディオ・キャロラインの闘いに、引き分けはない」っていう。
ウエノ:ねぇ?(笑) でも、ホントにそうだよ。
PATCH:音楽業界に対する...。
ウエノ:アンチテーゼを投げかけてるわけだからね、俺らは。
楠部:でも、嬉しいですよね。判ってくれてるんやなぁ、っていう。判ってて知らんぷりしてる人もおるかもしれないけど、どうにかしようと思ってくれてる人もちゃんとおるっていう。
ウエノ:ああいうライターさんがいるってだけでも、まだ大丈夫なのかなって思うけどね。
──そうですね。そして10月13日からは『DEATH or GLORY』ツアーがスタートしますが。
ウエノ:うん。さっき言ってたみたいに、アレンジを考えなくちゃいけない曲もあるからね。ツアーの前に怒髪天、STANCE PUNKSと一緒のイヴェントもあるし、その間にスタジオ入ってやっていこうと思ってるけど。まぁ、今の感じが伝わればいいけどね。『DEATH or GLORY』がね。あ、そうだ。あと2曲録ったんだわ。それは物販(ライヴ会場限定シングル)するから、書いておいて。
──『DEATH』っていうシングルも、物販してましたね。
ウエノ:うん。だから次は『GLORY』で。このアルバムに入れるのは、ちょっと違ったんだよね。聴いてもらえれば判ると思うけど。
photo by masuyo hoya