単純にいい曲だなって思ってくれればいいや
──今回のシングルですけど、以前ツアーで先行発売したものとはちょっと内容が変わってますが、それはどうしてなんですか。
小森:先行発売した時からリリースまで時間が開いちゃったというのもあるし。あとは、せっかくライブハウスに来て買ってくれたんだから、先行発売したCDを特別 な物にしたいっていう気持ちもあったんですよね。それで今回のバージョンでは一曲減らして二曲増やしたっていう感じですね。
──今回のではTHE CLASHのカバーなんかも入ってますよね。
小森:「The Prisoner」はずっとやりたかったんですよ。今までもライブではTHE CLASHのカバーは結構やってるんですよ「Garageland」とか「I Fought The Law」とか。で、今回の「The Prisoner」は、ウチのバンドで言うと柳井の声がジョー・ストラマー声で、オレがミック・ジョーンズ声っていうバランスになってるんで、ミック・ジョーンズがボーカルの曲をやりたいねって前から言っていて、「The Prisoner」は昔から好きだったんで、このチャンスにやれたんでよかったですね。結構イイ感じにやれたと思いますけどね。
──LINKって昔からクラッシュへのリスペクトは出してましたけど、ちゃんと収録されるのは初めてですよね。
小森:そうですね、だからレコーディングは楽しかったですね。今までカバーはBUZZCOCKSとかTHE JAMとかはあったんですけど、THE CLASHは初めてだったんで気合いを入れてやりました。…でも知ってるんですかね「The Prisoner」って。曲はポップだけど「Black Market Clash」とか皆あんまり聴いてないですからね。
──そうですね。でもTHE CLASHを知ってる知らないじゃなくって、単純にいい曲だと思いますからね。
小森:そうですね。それにオレらがやる事によって聴きやすくなってる人もいるだろうし。だから沢山の人に聴いてもらいたいですね。昔、THE JAMのカバーをやった時とかは、ルーツを辿ってくれたら嬉しいな、みたいな思いもあったんですけど、今回はルーツ云々じゃなく、単純にいい曲だなって思ってくれればいいやって思いましたね。
──タイトル曲でもある「ゴールドフィールド」っていうのは、やはり歌詞の中にもある「金田」から…。
柳井:そうですね(笑)。ある漫画の金田っていう主人公から取ったんですけど、ちょうどその曲を作っている時にその漫画を読み直してたんですよ。もともとは高校一年の時に読んでたんですけど、改めて読んでみたら新しい発見があって。そしたら、たまたま作っている曲と感じが似てるなって思って。
──感じが似ているというのは。
柳井:その漫画の中での、金田とその友達との友情具合とかがすっごいよくって。世界観とか、曲の内容とかにつながる部分があったんですよね。
──シングル曲は出来るまでに苦労したらしいですけど。
柳井:候補が何曲かあったんですけど、なかなかアレンジがまとまらなかったんですよ。
小森:結構前からシングルの曲のイメージはあったんですけど、なかなか上手くいかなくって、試行錯誤の末っていう感じですね。
山上:曲を作る時に、例えば「ポップな」みたいなイメージがあるわけですけど、同じ「ポップ」って言っても三人の中でズレがあるんですよ。その辺を合わせていくのに苦労しましたね。
小森:ポップパンクもポップだし、Jポップとかもあるし一言で判断するのは難しいんですよね。だから結構話し合ったりしました。
柳井:それで出来上がったのが今回のシングルに入ってる曲なんですよ。他の候補だった曲はアルバムの方に入っているんですけど、でも結果 的にシングルの曲としてはこれでよかったんじゃないかなって思ってます。ボク自身もすごい歌いやすいんですよ。口回りが。
──歌詞を乗っけた感じが合ってるんですかね。
柳井:そうですね。いいものが出来ました。
これがオレのやりたい事だ
──柳井くんの書く歌詞のイメージってその時々によって違っているという印象があるんですけど、今回の場合はどんな感じですか。
柳井:今回のシングルでは直線的なイメージの歌詞が多いですね。直線的で柔らかい感じ。…まあ、分かりやすい歌詞だとは思いますね。
小森:ストレートなんだよね。変にひねくれてないんで、そのままの意味に取ってもらえると思います。
柳井:シングルに関しては抽象的な歌詞とかそういうのはないですね。アルバムにはちょっと入ってますけど。
──今回も英語・日本語の曲が混在していますけど、その辺の区別はあまりしていないんですか。
柳井:やっぱり英語の方が歌いやすい事と、日本語の方が歌いやすい事ってあるんですよ。
──それは音的にですか、内容的にですか。
柳井:内容的にですね。
──あ、そうなんですか。普通に考えると内容的には日本語の方が表現しやすそうですけど。
柳井:日本語で歌った方が伝わりやすい曲もあるんですけど、最近気付いたんですけど、英語でやった方が伝わりやすい曲もあるんですよね。もちろんライブでパッと聴いた時には、日本語の方が伝わるとは思いますけど、歌詞を見ながら聴いた時に英語の方が、自分の気持ちを正確に伝えやす事もあるんじゃないかっ…ていうのがあるんですよね。日本語にするとどうしても全体的に柔らかい印象になっちゃうじゃないですか。
──くさくなり過ぎたりもしますもんね。
柳井:仮に今やってる英詞の曲を、そのまま日本語に置き換えて歌っても意味合いは変わってくると思うんですよね。英語だと、ちょっとひねくれた様な事や抽象的な事を書いても大丈夫なんだけど、それを日本語でやっちゃうとわけわかんなくなるかもしれない。
──自分の中でも表現しづらい事を、英語だと表現できる、みたいな感じですか。
柳井:そうかもしれないですね。日本語の曲はどうしても日本人ターゲットになるんだろうけど、英語の曲はターゲットを絞ってないから自由にやれてるっていうのもあるかもしれないですけどね。まあ、特にターゲットとか関係なく、これがオレのやりたい事だっていうのはありますね。
小森:英語じゃなきゃ表現できないっていう事もありますからね。英語の曲の持ってる力みたいな、ずっと英語の曲を聴いてきたんで、そういう雰囲気も好きなんですよね。同じように日本語の曲にも独特の力があるし、でもそれは全く違う別物なんですよ。
──それじゃ最後にこのシングルについて一言。
柳井:心の奥底の引き出しを開けた様な曲が出来たので是非聴いてもらいたいですね。
小森:シングルはオレと柳井で二曲ずつみたいな感じで作ってるんですけど、今まであんまりそういうのやってなかったからそれもまた面白いかなって思いますね。内容はかなり自信作なんで聴いて下さい。
山上:結構、全体的に聴きやすい曲になってると思います。 もちろんイキオイもあって、いい感じでやれてるし。まあ聴いて下さい!