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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】THE BACK HORN(2006年4月号)- 誰かと繋がって、コミュニケーションを取るための音楽

誰かと繋がって、コミュニケーションを取るための音楽

2006.04.01

“バックホーン君”の成長を見ている感じ

03_ap03.jpg──栄純さんの「初めての呼吸で」もいいっすね。これはアルバムにとっても、凄く大きい曲だと思いました。

松田:うん、そうですね。淡々としてるんだけど、じわじわとした熱があって、最後にグワーっと広がりつつ、また淡々とした感じに戻るっていう…。

山田:曲が持ってる空気感が、まさに“生活”って感じなんですよね。

菅波:36度5分だよな。

──平熱、ですね。

菅波:そうそう。でも、平熱でも“熱”であることには変わりないわけで。

松田:そういう曲って、今までやってなかったんですよ。“あ、こういう感じでも、ちゃんと(バックホーンの)世界が表現できるんだ”っていうことが判ったのは、でかいですね。

──『太陽の中の生活』っていうタイトルにも、ダイレクトに繋がってきますよね。

松田:そうですね。このアルバムを聴くことで、その人の生活がちょっとでもイキイキとすればいいなっていう願いもあるし…。ただ、タイトルだけで誤解してほしくないっていう気持ちはあるんですけどね。知り合いのバンドとかにこのタイトルを話すと「フォークっぽい感じなの?」って言われたりするんですけど、内容は全然違いますからね。音自体はかなりガーンときてるので。

──うん、テンションは高いですよね。曲によってはギターが歪んでなかったりするんだけど、緊張感は今まで以上にあって。

菅波:そうっすね。

松田:微妙な色彩を描いてる、って感じかもしれないですね。今回のエンジニアの人も、さりげなく、細かい雰囲気を出すのが得意だったから。激しさの中にも色気があったり、曖昧さがあったり。

──それはバックホーンの音楽が洗練に向かっている、ということでもあるんでしょうか?

菅波:うーん……“生活”っていうテーマ自体は泥臭いものですけどね。ただ、シンプルにはなってると思います。洗練っていうよりは、核に向かって進んでる感じかな。

松田:良い・悪いは判んないけど、明確なアルバムだよね。

──そうですね。ところでメンバーのみなさんの“生活”は楽しくなってますか?

菅波:(笑)相変わらずっちゃあ、相変わらずですけどね。でも、なんていうか、自分をなるべくいい感じにしておく努力はやってますよ。“運動しとけ”とか、“メシもいっぱい食え”とか、“よく寝ろ”とか。

──“歯を磨けよ”とか?

菅波:そうそう。“たまには風呂にも入れよ、みんな、くせぇと思うだろ”とか(笑)。

──(笑)でも、意外と大事っすよね、そういうことって。

菅波:そうですよね。これからもずっとバンドを続けていくっていう気持ちはあるから、立ち止まることはできねぇんだけど、ちゃんとすることころはちゃんとしないと。音楽の中ではどんだけ弾けてもいいし、どんだけハチャメチャになってもいいと思うんだけど。で、その音楽がみんなの助けになるとしたら……やってて良かったです、って思えますよね。そんなふうに思えたら、幸せじゃないですか。

──僕もそう思います。それにしても今回のアルバムは、ファンの反応が楽しみじゃないですか?

松田:いろいろあると思いますよ。今回はバックホーンのイメージを全然考えてなくて、“今、俺らがやるべきこと”を考えて作ったアルバムなので、それが新しいスタンダードになったら、ホントに嬉しいですよね。

──個人的には今回のアルバムを聴いて、バンド自体に人格がある、そんな印象を受けました。

松田:そうっすね。これもよく言ってるんですけど、“バックホーン君”ですから。バックホーン君が叫びまくって、世界と対峙しながら、ここまでやってきたっていう…。もちろん俺達がやってるバンドなんだけど、バックホーン君っていうひとりの人間の成長を見てる感じはありますよね。“今回はこういう形で出てきたか、次はどうなるんだ?”っていう。

菅波:生々しいよな。そういうバンドだからな、俺らは。

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