慢性的な不安
──そして、名曲『東京ライフ』ですが、中瀬さんの地元はどこでしたっけ?
中瀬:北海道です。上京して2、3年後を歌った曲ですね。住んでみたけどどうなんだろうなっていう状態に近いですね。
──これはだいぶ前から演奏されている曲ですよね?
千葉:Lucky13のライブを見に行っていた頃で、「新曲ができました」という時に聴いた曲です。もう1個やっていたバンドがうまくいってない時期で、初めて聴いた時にスッと入ってきたんです。
井上:僕も衝撃を受けましたね。Lucky13に誘われて、もらったCDの3曲目にこれが入っていて「ハッ!」と思ったことを思い出しますね。詞にやられました。
──東京に出てきて2、3年の時はやっぱり不安でした?
中瀬:まず、留年が決定していたので本気で不安でした(笑)。でも慢性的に不安ですね、これからも。東京はいろいろとやれる分、選択肢を与えられ過ぎちゃうんです。逆に不自由になりすぎる。いろいろ見失ってるんだろうなと思って、その曲になりました。基本的にはどの人にも通じる不安だと思ってますよ。テーマとしては、みんな抱えているものなんじゃないかな。僕の書く詩って極端に答えが少ないじゃないですか。問いかけて終わるのが多い。それを人は逃げというかもしれないけど、答えを提示したくないんです。常にどうしようか悩んでいる人のほうがよっぽど誠実だと思うんです。それは共感してもらえるんじゃないかな。
──こうやって悩んでる人のほうが人間ぽいと思いますよ。共感できると思う。
中瀬:『応援歌』ですら、「がんばれ」っていう言葉が出てきませんからね(笑)。
──そういえば、WEBで『東京ライフ』の特設ページがあるそうですが…。
中瀬:はい。この世界がよりディープな感じになっているので。先行で無料配信していたり、ジャケットが見られたり、小説書いたり、見て頂けたらと思います。
──今回レコーディングをやって、次に続く課題は?
千葉:曲がいい、ライブがいいだけじゃなくて、4人で一つの音楽集団として独り立ちできるような集団でありたいです。
井上:今までやったことないことにチャレンジしたいですね。いろんなことを導入していきたいです。
熊坂:いつも思うことですけど、自分の中でオンオフをもうちょっとスムーズにできたらいいなと思います。ステージは、こうなりたいっていう理想像に近づけて別人になれるから大好きで、リハに入ってる時も自然にその雰囲気が作れたらと思います。
中瀬:課題というか、今回自分の家でも録音できるようなシステムを揃えたので、どんどん次に行けそうですね。どんどんやっていきたいですね。
──12月にはワンマンがあって、これからも楽しみにしています。
中瀬:ありがとうございます。