2008年川崎CLUB CITTA'でのワンマンライブを最後に解散を発表したLINKが、再結成の道を選んだのが2010年。それから約1年。待望のフルアルバム『夜を超えた音楽と思想』をリリースした。この3人にしか出せないサウンド、グルーヴ、言葉には個人個人の経験値を含んだ重みがあるが、やはりLINKだった。「おじいちゃんになるまで続けたい」というインタビュー中の柳井の言葉通り、再始動したLINKが決意新たに進み出した様は、今作からも充分に受け取る事が出来ると同時にこれからの彼らにも期待したくなる作品だ。今作のレコ発ライブは8/7にDr.DOWNERとの2マンを新宿ロフトで開催する。彼らのエネルギーを感じてもらいたい。(interview:やまだともこ)
音楽は生活の一部
── Rooftopは2006年ぶりなので、解散から再結成の話を含めてお話させて頂きたいと思います。まさか、こんなに早く再結成するとは思っていなかったので、なぜあの時に解散を選んだのかなという気持ちもあるんですが。
柳井 良太(Gt/Vo):解散は『OVER THE REVOLUTION』をリリースして以降曲が全然出来なくなり、スタジオにもあまり入らない状況が続いたんです。確かその時期に小森が新しいプロジェクトを始めていたんだよね。
小森 誠(Ba/Vo):個人的なプロジェクトとして曲を作っていたんです。それとLINKをどうするかというのはそんなに気にしていなかったんですけど、スタジオに入ってる感じだったりとかで、昔みたいにこれすごいなみたいな曲はもう出来ないんじゃないかって。だったら他にやりたいことがあるならやったほうが良いかなって。俺から話をして、じゃあ解散しかないよねみたいな感じになって。
── 休止じゃなくて解散?
小森:休止にしちゃうとやりたいことが出来ないし、保険ぽいじゃないですか。何もないほうが気持ちもリセット出来るかなって。
── みなさん合意の上で?
小森:俺が抜けるというので解散みたいな感じはありましたね。
柳井:俺は続けたいという気持ちがあったんですけど、小森が楽しめない状況でやるわけにはいかないし、しょうがないから解散しようかって解散したんです。
── 楽しく音楽をやるというのは、みなさんの中で思っていた部分ではあったんですか?
柳井:やりたいことをやらないと意味がないし、金を稼ぐということではなくて生活の一部として音楽と関わっているので。だから、100%楽しめないと良くないですよね、やっぱり。
── それで、柳井さんはグレープフルーツ、小森さんと山上さんはYour landscapeを始動させましたが、そこではLINKほど100%で出来るみたいな感じではなかった?
柳井:なかったです。やってみて思ったのは、もちろん人が違うし、関わってきた時間もそれぞれ違うから当たり前と言えば当たり前なんですけど、グレープフルーツは時間がみんな合わなくて、濃密な会議や、深いところまで関わる事が出来なかったかなというのはあったかな。
── 小森さんたちはグレープフルーツの柳井さんを客観的に観た時はどうでした?
小森:面白かったです。笑うとかじゃなくて、存在感がすごくあるんですよね。前にLINKの制作をやってくれていた人と一緒にライブを観ていたんですけど、やっぱり観ちゃいますよねっていう話をしていて、そういう力を持っていたんだな、個性が強いんだなって。
── 柳井さんは、Your landscapeは観に行かれたんですか?
柳井:はい。客観的に小森とノリのバンドを見るのは初めてだったので、改めてすげえなと思って。個性があるし、かっこいい曲書くし、すごいドラム叩くし、外から見た事によって初めてわかって。
── 彼氏彼女に例えますけど。離れたからこそわかるみたいな?
柳井:離れたからこそのかわいさみたいな、ですね(笑)。それから一緒にスタジオに入るようになって、曲を作ったりして思ったのは、すごく信頼して一緒にやれるなって。解散する前までのLINKは俺が決める事が多くなっちゃっていたんです。でも、今は任せるところは任せちゃうとか、うまく三等分されていて良い感じです。
── お互いのバンドを観た時に、嫉妬とかはなかったですか?
小森:ないですね。頑張って欲しいなという感じで観てました。
── 柳井さんはあったんじゃないですか?
柳井:ありましたね。そういうのを僕は持つほうなので。言われたらあるって言うしかないですね(苦笑)。
── 私はグレープフルーツを見た時に、柳井さんが1人で引っぱってるという感じはしていたんです。
柳井:そうなっちゃったみたいな感じかな(笑)。
── Your landscapeは順調だったんですか?
小森:俺は特にYour landscapeに不満があったわけでもなく、ストレスやうまくいかないことはいっぱいあったけど、そういうのは3年ぐらいかかるかなと思っていたので、わりと長い目で見て。そしたら2年弱やってた時に柳井から「ちょっと話がある」って連絡が来て、それが昨年の3月ぐらいかな。まず2人で話して、柳井がLINKをもう1回やりたいって。3人で会って話してみようかって、そこから始まりました。
── 3人で話をして、じゃあやろうという感じにはすぐになったんですか?
小森:ならなかったです。解散してから時間が経ってないということに関してはそんなに気にしてなかったんですが、LINKを解散した理由が人間関係ではなく音の部分が一番でかかったので、スタジオに入って曲を作り、また新しいものが出来るなという確信が持てるまで3ヶ月ぐらい俺はかかりました。
柳井:話をする時も、小森がやるって言うかなっていうのはありましたね。音楽性の違いで抜けていったので、それを呼び戻すのは厳しいだろうなという気持ちもあったんですけど、話してみないと始まらないですから。100%の気持ちで3人でバンドをやりたいなと思っていたので。
── 復活が“SET YOU FREE”のCITTA'で、「もう再結成?」と思ったところはありましたけど、ご自身からするとあの2年は長い期間でしたか?
柳井:俺は長かったです。
── 悶々としてる感じはあったんですか?
柳井:グレープフルーツも良いバンドだし、仲間的には楽しめてやれていたので、今でも集まれればやりたいと思っているんですけど、それとは別にずっと続けて行けるバンドをやりたくて、その時に俺はおじいちゃんになってもLINKをずっと続けていきたいなと思っていたんです。
── それはいつから思っていたんですか?
柳井:小森に話をする前なので、昨年の3月ぐらい。ずっと続けていくならLINKだなと思って連絡したんです。