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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】髭 ('04年1月号) - 目の前にゴールがあるから作っているわけでもないし、普通に作っていたい

目の前にゴールがあるから作っているわけでもないし、普通に作っていたい

2004.01.19

ディズニーランドみたいに非日常じゃないと面白くない

——12月には1stフルアルバム「Hello! My Friends」がされたんですが、これは前作の「LOVE LOVE LOVE」が出てすぐマスタリングが終わってたっていう話も。

須藤うん、単純に曲がありましたからね。

——もうどんどんアルバム作っていくぞって感じだったんですか?

須藤そうですね、あるものをどんどん消化したかったというか。

——アルバムが出来ていかがでしたか?前回は5曲でしたが、今回は10曲と曲数も増えているし。

須藤大したことじゃなかったな、っていう感じだから、んー特に答えようがないんですよね。元々あったものだし。

——レコーディングとか大変じゃなかったんですか?

須藤うーん……なんかそんなに大変でもないな。レコーディングの準備とかはもちろん大変なんだろうけど、録る上では既にある曲を録って構成したっていう。

——え?じゃ出来上がって嬉しいとか、特にないんですか?

須藤いや、嬉しかった……かなぁ。

川崎:嬉しかったよ。

須藤嬉しかったなぁ(笑)。嬉しかった、うん。今回は曲作りから作る段階ではなかったから、既存の曲をどういう風にアルバム一枚に構成して聴きやすい物語にするかっていうところで。1曲目から10曲目までクラシックみたく、物語になっているようなアルバムを作りたかった。

——じゃ、曲順にもこだわりが。

須藤もちろん俺の意見がすべて反映された訳ではないけど、いいものを作るっていうベクトルがみんなで一つになっていたから、それは面白かった。

川崎:作業をしながら出来上がっていくじゃないですか、少しづつ。だからどかんと嬉しいというよりは、出来たなっていう感じで。うん、いいCDが出来たなとは思うんですけど。

宮川僕はすごく嬉しかったですね、単純に3年くらい髭をやっていて、初めて10曲単位のアルバムが出来たんでそれに対しての嬉しさみたいなのがすごいあって。ジャケットとかも結構いいものが出来たんで、実物を手にしたときはやっぱ嬉しかったですね、やっとフルアルバムが出来た!って。

——斉藤さんはいかがでしたか?

斉藤:これを作り終わってすぐ次を作りたくなったというか。やっぱ作るのがすごい楽しい。それを完成して聴くときが最高に楽しいから、これからもいっぱい作りたいっすね、って改めて思った。

——ジャケットもインパクトありますよね。

宮川これも結構須藤が関わっていて。

須藤曲を作るのと同じでビジュアルがいつも頭に浮かんでいるから。でも、「Hello! My Friends」も「LOVE LOVE LOVE」もどっちもデザイナーさんとのコラボレーションなので、人と作るっていうことをこの2枚で覚えたというか。アルバムもみんなで作っているんだけど、人と作るっていう意味ではかなり慣れた関係で。人と作るってこういうことなんだって。もちろん面白いこともあれば、難しいこともあるし。ただ、自分たちの顔がジャケットになるとは思わなかったけど、なったらなったでまぁ、いいかなっていう(笑)。

——で、アルバムの中に「白痴」っていう曲が入ってるんですが、この中で「髭イズム」っていう歌詞があるんですけど、これって、

須藤うーん、あんまり意味を求めないっていうか。何を聴いてもなんかレールがありすぎるって思っちゃうんですよね。この言葉はその前の“スタイルは他流”っていう言葉にかかっていたりするんだけど、なんかとにかくあんまり堅くならないで、別に自由でいいんじゃないかなって。もちろん髭イズムっていう言葉がある訳じゃないし。「白痴」は俺が人を馬鹿にしているように勘違いされちゃうけど、そういうことじゃなくて、結構ラブソング的な意味合いも強いんですよ、実は。歌詞とかに含まれているけど、ブランドとかに頼らなくてもいいと思うし、スタイルなんて始めは人のものでも、自分流でいいんじゃないかなって。意味なんて後からついてくるもんだし。あんまり考えすぎずテイクイットイージーってことで。

——2月4日には下北沢シェルターでレコ発ツアーのファイナルがあるんですが、ツアーに行くのは初めてなんでしたっけ?

宮川今までは大阪に行ったくらいで。

——ツアーは何カ所ですか?

須藤大阪・神戸・名古屋・東京で東名阪。

——初めての場所でライブもありますね。

須藤前に大阪に行ったときに思ったのが、東京の人たちの前でやる時と何も変わりはないんですけど、知らない土地ってことに対して興奮はありますね。外国に行ったみたいな気分になりますよ。

——ほう、それは面白いですね。

須藤外国に行ったみたいだった。海もあったし。

——海もあったし(笑)。

川崎:で、言葉も違うじゃないですか。テレビで聞いている関西弁がコンビニとかで繰り広げられている訳じゃないですか。

——確かに関西とか行くと印象違いますもんね。

斉藤:っていうかね、行ってすぐ道に迷ったんですよ。それで道を聞いたらみんな暖かくて。大阪すごい好きになったっていうか。いい人ばっかで泣きそうになった。

——今年はライブを結構頻繁にやってましたよね。

須藤今年の後半はちょっと異常だった。

——ちなみにライブはお好きですか?

川崎:大好きっすよ。

——ライブの集中力はステージを見ていてもすごい感じますね。

須藤やっぱりディズニーランドみたいな感じがいい。非日常じゃないと面白くないかな。日常を歌って上手いやつは俺たちよりたくさんいるし、俺たちは俺たちの世界観を出せないと価値がないから。特別な人間ではないけど、4人なり5人なりでやっている時は、間違いなくみんなは遊びに来たくなるような、騒ぎたくなるようなステージングが出来ないと俺はいや。

——では最後に、先ほどチラッと斉藤さんが“もう次を作りたい”と言われてましたが、そんな話もあるんですか?

須藤ない(笑)。あるかな?ないと思いますけど。

——あ、もう作っている訳ではないんですね。

須藤いや、音源としては普通に作ってますけど。作るのは好きだし、作ってたいんですよね。そりゃいつか発表する場はあるだろうし、「LOVE LOVE LOVE」なんてまさにそれだし。別にアルバムなんて出る予定なんてなかった状態で、うちらが作ったものを今の事務所が出してくれたっていう。もちろんいつか発表はしたいけど、目の前にゴールがあるから作っているわけでもないし、普通に作っていたい。

——なんかいい一言もらいましたね。ありがとうございました。

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髭 「Hello! My Friends」

3rd Stone Records
3SR-003 / 2,625yen(tax in)

LIVE INFOライブ情報

LIVE TOUR 2004 Hello! My Friends
1/17(土) 名古屋SONSET STRIP
1/18(日) 神戸STAR CLUB
1/19(月) 大阪CLUB MASSIVE
 
髭presents 「牝馬の愛Hello! My Friends」
2/4(水) 下北沢SHELTER
guest:セツナブルースター
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